いかにデジタルでビジネスを変革するか? 日本TCSが挑む「3つの領域」

[2018/05/14 08:00]齋藤公二 ブックマーク ブックマーク

変革を促す「クラウドの活用」と「運用の自動化」

2つ目の変革は、テクノロジーランドスケープの変革だ。現在多くのインフラはアプリケーションの要求のままに提供されている。これをクラウドを活用しながら、整理統一されたインフラの姿に変えていこうとしているという。

現在は、全てのシステムをクラウド化する動きから、オンプレミスも含めたマルチクラウドでの運用が主流になりつつある。適材適所でクラウドを使い分けることが重要になるが、ビジネス部門が勝手にクラウドサービスを利用してしまい、管理がままならない状態に陥るケースも少なくない。

そこで、しっかりした戦略を立て、クラウドサービスをどう管理していくかを決めて運用していくことが重要になる。TCSでは、グローバルで保有するTCSのプライベートクラウド基盤を活用しながら、顧客のクラウド戦略からマイグレーション、運用までの一貫したパスを持ったサービスを提供できるようにしている。

こうしたTCSのサービスを利用してクラウド戦略を推進しているのが三菱商事だ。同社では、どんなアプリケーションをどうクラウドに移行するかについて、TCSのコンサルティングの下にロードマップを策定している。

また、ある外資系の保険会社では、オンプレミスのシステム環境をクラウド化するにあたり、TCSが提供するツールを使って、アプリケーションにどのような変更が発生するかを分析し、ロードマップを策定しているという。

3つ目の変革は、運用のオートメーションだ。インドのIT企業の強みの1つは、優秀な人材による高品質なサービスを、インドという地理的条件を生かして低コストで提供することにあった。そうしたなか、TCSが新たに取り組んでいるのが「マシーンファーストデリバリーモデル」と呼ばれる、運用サービスのレベル1~3までをできるだけ自動化していく取り組みだ。

「これまでの自分たちの強さの源泉のところを機械に置き換えていくという意味で、カニバリズムでもあります。これは、何かあったら人をあてて対処するこれまでの考え方とは異なる考え方です。TCSでは、これからの人材不足の時代にあって、人に頼る運用のあり方では回っていかないと考えています」(同氏)

自動化するメリットは、オペレーションミスが減り、運用スピードが上がることにある。また、運用するロケーションや言語の問題もなくなる。こうしたオートメーションを担うのが、TCSが開発するAIプラットフォーム「Ignio」だ。Ignioは、ソフトウェアとして動作し、システムに組み込むことで、AIが顧客環境の運用を学習することができる。6週間ほどで数千台のサーバがあるような環境を学習し、サーバが落ちたときの影響を分析したり、その際の対処をレコメンドしたりできるほか、パスワードリセットへの対応といったユーザーからのリクエストにも応えられるようになるという。すでに三菱商事がPoCを実施し、障害対応での効果を確認している。

最後に川端氏は「日本TCSではこれら3つの変革によって、運用の統合化とクラウド構築、運用業務の自動化を進め、問い合わせに対する解決時間の短縮、ヒューマンエラーの削減、運用業務を低減を図っていきます」とアピールし、講演を締めくくった。

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