更地や農地を何年も使わずに放置して「遊休地」にしていませんか?土地は所有しているだけで固定資産税がかかるため、せっかくなら資産として活用したいところです。

しかし、いざ何かに活用したいと思っても、自分の土地にどんな活用手段があるのか分からないという方も多いのではないでしょうか。土地の活用方法にはさまざまな種類があり、それぞれで収益性や必要資金も大きく異なります。
この記事では、まず遊休地活用のための基礎知識を解説したのち、おすすめな遊休地の活用法を14個紹介します。
また、活用方法ごとの「適している土地」「必要な土地の広さ」「初期費用」「メリット・デメリット」を表にまとめているので、ご自身の土地の活用方法を考えるうえできっと参考になるはずです。ぜひ本記事の内容を参考にして、遊休地の有効活用をスタートさせてください。
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遊休地の活用前に知っておきたい基礎知識
遊休地の活用方法を知る前に、遊休地の性質を知っておくことが大切です。遊休地の基礎知識について確認していきましょう。
遊休地とは
活用されることなく放置されている土地のことを遊休地と呼びます。とくに、土地の所有者となってから2年以上使用していない遊休地には、利用を促すために都道府県知事が通知を出すことがあります。
通知が出されると、6週間以内に活用するか売却するかを決めて届け出なければなりません。所有者が従わない場合は、公共団体への売却が検討されます。わずか6週間で大きな決断をするのは大変です。前もって活用方法を検討しておきましょう。
遊休地を活用した方がよい理由とは
遊休地を放置してしまうと、雑草が生えたり不法投棄されたりして、近隣の住民への迷惑になってしまうことがあります。クレームにつながるほか、土地の所有者に管理責任が問われるかもしれません。放置する期間が長いほど、このリスクが高まります。
さらに、固定資産税や都市計画税を支払い続けるという経済的負担を考えれば、土地を更地で放置しておくのはもったいない話です。できれば活用して、近隣の住民とのトラブルを回避しつつ収入につなげましょう。
なお、固定資産税については次の記事で詳しく解説しています。

遊休地の種類
自治体によって、土地の種類ごとに建てられる建物の大きさや種類が制限されています。遊休地が分類される主な土地の種類は以下の通りです。
- 宅地
- 農地
- 商業地・工業地
一口に遊休地と言っても、所有する土地によって選択できる活用方法が異なります。遊休地の種類ごとにできる活用方法を確認しましょう。
宅地
宅地は活用方法の選択肢が幅広い土地です。次のような施設または建物の建設が認められます。
- 駐車場
- アパート
- マンション
- 幼稚園
- 公衆浴場
- 診療所
- 老人ホーム
ただし、地域によっては建物の高さや面積に制限があるため、事前の確認は必要です。
農地
農地は基本的に、農業以外に活用することが認められません。宅地や商業のために活用したい場合は、自治体に農地転用を申請して認可される必要があります。
ただし、農業用として活用するなら問題はありません。所有者本人が農業をしていなくても、近隣の農家へ貸し出せば収入につながります。そのほか、農地を借りたい人を複数人募って貸し出す「市民農園」も選択肢の1つです。
農地を活用するための方法は、以下の記事で詳しく扱っていますので参考にしてみてください。

商業地と工業地
商業地や工業地は、アパートやマンションといった住宅系の経営はできませんが、施設が発する音や光の量が制限されにくく、事業に向いている土地です。次のような活用方法があります。
- ボーリング場
- カラオケボックス
- パチンコ店
- 自動車教習所
- 車庫
- 倉庫業向けの倉庫
- 自動車修理工場
- オフィスビル
このほか、商業地ではホテルや旅館、飲食店も建設できます。自分で経営せず事業者へ貸し出すことも可能なので、収益を上げやすい土地といえるでしょう。
