投資といったら、株式投資を真っ先に思い出す人が多いですよね。
しかし、証券会社で取引できる金融商品は株だけではありません。「投資信託」も証券会社で購入することができ、投資初心者に人気があります。
人気があると言われても、投資信託がどんなものかというイメージすら湧かない人も多いでしょう。
投資信託とは、プロが自分の代わりに投資してくれる金融商品のことです。
この記事では、投資信託ってそもそも何?どれくらいの元手が必要なの?という投資信託の基本的なところや、投資信託の選び方、投資信託を解約するタイミングまで徹底的に解説します。
「株式投資にしか興味がない」なんて言わず、投資信託にも目を向けてみましょう。
そもそも投資信託とは?投信のメリット・デメリット
投資信託は個々の投資家から資金を集め、多額の資金を元手に投資のプロ(ファンドマネージャー)が資産運用を行うものです。「投信」や「ファンド」とも呼ばれます。
資産運用の具体的な内容は、国内外の株式や債券、不動産、先物取引などへの投資です。
ファンドは、国内外の株式や債券などを組み合わせて投資を行います。
投資信託で利益を出す方法は、次の2つです。
- 運用の結果として利益が出ると、分配金として投資家に還元される
- 順調に運用されて投資信託の値段(基準価額)が上昇したときに解約して、購入時と解約時の差額を得る
分配金とは、株式投資でいう配当金のようなものです。支払われるタイミングは、投資信託によって、月1回、年2回など変わります。
また「特別分配金」という、利益が出ていなくても投資家に解約されないために支払われる分配金もある。分配金は再投資するのがおすすめだ。
株式だけに投資する投資信託や、債券だけに投資する投資信託もありますが、その場合でも、ひとつの銘柄だけを買うことはなく、いろんな銘柄に分散して投資を行います。これを分散投資といいます。
資産運用に投資信託をおすすめする理由!少額で分散投資が可能
投資信託のメリットはたくさんありますが、この2つにメインと言っていいでしょう。
- プロに資産運用を任せられる
- 少額から分散投資ができる
投資信託はプロに資産運用を任せるため、銘柄選びや売買タイミングの判断を自分でする必要がありません。
自分では投資するのが難しい外国株式や債券、不動産、金やレアメタルにも投資でるのです。
また少額で分散投資ができるのも、投資信託の大きなメリット。
株式投資で分散投資をしようと思うと、いくつも株を買う必要があるため資金も銘柄選びの時間も多大にかかります。
投資信託なら自分で銘柄を選ぶ必要がなく、100円~10,000円という少額資金で購入可能。
1つの投資信託を購入するだけで、複数の資産に分散投資できるので株式投資よりもずっと楽に資産運用ができるのです。
投資信託のデメリットは、各種手数料がかかること
どんなものにもメリットがあれば、当然デメリットもあります。
投資信託のデメリットは、株式投資ではかからない費用がかかること。
投資信託は保有している間ずっと、運用を担当するプロに信託報酬というお金を払う必要があります。
信託報酬は年率1.0%などと表記され、日割り計算で毎日資産から差し引かれてしまうのです。
つまり、信託報酬を上回る運用実績がでないと赤字ということ。また途中解約をしたときには、ペナルティーとして費用が必要になる投資信託もあります。
- 販売手数料または募集手数料:購入のための手数料
- 信託報酬:保有している間ずっとかかる、運用のための費用
- 監査報酬:投資信託が監査法人の監査を受けるための費用で、保有している期間中にかかる
- 信託財産留保額:途中解約したときにかかる費用
投資信託のメリットやデメリット、かかるコストについてはこちらの記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
投資信託はいくらで買える?投信積立なら100円から購入可能
株だと、株価×最低単元(最低購入株数)が購入費用になるので、投資には10万円、20万円などまとまったお金が必要になりますが、投資信託なら少額で購入できます。
「いきなり大金をつぎ込むのは怖い」という人にとっては嬉しいですね。
毎月100円から投資が始められる投信積立
投資初心者には毎月決まった日に、決まった金額で投資信託を買い続ける投信積立がおすすめです。
投信積立は毎月100円や~1,000円で始められるので、購入のハードルがかなり下がりますよ。
投信積立でおすすめの投資法はインデックスファンドの組み合わせ
信託報酬が安く、投資先がシンプルなインデックスファンド※を組み合わせるのが、投信積立でおすすめの投資手法です。「少額で分散投資できる」というメリットを最大限に活かすことができるからです。
TOPIXや日経平均株価などの指数と連動した運用成績を目指すファンドです。
その一方でバランスファンド※なら、ひとつの投資信託でさまざまな資産へ分散投資が可能です。
株式、債券、不動産など、さまざまな投資対象をを組み合わせて資産運用を行う投資信託のことです。
