音声通話よりテキストでのやり取りが歓迎される現在、文字入力速度の重要性が増しています。iPhoneにはいくつかの入力スタイルがあり、パソコンのものと同じキーボードが小さく表示されたものをタップする方式(フルキーボード/ローマ字入力)のほか、テンキーをフリックする方式(テンキー/かな入力)などが活用されています。
どの入力方式も慣れ次第、ユーザの習熟度によって入力速度は上下しますが、利用するキーボード固有の入力方法を知っているかどうかにも影響されます。キーボードの使いかたを懇切丁寧に説明するマニュアルはiPhoneに収録されていませんから、あまり知られていない入力方法も存在します。
そのひとつが、矢印記号の入力です。ふだんの何気ないメッセージのやり取りでも、「↑」や「↓」といった矢印記号はよく使われますが、「やじるし」と入力し変換するなど効率がいいとはいえません。フルキーボード/日本語ローマ字入力の場合、括弧や鉤括弧、等号など利用頻度が高い記号は数字モード(123キー)でまたは記号モード(#+=キー)から入力できますが、矢印記号はそこに含まれません。
しかし、フルキーボード/ローマ字入力のときは日本語モードで「zに続けてh/j/k/l」、テンキー/かな入力のときは数字モード(☆123)に切り替えて「1ボタンを右フリック」すると、スピーディーに入力できます。
たとえば、フルキーボード/ローマ字入力時に左向きの矢印を入力したいときには、「zh」と入力すればOK。同様に、下向きの矢印は「zj」、上向きの矢印は「zk」、右向きの矢印は「zl」です。この入力方法は、かつてUNIX系OSで利用された日本語入力システム「Wnn(うんぬ)」に由来するもので、Gboardなどの日本語入力システムにも採用されています。
テンキー/かな入力のときは、数字モードに切り替えたうえで1ボタンを右フリックすると、キーボードの上にある候補欄に矢印記号が現れます。「zh」や「zj」と比べれば操作ステップは多いものの、「やじるし」と入力して変換するよりかなりスピードアップされるはずです。