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電気代の請求額がおかしいときチェックするポイント!電気代が高い原因や節約方法も紹介

電気代が高い原因と節約方法のアイキャッチ画像

「電気代の請求額がおかしい」と感じたときは、電気代が高くなった何らかの原因が隠れている可能性があります。

とはいえ電気の使用量は検針票以外で目に見えないので、自分で原因を見つけるのは難しいです。

知らぬ間に電気代が高くなっているケースがほとんどなので、まずはどのような原因があるか確認しなければなりません。

本記事では、請求額がおかしいと感じた人に向けて以下の内容を紹介しています。

  • 電気代が高いときの原因
  • 電気代が高いときの節約方法
  • 世帯別の平均電気代

電気代が高いときの原因を確認した上で、自分の家の請求額がおかしい原因を追求すると、理由が見つかりやすいです。

電気代が高くて生活費の圧迫が不安な人は、今すぐに節約するコツを実践すると負担を軽減できる可能性もあります。

世帯別に平均電気代も紹介しているので、自分の電気代がどれくらい高いか確認し、可能な節約方法を試しましょう。

目次

電気代の請求がおかしいと感じたときにチェックすべきポイント11点

電気代の請求がおかしいと感じたときに、チェックすべきポイントは以下の11点です。

  • 電気の市場価格が上がった
  • 世界情勢で燃料費調整額が上がっている
  • 再生可能エネルギー発電促進賦課金の単価改定が行われた
  • 2024年5月分から電気代の補助が終了した
  • 電力会社が独自の料金改定を実施した
  • 契約プランやアンペア数が暮らし方に合っていない
  • 引っ越して電力会社が変わり基本料金が変動した
  • 電気料金のキャンペーン適用が終了した
  • 今までより電気使用量が上がった
  • 電力消費量が大きい家電を使用している
  • 電気代は漏電で上がらない

