「Super Retina XDR」は、iPhone 11 Pro/Pro Maxに搭載された有機EL(OLED)ディスプレイの名称です。前モデルのiPhone XS/XS Maxに搭載されていたOLEDディスプレイ「Super Retina HD」に比べコントラスト比は2倍、最大輝度は約30%向上しています。一方でエネルギー効率は15%改善されており、"見目麗しいが倹約家"なディスプレイといえるでしょう。

Retinaという言葉は、2010年発売のiPhone 4s以降、Apple製品の高精細ディスプレイに対して与えられています。直接的には網膜を意味しますが、人間の視覚が認知可能な上限とされる300ppiを超える画素密度を持つディスプレイ(Super Retina XDRは458ppi)であることを暗に示唆しています。点を点として認知することが難しいほど緻密な画像を描画できるディスプレイなのです。

XDRは、2019年6月に発表されたパソコン用ディスプレイ「Pro Display XDR」で初めて採用されました。「eXtreme Dynamic Range」という意味合いで利用され、デジタルシネマで使用される「DCI-P3」という規格をカバーするほど広い色域を表現できます。iPhone 11 Pro/Pro Maxの「Super Retina XDR」もDCI-P3の色域に対応し、最大輝度1200nitsというダイナミックレンジを実現します。

つまり、「Super Retina XDR」という名称には、肉眼では点を見分けることが難しいほど緻密、しかも広い色域とダイナミックレンジに対応するディスプレイという意味が込められています。iPhone 11に搭載の液晶ディスプレイは「Liquid Retina HD」ですから、そこから違いを読み取れるはずです。

  • なんか凄そうな「Super Retina XDR」の意味は?

    iPhone 11 Pro/Pro Maxには「Super Retina XDR」ディスプレイが搭載されています