ドバイの巨大IT見本市「GITEX」で注目される日本の実力派ベンチャー4社

[2018/11/14 08:00]鈴木恭子 ブックマーク ブックマーク

  • ソリューション
  • ● 関連キーワード
  • HR Tech
  • IoT

ソリューション

VISITS Technologies -「クリエイティブ能力」を可視化する

VISITS Technologiesは「人間を科学するピープルアナリティクスカンパニー」をスローガンに、HR(Human Resource)技術を活用したソリューションを提供している。2014年設立の同社が展示していたのは、アイデア測定&創出ツール「ideagram(アイデアグラム)」だ。

ideagramは、これまで感覚的で可視化が難しかった「クリエイティブ能力」を数値化するもの。独自アルゴリズムを使って「クリエイティブ能力」を解析/可視化し、その結果を基に社内の新規事業を企画したり、適材適所の人材配置に活用したりする。

同社でグローバル戦略Div.シニアディレクターを務める小川高子氏は、「アイデアの価値を数値化するアルゴリズムは、グーグルが採用していた『ページランク』を想像してもらうと理解しやすいです」と説明する。ページランクは「リンクされた数とリンク元のサイトの質」で決まる。ざっくり言うと、創造力や信頼があると評価された「目利きの人」が評価したアイデアは、より高評価になる仕組みだ。

日本ではすでにサービスを展開しており、人材採用などに活用するケースが多いという。海外展開について小川氏は、「どの国や地域に”刺さる”のかリサーチしている段階です」とコメントした。

VISITS Technologiesでグローバル戦略Div.シニアディレクターを務める小川高子氏

Unipos - 感謝を”カタチ”にして贈り合う

従業員同士が”ボーナス”を贈り合うことで互いに認め合い、働きやすい職場環境と円滑な人間や関係、さらに人事評価制度の改善にも役立てる――。従業員30名のUniposが提供するのは、「従業員同士でピアボーナスをやり取りするシステムを簡素化したWebサービス」だ。

ピアボーナスとは、従来の給与制度ではカバーできない日々の貢献に支払われる「第3の給与」を指す。会社が支払う基本給や成果給とは異なり、従業員同士がお互いの日々の行動に対し、賞賛の”証”としてポイントを贈り合う。貯まったポイントに応じて少額のボーナスが支給される仕組みだ。これにより、”目立たない貢献”を目に見えるかたちで評価することを狙う。同社でインサイドセールスを担当する川村純志氏は、「行動への賞賛をオープンにすることでモチベーションを高められます。職場環境を良くすることで、離職率の低下や組織風土の変革に役立ててほしいです」と語る。

日本国内ではすでに100以上の企業がUniposを導入している。川村氏は「エンジニアリングやバックオフィスで働く人々の業績を、数値評価することは難しい。それをピアボーナスというかたちで認め合えば、『自分の頑張りが評価されている』とモチベーションも上がります」と、その効果を説明する。サービスは、クラウドベース型のサブスクリプション形式。1ユーザー当たり月額700円(海外では10ドル)で利用できる。

Uniposでインサイドセールスを担当する川村純志氏

コネクテックジャパン - 半導体技術の底力を見せたい

来場者がひっきりなしに訪れていたのが、半導体ベンチャーであるコネクテックジャパンのブースである。

同社はこれまで実現が難しかった低温/低荷重/ダメージフリーのフリップチップ実装技術「Monster PAC」を有するハードウエア企業だ。Monster PAC技術とは、従来はチップと基板間の接合で求められていた約260℃の接合温度を、約80℃で接合できるようにした技術である。また、熱圧着の荷重を従来比の約20分の1にした。さらに、印刷工法による基板側にバンプを形成する技術で、基盤の素材を選ばずに配線を形成できるという。

コネクテックジャパンでダイレクタープロセス開発を担当する小松裕司氏

同社でダイレクタープロセス開発を担当する小松裕司氏は、「われわれの技術を使えば、さまざまな素材を基板として半導体を実装できます。IoT時代には多品種/変量生産の半導体デバイスが求められます。例えば、ウエアラブルデバイスとして、着脱できる柔らかい素材にも実装することが可能です」と説明する。

同社の設立は2009年。代表取締役でCEOを務める平田勝則氏は、パナソニック出身だ。ベンチャーではあるが、同社従業員の大半は、過去に半導体の開発に携わっていた”ベテラン”がそろっている。

小松氏は「『半導体事業は日本から消えた』という人もいますが、実装の世界では非常に優れた技術を持っています。台湾のCOMPUTXなどにも出展しましたが、(来場者のなかで)技術職の方がすごく評価してくださる。すでに外国企業からも受注をいただいています。われわれは世界中に商機があると確信しています」と自信を見せた。

Monster PAC技術で柔らかく熱に弱い基盤にも半導体を搭載できる

ispace - 月面に入植用の基地を建設する

世界初のロボット月面探査レース「Google Lunar XPRIZE」に挑戦したメンバーが核となっている宇宙事業ベンチャー「ispace」もブースを構えた。同社は2017年12月に101億5,000万円の資金を調達したことでも話題となっている。「月面に入植用の基地を建設すること」を目標に掲げる。従業員は約70名で、その70%が技術職だ。外国籍の従業員も多い。

同社でコミュニケーションマネージャーを務める秋元衆平氏は、今回の出展について、「UAEの人は、スタートアップや新しい分野への投資に関心が高い。特に、宇宙産業に興味を持つ人は多いです。そのなかでわれわれは、企業だけでなく政府に対してもプレゼンスを見せていきたいと考えています」と語る。

展示期間中にも、実際にビジネスにつながるような話をしたり、逆に自社技術を売り込まれたりすることもあったという。秋元氏は、「われわれは、優れた技術を持つ世界中のサプライヤーに協力してもらい、探査船を設計しています。GITEXへの出展は、ビジネスパートナーを見つけるという側面からも非常に意義があると感じています」と、出展への想いを語った。

ispaceでコミュニケーションマネージャーを務める秋元衆平氏

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

もっと知りたい!こちらもオススメ

進化の滞る米国住宅にイノベーションを - 日本人スタートアップ HOMMAの挑戦

進化の滞る米国住宅にイノベーションを - 日本人スタートアップ HOMMAの挑戦

米国で建売住宅事業に挑戦する日本発のベンチャー企業「HOMMA」。日本流の住宅建造技術にテクノロジーを融合し、米国住民に対して新たなライフスタイルを提案しようとしている。本誌は、CEOの本間氏に創業背景やビジョン、今後の展望について話を伺った。

関連リンク

この記事に興味を持ったら"いいね!"を Click
Facebook で IT Search+ の人気記事をお届けします

会員登録(無料)

注目の特集/連載
知りたい! カナコさん 皆で話そうAIのコト
教えてカナコさん! これならわかるAI入門
対話システムをつくろう! Python超入門
Kubernetes入門
AWSで作るクラウドネイティブアプリケーションの基本
ソフトウェア開発自動化入門
PowerShell Core入門
徹底研究! ハイブリッドクラウド
[解説動画] Googleアナリティクス入門講座
マイナビニュース スペシャルセミナー 講演レポート/当日講演資料 まとめ
セキュリティアワード特設ページ

一覧はこちら

今注目のIT用語の意味を事典でチェック!

一覧はこちら

ページの先頭に戻る