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変化は上から、進化は下から - 人が辞めなくなったブイキューブの働き方改革

[2019/05/20 08:00]山田井ユウキ ブックマーク ブックマーク

仕組み化のポイントは「できない基準」で考えないこと

――お聞きしているとテレワークはとても順調に思えますが、特に困っている点などはないのでしょうか?

今村氏:テレワークで仕事ができる人は良いのですが、ペースをつかめずに持ち崩してしまう人もいるので、そこは何とかできる仕組みが必要だと考えています。当社でテレワークを選ぶための条件は「自分のワークスタイルを確立している人間であること」です。当然個人差があるので、マネジャーの裁量で縛れるようにはしてあります。テレワークを選んでもいいけれど、許可するかどうかはマネジャーが決めるんです。

――まさに、その点を気にしてテレワークの導入に二の足を踏む企業も多いようです。

間下氏:評価の仕組みさえきちんと機能していれば、うまくいっていない社員のことはすぐにわかるんですよ。それはわかったときに引き上げて救っていけばいいんです。

最初からダメになるケースをあれこれ想定して制度をつくってしまうと、結果的に制限だらけの使いにくい制度になってしまいます。それよりも、「できる人」を基準に制度をつくって、そこからこぼれてしまう人をすくい上げる仕組みを考えるほうが良いと思います。

――評価制度が重要だということですが、具体的な成果指標は何でしょう。

間下氏:やはり数字がわかりやすいのですが、それだけではありません。たとえ営業であっても、評価は数字だけで決めているわけではありません。それぞれの社員には定性的な目標があって、そこにも評価がついています。

数値目標以外の評価をどうしていくのか決めるのは確かに難しいと思いますが、それをやらないとテレワークうんぬん以前に、そもそもちゃんと人を評価できていないということですからね。

変化に必要な「トップダウン」と進化に必要な「調和」

――2017年に新制度の構想を始めてから、実際にスタートするまでどれくらいかかりましたか?

今村氏:プロジェクトをスタートしてから6カ月、制度ができてからは3カ月というところです。

――かなりスピーディーですね!

間下氏:制度づくり自体にはそれほど時間はかかりません。問題点を想定して洗い出していたらもっと時間もかかるでしょうが、先ほど申し上げたように、まずはやってみないと問題点もわかりませんからね。ORANGEワークスタイル制度自体、もしやってみてダメだったら旧制度に戻すことも想定していました。

――現在、500人近くの社員がORANGEワークスタイル制度で働いているということですが、それによる業績への影響などはありましたか。

間下氏:業績は上がっているのですが、それとORANGEワークスタイル制度の相関関係があるかどうかはわかりません。ただ、人は辞めなくなりましたね。産後復帰率も100%です。人材が確保しにくい世の中ですから、これは当社の強みだと思います。

――ORANGEワークスタイル制度を実施する過程で失敗はなかったのでしょうか。

今村氏:おおむね好評で、失敗らしい失敗はありませんでした。ただ、部署ごとの自治に任せているので、そのなかでローカルルールが生まれて不満が出たことはあります。それはその都度、対応して解決してきました。問題が出たら、そのときに人事が対応すればいいんです。

間下氏:今回の制度と並行してフリーアドレス制を導入したのですが、それには最初抵抗もありましたね。ただ、トップダウンで「とにかくやってみよう」と。「モニタの画面が大きくないと嫌だ」という声があれば、大画面のモニタを買って全ての席に並べたり、環境整備への投資で解決できることであれば全部対応しました。

――「働き方改革をしたいのに、なかなか進まない」という企業にアドバイスはありますか?

間下氏:マネジメント側が「えいや!」でやるしかないですよ。人は基本的に変わりたくない生き物なんです。それを変えるには上(経営層)がやるしかない。「変化」するときはある程度リーダー主導型じゃないとできないんです。そこから「進化」するためには、逆にトップダウンではダメなんですけどね。進化は調和で促せますが、変化は調和では起こせません。

――今後の展望について教えてください。

今村氏:プロジェクト自体、継続的に運用されていますし、エンゲージメント調査も実施しています。社員が意見を投稿する目安箱も用意していて、日々、さまざまな意見が寄せられます。単純な不満もあるし、次の制度のヒントになるような建設的な意見もありますね。それらに応えて改善しつつ、よりよく進化していきたいと考えています。

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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2018年10月に創業20周年を迎えるにあたり、新たに「Evenな社会の実現」というミッション、「To be "The One"」というバリューを策定したブイキューブ。これらの言葉がどのように生まれてきたのか、常務取締役 CRO 水谷潤氏、同管理本部 人事グループ グループマネージャー 今村亮氏に話を聞いた。

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