遊休地におすすめの活用法14選
続いて、遊休地におすすめの活用法15選を紹介します。手法ごとの「適している土地」「必要な広さ」「初期費用」「メリット・デメリット」を表にまとめました。
活用法 | 適している土地 | 必要な広さ | 初期費用 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|---|---|
月極駐車場 | ・住宅街 ・オフィス街 ・不整形地 |
車1台当たり4坪 | 10万円以下~ | ・転用しやすい ・自力でも整備できる |
・収益性が低い ・ライバル出現のリスク |
事業用定期借地 | ・商業地の近く ・主要道路沿い |
100坪以上 | 不要 | ・長期安定収入 ・契約終了時は更地に戻る |
・中途解約できない ・借主の事業破綻リスクがある |
貸し農園 | ・農地 | 一区画1坪~ | 0円~ | ・事業リスクが低い | ・借主を見つけるのが難しい ・収益性が低い |
資材置き場 | ・工事現場周辺 ・不整形地 |
下限なし | 0円~ | ・更地のまま貸し出せる ・低コスト |
短期間契約になりがち |
コインパーキング | ・商業地 ・駅の近く |
車1台当たり4坪 | 数十万円 | ・転用しやすい | ・収益性が低い |
トランクルーム経営 | ・狭小地 ・不整形地 |
20~30坪 | 100万円~ | ・経営リスクが低い | ・金融機関の融資を受けにくい ・利益を得るまで時間がかかる |
貸し倉庫・貸し工場 | ・商業地 ・工業地 |
30坪以上 | 数百万円~ | ・収益性が高い ・長期契約を獲得しやすい |
・借り手が少ない |
賃貸住宅 | ・賃貸ニーズの高いエリア ・駅徒歩10分圏内 |
50~60坪 | 約4,600~8,500万円 | ・収益性が高い ・節税効果がある |
・空室リスクがある ・管理コストが高い |
店舗経営 | ・交通量が多いエリア | 30坪以上 | 約1,000万円 | ・本業にできる | ・経営リスクがある |
オフィスビル賃貸 | ・商業地 ・ターミナル駅周辺 |
50坪以上 | 数億円 | ・収益性が高い | ・空室リスクがある ・管理コストが高い |
ホテル1棟貸し | ・観光地 ・主要都市 |
60坪以上 | 数億円 | ・収益性が高い ・事業者の撤退リスクが低い |
・借り手が少ない |
福祉施設経営 | ・閑静なエリア | 100坪以上 | 数億円 | ・税制優遇がある ・社会貢献できる |
・経営リスクがある |
等価交換 | ・アクセス良好 | 100坪以上 | 不要 | ・遺産分割がしやすい ・譲渡税の優遇措置がある |
・交換成立まで時間がかかる ・土地の権利の一部が失われる |
土地信託 | ・需要の高いエリア | 100坪以上 | 不要 | ・経営の手間がない ・大規模事業に挑戦できる ・必ず配当金がある |
・信託会社の失敗リスクがある |
それぞれの活用法を「初心者向け」「初期投資の少なさ」「収益性の高さ」に分けて詳しく見ていきましょう。
初心者向けの活用方法4選
まずは、大幅な収入こそ見込めないものの、経営リスクが少なく初心者向けな活用方法を4つ紹介します。
月極駐車場
初期費用を抑えつつ安定的に収入を得られる活用方法として真っ先に挙げられるのが、月極駐車場経営です。
月極駐車場には砂利を敷き詰めるタイプとアスファルトを敷くタイプがあります。それぞれの初期費用を見てみましょう。
舗装の種類 | 1平米あたりにかかる費用 | 1平米あたりの合計金額 | 車5台分(約16.5平米)にかかる合計金額 |
砂利 | ・掘削:500円~ ・残土処分:1,200円~ ・砕石、転圧:1,300円~ |
3,100円~ | 約50,000円+重機レンタル30,000円 =合計80,000円 |
アスファルト | ・掘削:500円~ ・残土処分:1,500円~ ・砕石:300円~ ・アスファルト舗装:3,000円~ |
