冷蔵庫は引っ越し当日に電源を切るのではなく、庫内を掃除するため引っ越し当日までに準備する必要があります。
家族の人数が多ければ庫内に入っている食材の量も多いため、計画的に冷蔵庫の中身を整理して電源を切るための準備を行うのが大切です。
本記事では、引っ越し時の冷蔵庫の扱い方について知りたい人に向けて以下の内容を紹介しています。
- 引っ越し前の冷蔵庫の電源を切るタイミング
- 冷蔵庫の電源を切るまでの流れ
- 引っ越し後の冷蔵庫の電源を入れるタイミング
引越し前に慌てなくて済むよう、引っ越し前の冷蔵庫の電源を切る理想的なタイミングを解説します。
冷蔵庫の電源を切るまでに何をすべきか忘れないよう、引っ越しまでのやることリストに含めるとスムーズです。
引っ越し後の冷蔵庫を使うまでの注意点も紹介するので、引っ越してからすぐに冷蔵庫を使いたい人は電源を入れるタイミングも把握しましょう。
冷蔵庫の電源は何時間前に切っておくべき?
引っ越しのとき冷蔵庫の電源は少なくとも4~6時間前に切っておくのが理想です。
可能なら12時間以上前の前日に切るとよりトラブルが起こりにくくなります。
電源を切った後はカビや臭い防止のために扉を開け、溶けた水をきちんと拭き取る作業を行わなくてはいけません。
引っ越しを機に廃棄やリサイクルのために冷蔵庫を処分するときも、半日前〜前日に電源をオフにしましょう。
処分時に中身を完全に空にしておく必要があるだけではなく、運搬時の水漏れを防止するためにも、処分するまでに余裕を持って電源を切っておきましょう。
引っ越し当日までに電源を切るのを忘れたときの対処法もあるので、引っ越し前に冷蔵庫の電源を切り忘れた人は忘れずに行いましょう。
引っ越し時の冷蔵庫の電源を事前に切らなければいけない理由
引っ越しのときに冷蔵庫の電源を切っておかなければいけない理由は以下の通りです。
- 霜が溶けて水が出るため
- コンプレッサー内のガス圧を安定させるため
- 庫内のカビやニオイの防止するため
- 作業員や自分の安全確保のため
冷蔵庫や冷凍庫には霜や氷がたまっているのが一般的です。
電源を切ると霜や氷が溶け出し庫内や排水受けに水が溜まります。
電源をギリギリまで入れたままにすると、以下の問題に繋がりやすいです。
- 運搬中に水がこぼれて床や他の荷物が濡れる
- 冷蔵庫に負担がかかり故障や不具合が起こる
- カビや異臭が発生する
- コードに引っかかって故障や感電の原因になる
溶けた霜や氷をそのままにしておくと、運搬中に冷蔵庫からこぼれて床や他の荷物が濡れるトラブルの原因になりやすいです。
冷蔵庫には冷却のための冷媒ガスが使われており、稼働直後は内部の圧力が不安定になっています。
電源を切ってすぐに動かすと、コンプレッサーに負担がかかって故障の原因になったり、再設置後に冷えない不具合が起きたりするケースも。
冷蔵庫の電源を切ると庫内は高温多湿になりやすく、密閉したままだとカビや異臭の原因になります。
電源を切った後で扉を開けて乾燥させ、中の水分を拭き取っておくと、庫内が高温多湿にならずカビや異臭も発生しません。
電源を入れたまま忘れて引っ越そうとすると、コードを引っかけて感電したり、コードやコンセントの破損を招いたりする可能性もあります。
作業員や自分自身の安全を確保するためにも、前もって電源を切って引っ越しができる準備をしましょう。
引っ越し当日までに電源を切り忘れたらどうする?
