Appライブラリの右端を指でなでると...とは、インストールされているアプリを一覧表示しているときのことでしょうか? 確かに、数字やアルファベットが垂直に並んだ部分を繰り返し上下になでると、コロコロとした感触が指先に伝わってきますね。クセになってついついAppライブラリを開いてしまう、そんな人もいるかもしれません。
その指先に伝わる感触は、iOSでサポートされている「触覚フィードバック(Haptic Feedback)」の働きによるもの。iPhone 6s/6s Plusから搭載が始まったリニアアクチュエーター(モーターの回転運動を線形運動に変換する装置)「Haptic Engine」により、タッチディスプレイ上に細やかな振動を発生させることで、ユーザの行動に反応しているのです。
Appleは開発者向けに「Human Interface Guidelines」というユーザインターフェイスの運用指針を示しており、そこでHaptic Feedbackは「Notification(通知)」と「Impact(視覚体験の補完)」、「Selection(選択項目が変化している状況での反応)」という3種類のフィードバックを定義しており、Appライブラリの右端を指でなでたときのコロコロは「Selection」に該当します。
アプリにおける触覚フィードバックの使いかたは細かく定義されており、注意点もいくつか示されています。たとえば、視覚体験とセットで使うこと。あくまで補完的に利用すべきで、使いすぎは避けること。ゲームで活用する際には、ユーザ体験を豊かにする目的で使用すること。ユーザインターフェイスに強いこだわりのあるAppleらしい考えかたといえそうです。
そういえば、件のコロコロもあくまで操作の補完で、これみよがしな使いかたはされていません。小さな文字が頼りの味気ない縦スクロールに触覚的な反応をくわえることも、ユーザ体験を向上させるという機能の趣旨にかなっています。コロコロ、意外に奥深いのですよ。