5,300円~ | 約87,000円+重機レンタル30,000円 =合計117,000円 |
月極駐車場は10万円以下から始められて、更地に戻しやすいのが大きなメリットです。一方、アパート・マンション経営のように2階建て以上にできないことと、家賃よりは賃料が高くないことから、収益性はやや低めです。また、自分で管理する場合は賃料の徴収やトラブル対応などの手間がかかります。
こうした手間を省くために管理を業者に依頼する場合の費用は、賃料の5~10%が目安です。このほか、定期的な舗装のし直しのコストがかかります。
月極駐車場が向いているケース
- 初期投資を少なく抑えたい
- 短期間で活用を始めたい
- 将来的に家を建てたい
- 将来的に他の活用方法に挑戦したい
- 長期契約を獲得しやすいオフィス街や住宅街
以下の記事で紹介する「駐車場経営に必要な知識」を取り入れて、上手な経営に役立てましょう。
事業用定期借地
事業用定期借地は、コンビニや飲食店などの事業者に期限つきで土地を貸し出す方法です。借地権つきの住宅を建てる場合に多い「普通借地」とは次のような違いがあります。
借地権の種類 | 契約期間 | 契約終了の条件 |
普通定期借地 | 期間の定め無し |
|
事業用定期借地 | 10年以上50年未満 |
|
普通借地権は借主の権利が強い一方で、事業用定期借地は契約期間満了とともに、更地に戻して土地を返してもらえるというメリットがあります。また、事業者が撤退・破産等しない限り、安定的に土地の賃料を得られるのも特徴です。
事業用定期借地が向いているケース
- 10年以上その他の用途に活用する予定がない
- 商業地に近いエリアにある
- 商業施設の建設に適した100坪以上の土地
以下の記事では、土地貸し出しを行うときに役立つ「賃料の決め方」について解説しています。合わせて読んでおきましょう。

貸し農園
行政の規制によって、所有している農地が宅地や事業用に転用できない場合は、農地のままの状態で貸し農園として活用する以外の選択肢がありません。とはいえ、農地を貸すだけなので初期投資を行う必要はなく、ローンの返済もないため事業リスクは低めです。
ただし、駐車場や賃貸住宅と比べると賃料が低い上、借り手が多くないため収益性は高くありません。農地が一律に農地以外に転用できないわけではないので、その他の活用方法が可能かどうかを見極めてから検討しましょう。
農地として貸し出す場合には、農業経営者に貸し出す以外にも、市民農園として1~3坪の区画に分けて貸し出すなどの方法があります。
貸し農園が向いているケース
- 転用許可の下りない農地を所有している
- 初期投資をゼロに抑えたい
- 事業リスクを背負いたくない
自治体によって補助事業や助成金、融資など活用できる制度が整っている場合があるので、農業を管轄する部署の窓口に相談してみましょう。
資材置き場
工事中の事業者に対して、一時的に土地を貸し出す方法です。更地のまま貸し出せるため管理コストがかからず、経営リスクが極めて低い手法といえるでしょう。資材を置くだけなので、契約期間終了後の建物の買い取りや撤去費用がかかることもありません。
ただし、需要があまりなく賃料が安くなりがちで、工事期間中など貸し出し期間が限られることから収益性は低めです。次の借り手が現れないこともあるので、継続的な経営には向いていません。なお、建設会社や林業の会社に近い土地なら長期間契約を獲得できるケースもあります。
資材置き場が向いているケース
- 大規模開発エリアに近い
- 工事中物件に近い
- 建設会社に近い
- 将来的な活用の予定がある
将来的には何らかの活用をする予定があるものの、現状では着手できないケースに適しています。
初期投資が少額な活用方法3選
次に紹介したいのは、投資コストが少額で済み、経営のリスクを比較的抑えやすい3手法です。恵まれた立地状況で経営が軌道にのれば、毎月安定した収入を狙えます。
コインパーキング
時間貸しの駐車場です。自分で機材を設置して経営することも可能ですが、大手企業に貸し出して土地の賃料を得る方法もあります。後者なら、土地の整備費用以外に初期投資が必要なく、安定的に収入を得られます。