引っ越し当日までに冷蔵庫の電源を切り忘れたら、以下の対策をすぐに行いましょう。
- できるだけ早く電源を切る
- 扉を開けて庫内を乾燥させる
- 溶けた水を拭き取る
引っ越し業者が来るまでに少しでも時間があるなら、すぐにコンセントを抜くのがポイントです。
冷却が止まると少しずつ霜が溶け始めるので、電源を少しでも早く抜きましょう。
霜が溶けて水になると庫内に湿気がこもるため、できる限り扉を開けます。
扉を開けておくと水受けトレーに水が溜まる可能性もあるので、下にタオルを敷いて元の物件の水濡れを防ぎましょう。
庫内や下部から水が出てきたら、タオルや新聞紙で吸水しておくと運搬中の水漏れを防げます。
間に合わなければ、ビニール袋やラップで底を覆っておくのも応急策として有効です。
今後何度も引っ越しする予定がある人は、次回の引っ越しで忘れないように、冷蔵庫の電源を切るためのアラームを設定しましょう。
冷蔵庫の電源を切るまでの流れと準備
引っ越し時に冷蔵庫の電源を切るまでの流れは以下の通りです。
引越しまでの日数 | 準備 |
---|---|
1〜2週間前 | 食材の在庫をチェックする |
3日前 | 前日までに食材を使い切るために計画する |
24時間前 | 電源を切って霜取りと水抜きをする |
引っ越し1〜2週間前は、中身を減らすために食材の在庫をチェックして今後の献立を考えます。
引っ越し3日前は、再度献立を考えて引っ越し前日までに食材を完全に使い切りましょう。
引っ越し24時間前は、食品がないのを確認して電源を切り、霜取りと水抜きを行います。
冷蔵庫の電源を切った後は庫内を掃除する必要があるので、掃除に必要な道具は梱包せず残しておきましょう。
引っ越し1〜2週間前は食材の在庫確認をする
引っ越し1〜2週間前を目処に、冷蔵庫内の食材の在庫を確認します。
冷蔵庫内に食材が多いと電源を切るタイミングが遅れる原因にもなり、無駄に電力を使ったり運搬中に食品が傷んだりするケースも。
食材の在庫確認の際のポイントは以下の通りです。
- 賞味期限の近いものを優先的に使用する
- 冷凍食品や保存食は引っ越し前にできるだけ使い切る
- 使いかけの調味料は新居に持ち越さず使い切る
- 未開封のものは引っ越し先で再利用可能か確認する
冷蔵庫の中が空になるタイミングが早ければ電源を切るタイミングも早められ、引っ越しの作業がよりスムーズになります。
引っ越しの1週間前からは食材をあまり買い込まず、引っ越し後に使う予定の食材は新居に到着してから購入しましょう。
引っ越し3日前は前日までに食材を使い切る計画を立てる
引っ越し3日前は、引っ越し前日までに食材を使い切るためのスケジュールを立てます。
食材の賞味期限や消費期限を確認して、古くなった食材を優先して使いましょう。
冷凍庫や冷蔵庫内の保存食は、すぐに使うか新居に持っていくか決定します。
使いかけの調味料や開封済みの食材は無駄にしないように、工夫して使い切るのがポイントです。
引っ越し3日前には、新たに食材を買わずに済むよう、残りの食材で足りないものをリストアップして最小限の買い物で済ませます。
引っ越し3日前からはできる限り買い物には行かず、残りの食材を使い切るために足りないもののみ買い足しましょう。
引っ越す24時間前までに電源を切って霜取りと水抜きを行う
引っ越し24時間前までには電源を切って、霜取りと水抜きを行います。
冷蔵庫のコンセントを抜くのみで電源は切れ、冷蔵庫内の霜や氷が自然に溶け始めます。
冷蔵庫の中の湿気がこもらないように扉を開けておくと、霜や氷が溶けると同時に庫内が乾燥しやすいです。
霜や氷が溶けると水が出るので受け皿やトレイを確認し、水が溜まる前に拭き取って他の荷物に水が漏れるのを防止しましょう。
