ふだん何気なく見ているWEBサイト、表示される広告が自分の興味・関心にマッチしていると感じたことはありますか? 通販サイトで見た商品のバナー広告が繰り返し表示されるようになった、不動産仲介サイトにアクセスしてから住宅関連広告がやたら目立つ、という経験のある人は多いはず。かんたんにいうと、それは自分がターゲット型広告にロックオンされたからにほかなりません。
そのターゲット型広告を無効化すべくiOSに導入されたのが、プライバシー保護機能のひとつ「プライベートアドレス」です。『設定』→「Wi-Fi」画面で適当なアクセスポイントの「i」ボタンをタップし、詳細画面を確認してみましょう。Wi-Fiアドレス(たとえば「CE:42:78:A1:CC:05」)を見ると、すべてのアクセスポイントで異なることが確認できるはずです。
このWi-Fiアドレスは、ネットワークICごとに割り当てられた「MAC(Media Access Control)アドレス」と呼ばれるもので、同じものは2つとなく、他のスマートフォン/パソコンと重複することがありません。このMACアドレスをキャッチできれば、特定の人の行動を追跡し、趣味趣向に沿ったターゲット型広告を配信できるというわけです。
iOS 14で導入されたプライベートアドレスは、本来iPhoneのWi-Fi固有のMACアドレスを"偽装"するもので、Wi-Fiアクセスポイントの詳細画面にある「プライベートアドレス」スイッチがオンのときに有効になります。オフにするとiPhone固有の(搭載されているネットワークIC固有の)MACアドレスが使われるため、どのWi-Fiアクセスポイントへ接続しても同じMACアドレスが使われます。
つまり、プライベートアドレスをオフにすると、iPhoneのプライバシーは低下します。一部のビデオレコーダーのように、MACアドレスで端末を管理する家電製品を使う予定がないかぎりは、オンのまま利用すべきでしょう。