自分で経営する場合と事業者に貸し出す場合を比較してみましょう。
経営方式 | 初期費用 | 管理コスト・手間 | 収益シミュレーション |
個人経営 | 200万円~ 【内訳】 ・アスファルト舗装:5,300円~/坪 ・精算機:40~50万/台 ・ロック板:10万円~/台 ・看板、照明その他:15万円~ |
・電気代 ・管理委託費 ・損害保険料 |
【想定】 ・車6台分 ・稼働率35%想定 ・24時間、15分100円 ・管理を事業者に委託 【収益】 1年目:約370万 2年目:約680万 |
事業者へ貸し出し | 0円~ ※アスファルト舗装、フェンス設置費用は土地所有者が負担する可能性有 |
・とくになし | 【想定】 ・車6台分 ・1台あたり40,000円 【収益】 1年目~:288万円 |
稼働率を平均的な35%、料金を15分100円として考えると個人経営の方が儲かりそうですが、稼働率が低ければ赤字に転落するリスクもあります。上記条件で損益分岐する稼働率は、6年間平均で約19%です。6台分の駐車場なら、常時1台以上は稼働している必要があります。
事業者に貸し出す場合は、稼働率にかかわらず賃料が得られるほか、管理の手間もかかりません。
コインパーキングが向いているケース
- 繁華街
- 駅近の商業地
- 人気施設の近隣
月極駐車場とは違い、停車したい人が常に入れ替わることで収入につながるコインパーキングは、繁華街や人気施設周辺などの人流が多いエリアに向いています。とくにターミナル駅周辺や観光地などであれば、時間貸しの金額を高めに設定しても需要があるでしょう。
トランクルーム経営
トランクルーム経営は、並べたコンテナを区分けして貸し出す方法です。家に収まりきらない荷物やバイクを入れたい人や仕事用の備品を保管したい人などターゲットの幅が広いため、場所を問わず需要が見込めます。
主な方法は次の3つです。
- 事業者にコンテナ一式を貸し出して賃料を得る一括借り上げ方式
- 管理を業者に依頼して経営する業務委託方式
- コンテナの設置から運営まで任せる事業用定期借地方式
コンテナ1台あたりの相場は、運搬と設置費込で100万円で、3~4部屋に区分けできます。このような初期費用を準備できるなら、一括借り上げまたは業務委託方式を選択しましょう。初期費用をかけられないのであれば、事業用定期借地を選択することをおすすめします。
トランクルーム経営が向いているケース
トランクルーム経営が向いているのは、次のような人です。
- 初期費用を抑えたいと考えている
- 不整形地
- 建物を建てるには狭い土地
- いずれ転用する予定がある
以下の記事では、トランクルーム経営を行うときにかかる費用や、上手な活用方法について詳しく紹介しています。合わせて読んでおくのもおすすめです。
貸し倉庫・貸し工場
貸し倉庫・貸し工場は、建物の外側だけ建設して事業者に貸し出す方法です。住宅やオフィスと違い、内部の施工を必要としないため建設コストを抑えられるというメリットがあります。また、建物を建てるといっても外側だけなので、更地に戻しやすいのもメリットです。管理コストもほとんどかかりません。
需要はそれほど高くないため借り手を見つけるのには苦戦しますが、一度契約できれば長期間安定収入を得やすいと言えるでしょう。
貸し倉庫・貸し工場が向いているケース
- 商業エリア・工業エリアで需要がある
- 近隣への騒音を気にしなくて良い立地
- 契約期間満了後に更地にして活用したい
事業用なので、頻繁に人の出入りがあったり作業音が出たりして、騒音が出る可能性があります。宅地に近い場所だとトラブルになる可能性があるので、懸念がある場合は活用前に近隣住民と話しておきましょう。
収益性の高い活用方法5選
続いて、投資額が大きく経営リスクも高めながら、成功すれば大幅な年収アップも狙える5つの方法を紹介します。
賃貸住宅
