この秋にリリースされるiOS 13。6月に行われたWWDCでその概要が発表されましたが、具体的にどんなことが変わるのでしょうか。改めてチェックしておきたいと思います。今回は、小粒ながら意外と使い勝手に影響しそうなアップデートをまとめてご紹介します。

バッテリーの充電を最適化

バッテリーの劣化速度を遅らせるための新しいオプション、とApple公式サイトでは説明されています。iPhoneに使われているリチウムイオン電池は、「フル充電」「フル放電」そして「熱」に弱いとされています。現在もiPhoneの充電については80%までは高速充電、その後は電流を弱めることで、熱によるバッテリーへのダメージを低減する方法がとられています。

  • iPhoneの充電はバッテリーへの負荷を減らすため2段階で行われています

iOS 13では、端末上の機械学習が充電のタイミングを学習し、必要のない限り充電を80%以下に抑える形になるようです。1日数回充電した方が、次の充電までの間隔が短いと判断して80%以下に抑えてくれる…ということになるのでしょうか。端末が長寿命化する傾向の中、期待したい機能のひとつです。

省データモード

「設定」に追加される機能のようで、Apple公式サイトでは「iPhone上のアプリケーションによるネットワークデータの使用量を減らします」とだけ説明されています。詳細はわかりませんが、アプリごとに通信量をセーブできるのなら、ギガ節約への効果が期待されます。

AirPodsを共有

彼氏彼女が並んでイヤホンを片方ずつ聴く風景に甘酸っぱい思いを抱いた世代のみなさん、これからは1台のiPhoneにAirPodsを2セットペアリングして聞くことができるようになります。有線ゆえの微妙な距離感、みたいなシチュエーションは残念ながら過去のもの、ということですね。

  • 走っても跳んでも落ちにくいAirPods。ペアで練習したいダンサーの方などにも便利なのでは

ヘルスケア

データが蓄積される一方で、これまで活用の場があまりなかったヘルスケア。iOS 13では「ハイライト」として傾向の分析が出るようになります。歩数、睡眠時間、心拍数など、各種アプリやApple Watchから取得されたデータが、生活を全般的な視点でセルフチェックするための助けになります。

Apple Watchと連動する「アクティビティ」には「トレンド」タブが追加され、過去90日の傾向をわかりやすく表示。現在の状況によってアドバイスもしてくれます。

  • ヘルスケアでは各項目の傾向を「Highlights」で表示。アクティビティには「トレンド」タブが追加されます

テキスト編集

長らく不便だったテキスト入力のアレコレがようやく改善されます。まず何より、カーソルを指でドラッグできるようになるのはありがたいですね。また、3本指のスワイプでUndo/Redo、ピンチインでコピー、ピンチアウトでペーストなどのジェスチャに対応します。またスクロールバーも追加されるので、長〜いページも素早く移動が可能になります。

  • 指3本でコピー/ペーストやUndo/Redoが可能に

Peekとクイックアクション

「Peek」は長押しでWebページやメールなどの一部をプレビューできる機能。クイックアクションはアプリのアイコンを長押しすることで各アプリの機能を直接開ける機能です。どちらも、iOS 12では「3D Touch(強押し)」に割り当てられています。iOS 13では、iPhone XRのように3D Touch非搭載の端末でもこれらの機能が使えるようになるわけです。ということは、時期iPhoneは3D Touch非搭載になる可能性が高そうです。

  • iPhone 6s/6s Plusで初めて搭載された3D Touchがここで廃止になるかも。確かに、長押しの方が直感的に使えそうです

以上、3回にわたってiOS 13に搭載される機能を紹介してきました。現在、誰でも使えるパブリックベータ版が提供されていますので、気になる方は一足早く試すことができます。ただし、思わぬトラブルが起こらないとも限りませんので、メインで使用しているもの以外の端末で試すことをお勧めします。