しかしバランスファンドは信託報酬が割高になってしまうため、インデックスファンドの組み合わせが人気なんです。
実際、各証券会社の投信積立人気ランキングでも、「世界経済インデックスファンド」などのインデックスファンドが上位を占めています。
ドルコスト平均法を自動で実践できるのも積立のメリット
投信積立は定期的に定額で買うので、買うタイミングも買う口数も悩む必要がありません。
平均取得単価を下げ、購入費用を安く抑えられる効果も期待できます。
定期的に定額で買う方法を、ドルコスト平均法といいます。
投信積立の基礎知識やメリット、証券会社ごとのサービスの特徴や、投信積立で人気があるファンドについてはこちらの記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
投資信託選びの前に知りたい!ファンドのタイプ・種類
現在日本では、たくさんの投資信託が販売されています。各投資信託の投資対象は、国内株、海外株、債券、不動産、貴金属などさまざま。
投資信託の種類をわけるときの基準には、このようなものがあります。
分類の基準 | 商品 |
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投資対象 |
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運用方針 |
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販売期間 |
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購入方法 |
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販売対象 |
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だが種類分けは、6つの分類項目で簡単に理解できるぞ。
投資信託を探すならモーニングスターのファンド検索が便利
インデックスより高い運用成績を目指す投資信託がアクティブファンドです。
アクティブファンドは種類が豊富ですが、たくさんの種類から優秀なアクティブファンドを見つけるのは、なかなか大変ですね。
ファンドを探すときには、証券会社やモーニングスター社が提供しているファンド検索機能が便利です。
証券会社の検索機能だと、その証券会社で扱っている投資信託しか探せないので、より多くの中から探したいならモーニングスターがおすすめです。
投信選びの基礎知識!リスクとコストでファンドを選ぶ
投資信託はプロに運用を任せるので、株式の銘柄を選ぶ必要はありません。しかし、たくさんの投資信託の中から、自分に合う投資信託を選ぶ必要はあります。
しかし、先ほど紹介したように投資信託にはいろんな種類があります。そのため、投資信託を始めたいけれど、選び方がわからず、なかなか購入できないという人も多いと思います。
でも大丈夫。7つのポイントを抑えれば、あなたにあった投資信託を選ぶことができます。
- 自分のリスク許容度の範囲内の投資信託を選ぶ
- なるべく資産規模が大きい投資信託を選ぶ
- 信託報酬と販売手数料の安さを重視する
- 過去の運用実績をチェックする
- いくつの投資信託を組み合わせ、分散投資効果を高める
- 気になる投資信託は、目論見書で詳細を確認する
- 分配金にこだわらない
ファンド選びの基本!リスクが許容できる範囲内にあるファンドを選ぶ
まず大前提になるのは、自分が許容できるリスクの範囲を決め、その範囲内におさまる投資信託を買うことです。
お金が減る可能性を少しでも軽減したい人(大きなリスクを許せない人)が、リスクの大きな投資信託を購入するなんて、矛盾していますよね。
「大きく儲けたい、大きなリターンを得たい」と思うのは当然ですが、リスクと期待リターンは表裏一体なので、リターンが大きい投資信託は資産が減るリスク(負ける可能性)も大きくなります。
「儲けたい(期待リターン)」と「負けない(背負うリスク)」の折り合いをつけましょう。
リスクとリターンの大きさは、「標準偏差」という指標ではかります。
標準偏差を使えば、予想される値動きの範囲(リスク)を把握することができ、自分が納得できるリスク範囲におさまる投資信託を見つけられます。
資産規模が小さい・小さくなりつつあるファンドは選ばない
資産規模も、投資信託を選ぶ大切な基準のひとつです。というのも、資産規模が大きいファンドほど効率の良い投資が可能になり、運用成績が高い傾向にあることがわかっているからです。
その視点で考えると、投資家に利益の還元として渡す「分配金」は多いことは、デメリットであると考えられます。分配金を渡すことで、ファンドの資産を取り崩しているからです。
毎月分配金型投資信託はシニア層を中心に人気を集めていますが、運用成績と値上がり益を重視するなら、分配頻度が少ない投資信託を選ぶべきです。
投資信託選びでは株式投資以上にコストにこだわりたい
投資信託を選ぶときに意外に軽視されがちなのが、保有中にかかる運用コストです。