マンションやアパートを建設して、賃貸運営するという方法です。縦の空間を有効活用し、土地の広さ以上の面積を貸し出せるため収益性が高い活用方法と言えます。
ただし、建設コストは木造アパートでも数千万、鉄骨造や鉄骨鉄筋コンクリート造のマンションだと億円単位の初期費用がかかるため、利益を上げるためには経営戦略が欠かせません。
中でも気を付けたいのは空室リスクです。空き室が多くなってしまうと、赤字経営に転落する可能性が高いため注意しましょう。新たな入居者を獲得するためのクリーニングや広告宣伝はもちろん、一度入居してくれた人に長期間住んでもらうための清掃や設備管理といった対応も大切です。
賃貸住宅が向いているケース
- 学校やオフィスのある場所までのアクセスが良い
- ターミナル駅へのアクセスが良い
- 最寄り駅まで徒歩10分以内
- 周辺の買い物施設や病院などが充実している
空室対策を取り上げた以下の記事を参考にし、自分の土地が経営に向いているかを検討してみましょう。

店舗経営
土地に建物を建てて雑貨店や喫茶店を営んだり、コンビニや飲食店などのフランチャイズに加盟したりして、店舗経営をする方法です。店舗の売り上げから初期費用と経費を除いた分が利益になるため、成功すれば大きな収益を得られます。
ただし、商品の仕入れ代や人件費なども捻出しなければならないことから、経営リスクは高めです。経営が軌道に乗るまで持ちこたえられる資金と体力も試されます。
店舗経営が向いているケース
- ビジネス計画を立てることができる
- 交通量が多いエリアに土地を所有している
- 経営が軌道に乗るまでの資金がある
- 自分の店を持ちたい
店舗経営について、さらに詳しく知りたい方は下記の記事をあわせて読んでみてください。
オフィスビル賃貸
オフィス向けのビルを建てて、事業者に部屋やフロアを貸し出す方法です。賃貸住宅よりも長く借りられることが多く賃料を高めに設定しやすいため、安定した収入を得られます。また、オフィスビルでは階によって金額差をつける必要がないのもメリットです。
なお、空き室リスクを懸念して、複数の事業者に貸し出すために部屋数を多くしたくなるかもしれませんが、オフィスビルの場合は1区画の専有面積を広くとることをおすすめします。広いフロアを借りたい事業者ほど、経営が安定していると考えられるからです。
オフィスビル賃貸が向いているケース
- ターミナル駅周辺の土地
- 人気の商業エリアにある
- 50坪以上の土地
- 資金に余裕がある
オフィスビルの需要があるのは、既に人流のあるエリアに限られます。なお、ビルを建ててすぐに満室になるとは限らないため、自己資金でもある程度の期間は運営が続けられる資金的余裕が必要です。
ホテル1棟貸し
ホテル用のビルを建てて、ホテル事業者に1棟を貸し出す方法です。1棟丸ごと貸し出すため、空き室リスクを考慮することなく高額かつ安定した収入を得られます。
ただし、ホテルの事業者が利益を生むためには、1棟で200室を確保できることが基準になると言われています。そのため、建設する建物のサイズは大きく、建築費用が億円単位に上ります。宿泊客が見込めない土地では、ホテルを建てても借り手がつかない状況になるため周辺のリサーチを徹底的に行ってから検討しましょう。
ホテル1棟貸しが向いているケース
- 観光地にある
- 出張の多いビジネス街にある
- 200室以上を確保できる広さがある
次の記事では、ホテル経営に適した土地の特徴や土地に合わせたホテルの種類などを詳しく解説しています。ホテル1棟貸しに興味のある人は、ぜひ参考にしてください。

福祉施設経営
有料老人ホームやデイサービスセンター、医療施設を建てて、事業者に貸し出す方法です。建物の建設にあたっては、一般的な賃貸住宅やオフィスビルとは違って次のような工夫が必要になるため、建設費用は高額です。
- バリアフリー
- 介助者を伴って入浴できる設備
- 送迎の車を停められる駐車スペース
- 掃除しやすい床・壁材
なお、住居系と施設系で必要な土地の広さは異なりますが、100坪以上が目安と言えます。
福祉施設経営が向いているケース
