今回の発表で「つまりLINEはどうなるの?」と感じている人も多いと思うが、誤解を恐れず一言で表すなら「Facebookみたいになる」わけだ。事実、森川氏はカンファレンスで「Facebookを超えたい」という言葉を口にしている。ずいぶん思い切った方向転換にも思えるが、収益化・事業化を考えるなら、比較的予想通りの場所に着地したなという印象である。

今後は企業やテレビ番組とも手を組み、様々なプロモーションを打ち出していくという

では将来、LINEが世界の大舞台でFacebookに取ってかわることはできるのだろうか。これについては質疑応答で「いつFacebookを超えるのか」という質問が寄せられたが、執行役員・舛田淳氏は「Facebookを超えるというよりも、Facebookのように9億、10億といった多くのユーザーを抱える存在に早くなっていきたいと考えている」と言葉を濁している。

確かにLINEの日本におけるユーザー層がFacebookとまったく異なっている――Facebookは首都圏の壮年~中年男性を中心に広がりを見せているのに対し、LINEは若者世代を取り込んで拡大している――ことを考えれば、世界でも同じように棲み分けることは難しくないのかもしれない。

同日発表されたKDDIとの業務提携がLINEの今後にどう影響してくるのかは未知数だ

いずれにしても、急拡大しているとはいえ、LINEはまだFacebookを超える超えないという話ができる規模ではない。森川氏は当面の目標として「2012年中に1億ユーザーを突破する」ことを掲げており、これが実現されるようならいよいよFacebookとの激突が現実味を帯びてくる。

Facebookとの大きな違いである「スマートフォンベースであること」を武器にどこまでLINEが戦えるのか、そもそもSNS化したことでユーザー離れが起きないのかどうかも含め、今年と来年はLINEにさらなる注目が集まりそうだ。

世界に通用するサービスとなるか