最初にかかる購入時手数料については、手数料がかからない投資信託(ノーロード)を選べばOK。
日々発表される投資信託の基準価額(投資信託の価値)は、信託報酬を差し引いた後の価格なので、どれくらい信託報酬を払っているのかを意識しにくいシステム。
しかし、確実に信託報酬によって利益は削られていきます。
信託報酬が0.4%の投資信託と1%の投資信託では、運用利回り(運用によって得られる利益)が同じ3%でも、実際に得られる儲けが大きく違うのが一目瞭然です。
三菱UFJ国際投信のデータを参考にしてみましょう。
複数の投資信託のうち、どれを選ぼうか迷ったら、信託報酬で比較して選びましょう。
分散投資のメリットを最大限発揮できるファンドを選ぶ
投資信託のメリットのひとつは、少額で分散投資ができること。
しかし似た値動きをする投資信託ばかりでは、リスクを分散できません。
リスクを分散するには、「国内株式型と海外債券型を持つ」など、投資対象が違う投資信託を保有するのがおすすめ。
バランスファンドなら、ひとつの投資信託の中に異なった投資対象が含まれます。
しかし「国内・海外の株式に投資します」としていても、国内株に偏って投資している投資信託もありますので注意してください。
実際にどんな銘柄に投資しているのかは、「目論見書(もくろみしょ)」というパンフレットに掲載されているので、必ず確認しましょう。証券会社や運用会社のWEBサイトで閲覧できます。
それでも選べない人は松井証券のロボアドバイザー
投資信託の選び方について解説しましたが、それでも迷っちゃう人だっていますよね。
自分の選択が利益に繋がると思えば、投資信託選びだってプロにやってほしいものです。
そこでおすすめしたいのが、松井証券のロボアドバイザー「投信工房」。
ロボアドバイザーとは、ネット上で簡単な質問に答えるだけで、自分に最適な資産運用を提案してくれるコンピューターのことです。
松井証券ではロボアドバイザーの投信工房を、無料で提供しています。
人件費を抑えてノーロード(手数料無料)の投資信託のみ扱っているため、徹底した低コスト運用が可能です。
少額投資家にも優しく、なんと100円(毎月・毎週・毎日)から積立ができます。これならお試し感覚で始められるため大きな不安もありません。
さらに運用だって任せられるから、投資家は何も考えなくても常にポートフォリオの最適化を行ってくれます。こんなに至れり尽くせりのアドバイザーが近くにいれば、株初心者にとってかなり頼りになること間違いありません。
こんな場合は投資信託を解約!リスク管理とメンテナンスの方法
投資信託を始めるときには実際に利益を出す行動、つまり解約(換金)についても知っておく必要があります。
投資信託を解約するのは、運用成績が悪い時、運用成績が良い時、資産のバランスが崩れた時などです。
どうなったら投資信託を解約(換金)すべきなのか、知っておきましょう。
損失を小さくする解約のルールと、利益確定する解約のルール
投資信託を解約しようと思うのは、「損を出さないため、損を小さくするために解約したい」ときと、「利益を確定するために解約したい」場合です。前者の損切りのための解約には、こんな基準があります。
- 資産規模が小さくなってきている
- 類似ファンドより運用成績が悪い
- 事前に決めた、許容できる値下がり(リスク)の範囲を超えた
「投資信託の選び方のポイントからずれてしまったときには解約する」ということですね。一方で、利益を確定させるために解約を行う場合もあります。利益確定をするときには、こんなルールで解約をしましょう。
- 目標金額を達成したら迷わず解約
- 当初基準価額の2倍になったら半分解約して、元手を回収
目標金額を達成したのに「もっと上がるかも、もっと利益が出るかも」と持ち続けているうちに、いつの間にか値下がりするのはよくある失敗パターンです。
「許容できる値下がり(リスク)の範囲を超えた」ときに解約するのと同様、当初予定している利益に達したら潔く売ってしまいましょう。
リスクとリターンのバランスをとるための解約も大切な作業
投資信託を選ぶとき、リスク分散のためにいくつかのファンドを組み合わせて選ぶことがおすすめだとお伝えしました。しかし時間が経つと、それぞれのファンドの運用成績によって、最初に作ったバランスが崩れてしまいます。
このバランスを見直し、元に戻すのが「リバランス」という作業。資産に占める割合が大きくなった投資信託の一部を解約し、小さくなった投資信託を買い増しします。
リバランスすることで、リスクとリターンのバランスが修正され、結果として運用成績も改善するという追跡結果もあります。
投資信託の選び方から買い方までの流れを把握しよう!
しかし投資信託は決してわかりにくいものではありません。
投資初心者にとっては、とても便利なものなんですよ。
このサイトでは、投資信託を買う前に知っておきたい基礎知識から、買ったあと解約するまでの流れまで全てを解説しています。
投資信託についてわからないことがあれば、ぜひ当サイトの記事を参考にしてくださいね。