- 地域社会に貢献したい
- 閑静な場所に広い土地を持っている
- 資金に余裕がある
福祉施設向けの建物を建ててから事業者を探すと、事業者の基準に合わないことがあるかもしれません。事前に相談してから検討することをおすすめします。
その他の活用方法2選
活用方法15選の最後の2つは、等価交換と土地信託です。やや専門的な話になりますが、詳しく見てみましょう。
等価交換
土地所有者は「土地を出資」し、事業者は「建物の建築費を出資」することで、完成した建物と敷地に対して、それぞれの出資分に応じた所有権を持つという方法です。賃料を得る事業用借地とは違い、事業収益からそれぞれの出資比率に応じた配当金を得ます。土地所有者が建築費用を支出しなくてよいため、自己資金0円でも挑めるのがメリットです。
この活用方法を特におすすめしたいのは、立地のよい遊休地です。事業収益が賃料相場を上回ることが期待できるため、収益性が高くなります。また、マンションをはじめとした賃貸住宅系であれば、1室を自分の住居として割り当ててもらえるよう交渉することも可能です。
そして、税制面でもメリットがあります。建物を建設した後は事業者に土地の一部を売却する形になるため、本来であれば譲渡所得税の対象です。しかし、等価交換の場合は「立体買い替えの特例」という制度を適用でき、課税を繰り延べられる可能性があります。
等価交換が向いているケース
- 初期投資をかけずに土地を活用したい
- 土地の権利の一部を手放しても構わない
- 低リスクで土地活用を始めたい
- 遺産分割をスムーズに進めたい
相続における遺産分割で、親族をはじめ相続人が複数人いる場合、土地を分割するのは難しいケースがあります。相続人の数だけ土地を分割すると、個々の土地が狭すぎて活用できないといった問題です。そこで等価交換を行えば、建てたマンションやオフィスビルのフロア、部屋数、床面積などで分割しやすくなります。
土地信託
土地信託とは、信託会社に土地を預けて運用してもらい、その利益を配当金という形で受け取る活用方法です。土地の所有権を失わずに遊休地を活用できるため、初期費用や手間がかかりません。
また土地信託を利用すると、相続税の節税効果も得られます。信託会社は、その土地に建物を建てることで運用を始めることが多いため、更地にしておくよりも固定資産の評価額が下がりやすく、相続税の節税につながります。
ただし、土地の上に立っている建物の固定資産税が発生する場合は、土地所有者が税負担する必要があります。とはいえ、土地信託の経費として固定資産税を計上するなら、全体的な出費を抑えることもできるでしょう。
土地信託が向いているケース
- 広大な土地を所有している
- できるだけ初期費用をかけたくない
- 税金を節約したいと考えている
以下の記事では、土地信託を行う際に頼りにしたい、土地コンサルタントについて紹介しています。土地活用を始める前に、ぜひ読んでおきましょう。
遊休地の活用方法を選ぶ際のチェックポイント
遊休地の活用方法を選ぶときにチェックしておきたいポイントは、以下の通りです。
- 広さはどのくらいあるのか
- 賃貸ニーズはあるか
- どの用途地域に定められているか
それぞれを詳しくみていきましょう。
広さはどのくらいあるか
遊休地の活用方法を決めるためには、土地がどの程度の広さなのかを確認することが大切です。ホテルを建設したくても、40坪程度の土地ならホテルを建てることは難しいでしょう。ホテル事業者が基準とする200部屋を確保するために、高層ビルを建てるとしても60坪は必要です。
このように、やってみたいことと土地の広さが一致していない可能性があります。土地の広さによって活用方法が制限されるため、まずは面積を確認しましょう。
次の記事では、土地の広さごとにおすすめの土地活用法を解説していますので、併せてチェックしてみてください。



賃貸ニーズはあるか