万が一、水漏れが心配であれば冷蔵庫の底にタオルを敷いたり、ビニールシートで覆ったりして水漏れを防ぐのも有効です。
冷蔵庫の電源を切るだけではなく、霜取りと水抜きも引っ越し当日までに完了できるように、前もって引っ越しの準備を行いましょう。
冷蔵庫内の掃除に必要なものとポイント
冷蔵庫内の掃除に必要なアイテムは以下の通りです。
- 中性洗剤
- スポンジや柔らかい布
- 使い捨てのペーパータオル
- 重曹
- クエン酸
- 歯ブラシ
- ゴミ袋
- バケツまたは洗面器
刺激の強い洗剤は内部を傷つける恐れがあるので、中性洗剤と柔らかい布を使って内部を綺麗にしましょう。
臭いが気になるときは重曹を使うと消臭効果が高められます。
冷蔵庫の棚や引き出しの取り外せる部分は、手が届きにくい部分や隙間に汚れが溜まりやすいためきちんと掃除しましょう。
水垢やカルキ汚れにはクエン酸が有効で、細かい隙間の汚れを取るには歯ブラシを使うのがおすすめです。
冷蔵庫のドアのゴムパッキンも汚れが溜まりやすいので、忘れずに掃除したい部分です。
湿気が残っているとカビが発生する原因になるため、冷蔵庫の掃除が終わったら内部をしっかり乾かしましょう。
新居に冷蔵庫を運んだ後は電源をいつ入れるべき?
新居に冷蔵庫を運搬した後は、いつ電源を入れるべきか迷いがちですが、運搬後は2〜3時間待ってから電源を入れるのがポイントです。
冷蔵庫を新居に運び入れた直後は、冷蔵庫内で冷媒ガスが動いている状態のため、すぐに電源を入れるのは避けましょう。
冷蔵庫を横向きや逆さまにして運んだときは、冷媒ガスが均等に分布していない可能性があるため、少なくとも2〜3時間は待ってから電源を入れるのがベストです。
冷蔵庫を立てた状態でしばらく待つと冷媒ガスが本来の位置に戻り、正常に冷却が開始されます。
新居で冷蔵庫を運搬した後に使う際のポイントは以下の通りです。
- 冷蔵庫から水漏れしていないか確認する
- 冷蔵庫の中が十分に冷えてから食材を入れる
水漏れしている状態で使用すると湿気がこもりっぱなしになってしまうため、使用する前に必ず水漏れの有無を確認しましょう。
冷蔵庫内が十分に冷えるまで時間がかかるため、電源を入れてすぐに食材を入れず、冷えるまで待たなければいけません。
旧居から新居に冷蔵庫を運搬して使用を継続する人は、新居に運搬した後の冷蔵庫の使い方も確認しましょう。
冷蔵庫から水漏れがないかチェックする
新居に冷蔵庫が運搬されたときは、まず水漏れがないかチェックします。
水漏れの有無を確認するときのポイントは以下の通りです。
- 冷蔵庫を設置した場所を確認する
- 冷蔵庫本体の底部を見る
- 冷凍室や冷蔵室を開けてチェックする
- ドアパッキンに亀裂や摩擦があるか確認する
冷蔵庫を設置したら、冷蔵庫の周りの床や壁が湿っていないか、冷蔵庫本体の下や背面が濡れていないか確認しましょう。
冷蔵庫の底部や背面を確認し水漏れが見られるときは、冷蔵庫内または外部の配管で水漏れが起きていると判断できます。
移動の影響で部品のずれや外れが起きていないかチェックしましょう。
冷蔵庫を横にしたり、移動中に冷却液や霜が溶けたりするのも水漏れの原因の1つです。
冷蔵庫の外側だけではなく、冷蔵庫の内部、特に冷凍室や冷蔵室の底に水漏れの兆候がないか確認しましょう。
冷凍室から水が漏れているときは、冷凍庫内で霜取りがうまく行われていない可能性があります。
パッキンに亀裂や摩耗があると、冷蔵庫内の湿気が漏れて水滴が発生する可能性があるため、パッキンが劣化していないか確認するのもポイントです。
水漏れが発生したときは、原因を見つけて乾燥させてから電源を入れましょう。
