Safari機能拡張とは、Safariに後付けする形で利用するプログラム(アプリ)です。英語では「Safari Web Extensions」と呼ばれ、WEBブラウザであるSafariに任意の機能を追加/カスタマイズすることができます。Safariが"デコれる"ようになった、といえばわかりやすいでしょうか。
iPhone用Safari機能拡張は、App Storeを通じて配布/販売できます。2021年9月現在数は多くないものの、App Storeのカテゴリには「Safari機能拡張」が追加されており、今後の増加が見込まれています。独自開発のアプリでは難しい、Safariの存在を生かした機能を実現できるからです。
たとえば、「Svadilifari」というSafari機能拡張をインストールすると、Safariのタブを閉じたり新規作成したりするジェスチャー(一定の規則で画面上をなぞること)が有効になります。Safari標準の機能では、スワイプやフリックといった定型的な操作しかできませんが、ジェスチャーを使えばSafariの操作の自由度は高まります。
HTMLやCSS、JavaScriptといったWEB標準技術で構成されることもポイントです。WebExtension APIという他のブラウザとの互換性が考慮された技術基盤に基づくうえ、iOS向けのアプリを開発するツール(Xcode)には他のブラウザ用に開発された機能拡張をSafari用に変換するコマンドが収録されているため、それほど労力をかけずに移植を進めることが可能です。
インストールしたSafari機能拡張は一般的なアプリと同様に扱われ、ホーム画面にアイコンの形で登録されます。削除やAppライブラリへの移動も一般的なアプリと手順は同じです。ただし、Safariのタブバー(旧アドレスバー)左端の「ああ」をタップすると有効化/無効化のメニューが現れるなど、Safariと一体的に管理できるよう設計されています。