賃貸物件を建てたい場合は、賃貸ニーズの有無を確認することが成功の鍵となります。交通アクセスが悪く、人の少ないエリアにマンションやアパートを建てても入居者は集まりません。賃貸物件が建築できる広さの土地を持っていても、空室が埋まらなければ投資が無駄になってしまいます。
一方、賃貸住宅としてのニーズはなくても、事業者にとっては魅力的な土地かもしれません。周辺をリサーチして、的確な選択をしましょう。ニーズを知るために土地活用のプロに相談するのもおすすめです。
どの用途地域に定められているか
土地には宅地、農地、商業地、工業地といった区分があるというのは先述の通りですが、実際はより細かく13種類に区分された「用途地域」が自治体によって定められています。このような区分がなされる理由は、計画的な市街地を形成するためです。
たとえば、区分の1つである「第一種低層住居専用地域」では、建てられる建物の高さが10~12mに制限されており、店舗の場合は50平米までしか認められていません。このような地域では、一般的なコンビニを建てることは難しいでしょう。
一方、「第二種中高層住居専用地域」では1500平米の店舗も建てられるため、コンビニはもちろんスーパーなどのある程度大型な施設も建てられます。
用途地域の詳しい内容と調べ方は以下の記事で詳しく紹介していますので、参考にしてみてください。

遊休地の活用で失敗しないための注意点
土地活用を始めても必ず成功するという保証はありません。ここでは、遊休地の活用で失敗しないための注意点を2つ紹介します。
迅速な判断が肝心
遊休地の活用や売却を先送りにしていると、次のようなリスクが増大します。
- 土地の価格が値下がりし、融資を受けづらくなる
- 周辺ニーズが変動し、活用方法が狭まる
- 賃料などの価格競争が激化し、収益性が下がる
- 生産緑地の指定解除でライバルが増える
とくに、生産緑地の指定解除は注意しておきたいポイントです。生産緑地に指定された農地は、所有者の死亡または指定から30年を経過するまでは農業をやめることが認められません。しかし、この制度が実施されたのは1992年で、2022年には多くの生産緑地の指定が解除され、転用可能になります。
そうなれば、農地を宅地などに転用して転売する人が急増し、土地の供給が増えることから、需要と供給のバランスにより土地の価格が値下がりしかねません。
できるだけ早い段階で活用や売却を進めることで、価格変動に振り回されずに済むでしょう。以下の記事では、不動産所有者が知っておきたい「2022年問題」について扱っています。

ローン返済は計画的に
投資が必要な活用方法の場合、自己資金から捻出するだけでなくローンを組むという方法もあります。しかし、リスクを考慮せずに高額なローンを組むと、返済が滞って破産する恐れがあります。
副業としての遊休地活用であれば、期待ほどのリターンを得られなくても、現在の給与や事業収入によって毎月返済できる額のローンを組むようにするのがおすすめです。
以下の記事では遊休地活用で、投資用ローンを上手に組む方法について解説しています。あらかじめ読んでおくのもおすすめです。
遊休地活用の流れ
遊休地の活用は以下のような流れで進めていくのが一般的です。
- 土地活用の相談を行う
- 周辺環境・市場の調査
- 土地活用プランを決める
- 建物の施工会社と契約を結ぶ
- 建物の建築が開始される
- 引き渡し後に建物管理を開始する
建物の管理は管理会社に費用を支払えば委託することもできます。特に初心者は何をすればいいのかわからない状態からのスタートになるので、土地活用のことは土地活用のプロに任せるのが安心です。
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遊休地が活用できない場合の対処法
遊休地の活用が難しい場合は、売却や不動産買取を検討するのもおすすめです。遊休地を売却するときの手順や節税方法、買取のメリットを見ていきましょう。
売却する
遊休地を売却するときの基本的な手順は次の通りです。
- 土地の性質や区画を調査
- 売却相場を調べる
- 不動産会社と媒介契約
- 購入希望者を探す
