アップルは7月22日、「Apple Music」のAndroidアプリをアップデート。新たに空間オーディオとロスレスオーディオに対応した。アプリのバージョンはデバイスによって異なる。
空間オーディオ楽曲を再生するには、デバイス側がDolby Atmosに対応している必要がある。編集部で確認したところ、Dolby Atmosに対応している「Xperia 5」(SO-01M、Android 11)にApple Music(Ver.3.6.0)をインストールすると、空間オーディオ楽曲を再生できた。Apple Musicのデフォルト設定では、「ドルビーアトモス」の項目はオフになっており、手動でオンにする必要がある。
空間オーディオ楽曲としてラインナップされている作品をいくつか試聴したところ、通常のステレオ再生とは音場の広さが異なることがすぐに分かる。Xperiaの設定画面からDolby Atmosのスイッチをオン/オフして効果を確認することもできた。ここでDolby Atmosをオフにしていても、空間オーディオ楽曲を再生すると自動でオンに切り替わる仕組みのようだ。
たとえば、全編を通して多重ボーカルが特徴的なアリアナ・グランデの楽曲「positions」を聴いてみると、ステレオ再生の場合は“左右から鳴っている感”が顕著。一方で、空間オーディオバージョンでは音が鳴っている空間が上下にもグッと広がるようで、“音に包み込まれている”感覚が容易に味わえる。どちらが聴きやすいかは、楽曲の特徴や好みにもよると思うが、個人的には空間オーディオのほうが同曲の持つ艶めかしさ心地よく味わえた。
一方、Atmos非対応の「Xperia 10 II」(XQ-AU42、Android 11)で同バージョンのApple Musicアプリを試すと、空間オーディオ楽曲を検索することはできるが、Xperia 5のときと同じ楽曲を選んでもロスレス等の別の形式で再生され、空間オーディオとして再生することはできなかった。
AirPods Proなどのアップル製品でなくても、手持ちのイヤホンやヘッドホンで空間オーディオ/ロスレスオーディオ楽曲を楽しめるのはありがたい。なお、空間オーディオ/ロスレスオーディオに関しては、山本敦氏のレポートや海上忍氏のハウツー記事に詳しい。
今回のアップデートの主な内容は以下の通り。
- 対応デバイスで空間リスニング体験が新たに実現、数千曲をDolby Atmosで再生可能に
- ロスレスオーディオに対応
- 曲から曲への移行をシームレスにつなげる自動クロスフェードに対応
- インライン検索でお気に入りの音楽を簡単に見つけられるようにライブラリの検索機能を強化