電気代が上がったと感じる原因には様々な要素があります。

電気の市場価格が上昇しているのに加え、世界情勢の影響で燃料費調整額が引き上げられ、電気代に反映されます。

再生可能エネルギー発電促進賦課金の単価が改定されているのも電気料金の一因です。

2024年5月分からは政府の電気代補助が終了したため、以前より実質的な負担が増えています。

電力会社独自の料金改定や、契約しているプランまたはアンペア数が現在の暮らしに合っていない状態は、さらに電気代を押し上げる要因に。

引っ越しを機に電力会社が変われば、基本料金に差が出て電気代が高くなるケースもあります。

適用されていたキャンペーンが知らぬ間に終了し、急な電気代上昇につながっていないかも確認しましょう。

単純に電気の使用量が増えているケースも多く、消費電力の大きい家電を使うと電気代は大きく変わります。

電気代が漏電で上がるといった誤解がありますが、通常の環境下では漏電が原因で電気代が大きく上がる可能性はほとんどありません。

電気代が高くなる原因はいくつも重なっている可能性があるため、自宅に当てはまる項目はないか原因を1つずつ追求しましょう。

電気の市場価格が高騰した

電気の市場価格が高騰すれば、使用量は変わっていなくても電気代が高くなります。

電気の市場価格が高騰する原因は様々です。

  • 化石燃料の価格が市場で高騰した
  • 世界的なエネルギーの需給バランスが変動した
  • 円安が進行し輸入コストが増大した

例えば供給国での政治的な不安や自然災害が原因で、エネルギーの供給が不安定になるケースがあります。

特に以下の主要な供給国で問題が起こると、世界市場でエネルギー価格が上昇し、国内の電気代に影響する可能性が高いです。

  • ロシア
  • サウジアラビア
  • アメリカ

近年では2022年に始まったロシアのウクライナ侵攻によって、ロシアからの天然ガスや石油の供給が大きく減少しました。

供給量が減少した結果エネルギー価格が急激に上昇し、電気料金も高騰しています。

電気の発電に必要な原材料は多くが輸入に依存しており、為替レートの変動も影響を与える原因の1つです。

特に日本はエネルギー資源をほぼ全て輸入しているため、為替の影響を大きく受けやすい傾向にあります。

電気代が高い原因に心当たりがない人は、ニュースで世界的な問題が発生していないか確認しましょう。

世界情勢で燃料費調整額が高騰している

世界情勢の変化で燃料費調整額が高騰すると、電気代が高くなる可能性があります。

燃料費調整額は、電力会社が発電のために購入する燃料の価格変動を消費者に転嫁する仕組みです。

燃料のコストが上がると調整額も上昇し、最終的に電気料金に影響を与えます。

燃料費調整額は3ヶ月間の平均燃料価格を計算し、2ヶ月後に反映されるルールです。

2月~4月の平均燃料価格は、7月使用分の電気料金に反映されます。

例えば1kWhあたりの調整額が数円上がるだけでも、家庭の月々の電気代に数百円から数千円の差が生じるケースも。

燃料費調整額の高騰は一時的なものではなく、数ヶ月から数年にわたって影響を及ぼす可能性があります。

特にエネルギー市場が不安定な時期には燃料価格の高騰が長期化し、電気代が継続的に高くなりやすいです。

電気代が急に高くなったときは、燃料費調整額が上がっていないかチェックしましょう。

再生可能エネルギー発電促進賦課金の単価が改定された

再生可能エネルギー発電促進賦課金の単価が改定されると、電気代も高くなる可能性があります。

再生可能エネルギー発電促進賦課金は、再生可能エネルギーの導入促進を目的とした負担金です。

日本国内での再生可能エネルギーの普及を進めるため、電力会社に対して支払われる額を消費者が一部負担する形で構築されています。

再生可能エネルギー発電促進賦課金は、以下の項目を元に定期的に改定されます。

  • 再生可能エネルギーの導入量や発電量
  • 発電コスト
  • 政策的な決定

再生可能エネルギーの普及が進むと、一定の割合を占める発電コストが増大するため、対応を目的として賦課金が引き上げられるケースも。

再生可能エネルギーの発電が予想以上に進んだり、逆に市場での発電能力に変動があったりすると、コストを賄うための賦課金が変動します。

特に、太陽光や風力発電の導入が急激に増えると、システムの維持や新たな発電設備の開発にかかるコストが高くなるため、賦課金が引き上げられやすいです。

再生可能エネルギー発電促進割賦金は1年ごとに変更され、毎年5月検針分から翌年4月検針分まで適用されます。

以下の通り近年は再生可能エネルギー発電促進割賦金が上昇傾向です。

再生可能エネルギー発電促進割賦金
2021年 3.36円
2022年 3.45円
2023年 1.40円
2024年 3.49円
2025年 3.98円

再生可能エネルギー発電促進割賦金は、電力会社による違いはありません。

5月検針分から価格が変わるので、5月以降に電気代が高くなったときは、再生可能エネルギー発電促進割賦金の価格を確かめましょう。