- 買い手が見つかれば、売買契約
- 支払い完了と所有権移転後に引き渡し
遊休地売買で損をしないために大切なポイントは、土地の相場を把握しておくことと、信頼できる不動産会社を見つけることです。相場の把握は、一括査定サイトを利用すると簡単にすることができます。
以下に挙げる2つの記事では、土地売却のさらに詳しい流れや、悪質な業者に騙されないための対策について紹介しています。ぜひ参考にしてください。


遊休地を売却したいなら一括査定サイト「イエウール」がおすすめ
遊休地の売却を検討している人に編集部がおすすめしたい一括査定サービスが「イエウール」です。イエウールがおすすめな理由について、以下にまとめています。
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- 田んぼや畑など農地の売却にも対応している
- 悪徳業者が排除される仕組みがあるので安心して利用できる
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その他の一括査定サイトや選び方について詳しく知りたい方は、こちらの記事もおすすめです。

売却するときは確定申告で節税
土地売却時には、大きく分けて所得税、住民税、印紙税の3つの税金がかかります。
上記のうち、特に多くかかるのが所得税です。売却で得た利益を確定申告しておくと、節税対策にもつながるので、売却時には必ず行いましょう。特に次のようなケースでは、税控除を受けられる可能性があります。
- 公共事業のために売却
- 居住用の土地と一続きになっている土地を売却
- 特定住宅地の造成目的で売却
- 農地保有合理化のために売却
以下の記事では、土地の売却で発生する税金を節約する方法について、さらに詳しく解説しています。参考にすると、損なく売却を行えるでしょう。

不動産会社に買い取ってもらう
不動産会社に仲介を依頼して売却活動をしても、買主が現れない場合は、不動産会社による「買取」を検討しましょう。
買い取った不動産会社は、建物を建てたり整地するなどして付加価値を高めてから転売します。不動産会社にとっては投資コストがかかるため、買取の金額は市場価格よりも安くなりがちですが、売却活動や商談が長引かず遊休地をすぐに現金化できるというメリットがあります。
ただし買取を依頼するときには、トラブルになりえる点を知って事前に対策しておくことが重要です。以下の記事で、トラブルを未然に防ぐ方法を読んでおきましょう。

まとめ
遊休地を活用せずに放置してしまうと、周辺住民に迷惑をかけたり、税金の支払いによる経済的な負担が続いたりするので良いことがありません。
遊休地を上手に利用できれば資産を増やすことにつながるので、今回おすすめした活用法の収益性や初期投資、リスクなどを比較して良さそうと思えるものにチャレンジしてみましょう。
ただし、遊休地の活用方法を決める前には、土地の広さや賃貸ニーズ、用途地域をチェックすることが大切です。遊休地の特徴を見極めて、土地に適した活用方法を選びましょう。
※「マイナビニュース土地活用・不動産投資」は以下に記載されたリンク先からの情報をもとに、制作・編集しております。 \年間10万人が利用するサービスで無料診断/
・https://www.fsa.go.jp/news/30/20190328_summary.PDF
・https://www.fsa.go.jp/news/r4/kokyakuhoni/20230120/kpi_toushin_230120.pdf
・https://www.mlit.go.jp/kankocho/minpaku/overview/minpaku/law1.html
・https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/content/001411696.pdf
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