冷蔵庫内が十分に冷えてから食材を入れる
新居で冷蔵庫を使う際は、庫内が十分に冷えてから食材を入れなければいけません。
冷蔵庫が新しい場所に移動した後、冷却システムが正常に動作するには時間がかかります。
冷蔵庫の内部が十分に冷えないまま食材を入れると、冷却効率が低く食品を適切に保存できません。
特に生鮮食品や乳製品の温度管理が重要なものは、冷却が不十分だと早く劣化しやすいです。
冷蔵庫の電源を入れた後、最低でも4〜6時間は何も入れずに放置して、冷却システムがしっかりと機能し始めるのを待ちましょう。
冷蔵庫に温度設定が表示されているなら、冷蔵庫内の温度は4〜5度になっているのを目安に食材を入れるタイミングを見極められます。
冷蔵庫を運んだ後は数時間空の状態で放置して、冷却効果が完全に安定するのを待ってから食材を入れましょう。
引っ越し時の冷蔵庫の電源に関するよくある質問
引っ越しするときの冷蔵庫の電源に関するよくある質問は主に以下の2つです。
引っ越し1〜2週間前から食材の在庫を確認していたものの、当日に食材が残ってしまうケースもあります。
引っ越し当日までに冷蔵庫の電源を切り忘れると、水抜きをせずに運搬しなければいけません。
当日に残った食材の処理方法や水抜きをしないリスクを把握した上で、冷蔵庫を新居に運ぶための準備を行いましょう。
引っ越し当日までに消費できなかった食材は以下のように対処するのがポイントです。
- 食材を冷凍保存する
- 引っ越し当日に食べる
- 食材を友人や家族に渡す
- 廃棄する
冷蔵庫に残った食材のうち、冷凍保存できるものはできる限り冷凍すると新居で使用できます。
冷凍保存できる食材の一例は以下の通りです。
食材 | 冷凍保存のポイント |
---|---|
肉や魚 | 冷凍庫に入れると解凍して後で調理できる |
野菜 | カットして冷凍すると便利な冷凍野菜になる |
パンや焼き菓子 | 冷凍してから食べるときにトーストや温め直しができる |
冷凍保存用の袋や容器に食材を入れて冷凍するなら、空気を抜いて封をすると品質が保たれます。
引っ越し当日までに食材を消費できないときは、友人や家族に譲るのも1つの方法です。
食材が無駄にならず、周りの人にも喜ばれる可能性があります。
どうしても使い切れない食材や冷蔵庫に長期間保管されているものは、衛生面を考慮して廃棄しなければいけません。
賞味期限や消費期限が過ぎているものがあれば、無理に使おうとせず安全面を優先して処分しましょう。
冷蔵庫の水抜きをしないと以下の問題が発生してしまいます。
- 運搬中に水漏れが発生する
- 冷蔵庫が損傷するリスクが増える
- カビや悪臭の原因になる
- 冷蔵庫が冷えない原因になる
冷蔵庫内に残った水分や霜は、運搬中に冷蔵庫が横倒しになったり振動で動いたりすると、水が漏れる可能性があります。
床や壁を濡らす原因となり、水漏れがひどければ新居の床や壁にダメージを与える恐れも。
冷蔵庫内に残った水分や霜が冷却システムに影響を与える可能性もあります。
特に霜が冷凍庫内に残っていると、運搬中に冷却装置や内部のパーツが損傷する恐れがあります。
霜取り機能が故障すれば新居で冷蔵庫が正常に動作しません。
冷蔵庫の電源を切ると内部が暖かくなるので、湿気を吸った状態で放置するとカビや悪臭が発生しやすいです。
カビの発生や臭いが発生すると、引っ越し先でも冷蔵庫の状態が悪化し、衛生的に問題が生じます。
冷蔵庫内に水分や霜が残ったままだと冷蔵庫が正常に冷えるまでに時間がかかり、冷却効率が低下するケースも。
冷蔵庫内の温度管理が不安定になれば食材が傷む原因になります。
新居でも問題なく冷蔵庫を使えるようにするために、あらかじめ電源を切って水抜きをしておきましょう。