2024年5月分から電気代の補助が終了している

2024年5月分から電気代が高くなったと感じた人は、電気代の補助が終了したためと考えられます。

新型コロナウイルスの影響や世界的なエネルギー供給の不安定化により、電力会社が発電コストの上昇を消費者に転嫁せざるを得なくなり、電気代が急激に上昇しました。

政府は2022年から2023年にかけて電気料金の補助措置を導入し、家庭や事業者の負担軽減を図っています。

2025年も電気代の上昇がおさまらなかったため、2025年1月~3月使用分の電気代を対象として以下の補助を再開していました。

補助額
1月~2月 2.5円/kWh
3月 1.3円/kWh

参照:電気・ガス料金支援│資源エネルギー庁

2024年5月から政府の電気代補助が終了したため、急激に電気代が増加したと感じる可能性は高いです。

補助がない状況では、高騰した電気代全額が通常の電気料金として請求されるため、結果的に支払額が大きく増えました。

補助終了後もエネルギー市場の価格高騰が続いているため電気代が下がらず、むしろ料金が上昇してしまうケースも。

政府が新たな支援策を導入する可能性もありますが、補助が終了してからすぐに新たな支援策が適用されるケースは少ないです。

しばらくの間は通常の料金体系で電気代を支払わなければいけないため、価格を抑えたいなら節電を実施しましょう。

電力会社が独自の料金改定を行った

電力会社は、電力供給のために使用する燃料の価格変動を受けて独自の料金改定を行い、結果的に電気代が高くなる可能性があります。

大手電力会社の従来型の電気料金は規制料金と呼ばれ、企業独自の判断では値上げができません。

値上げ申請をすると政府による審査が行われ、政党と認められると値上げされる仕組みです。

ウクライナ侵略による燃料価格高騰や円安の影響を考慮して、2023年に大手電力会社の値上げが実施された例もあります。

再生可能エネルギーの導入促進や電力市場の自由化に伴い、料金改定が行われるケースも。

再生可能エネルギーの普及に向けたコストや新たな設備投資が必要になると、かかった費用が電気代に反映されやすいです。

日本の電力市場は自由化が進んでおり、電力会社同士で競争が行われています。

大手電力会社以外に電気の小売事業に参入している企業が新電力です。

新電力は規制料金とは違い独自料金の設定が認められているので、価格競争が起こって電気を安く利用できるケースも。

しかし供給不足や需給バランスの乱れが発生すると、仕入れ元の電気の価格が高くなって電気代が急騰する恐れもあります。

特に以下の理由で供給が不足すると、料金改定が行われる可能性は高いです。

  • 需要が急増する夏や冬
  • 自然災害

政府が電力会社に対して新たな規制や税制を導入すれば、電力会社が負担を消費者に転嫁する可能性があり、結果的に電気代の引き上げられるケースも今後起こり得ます。

電力会社の料金改定による電気代高騰への対策をするなら、節電や電力会社の乗り換えを検討しましょう。

契約プランやアンペア数がライフスタイルに合っていない

契約しているプラン内容やアンペア数がライフスタイルに合っていないと、無駄な電気代がかかり支払額が高くなるケースもあります。

電力会社の料金プランの一例は主に以下の通りです。

  • 時間帯別料金プラン
  • 従量制プラン
  • 定額プラン

時間帯別料金プランは、昼間の使用が少なく夜間の使用が多い家庭に適しています。

従量制プランは使った電気の量に応じて料金が決まり、電気を多く使う家庭には高くなりやすいです。

一方で少量しか使わない家庭は割安で電気を利用できます。

定額プランは一定の電気量まで使い放題で定額となり、電力消費が多い家庭に有利です。

電気を使用する頻度が高い時間帯や全体の使用量から、適した料金プランを契約しているか確認しましょう。

アンペア数が必要以上に高いと電気代金も高くなる

契約アンペア数がライフスタイルに合っていないと、電気代が高くなる可能性があります。

アンペア数は1度に利用できる電気の総量を表し、アンペア数が多いほど同時に使用できる家電の数が多くなる仕組みです。

アンペア数が高くなるほど基本料金は上がります。

例えば東京電力の規制料金プラン「従量電灯B」の、アンペア数別の基本料金は以下の通りです。

アンペア数 基本料金
10A 311円75銭
15A 467円63銭
20A 623円50銭
30A 935円25銭
40A 1,247円00銭
50A 1,558円75銭
60A 1,870円50銭

60アンペアから50アンペアに下げるだけでも、毎月300円程度の節約につながります。

とはいえ同時に使用する家電が多いのにアンペア数を下げると、頻繁にブレーカーが落ちて不便です。

子どもが独立して家を出たのに契約アンペア数を以前のままにしている家庭は、見直しによって電気代を下げられる可能性もあります。

家庭に適したアンペア数で契約して、可能なら電気料金を引き下げましょう。

引っ越して電力会社を変更したため基本料金が変わった

引越し先によっては特定の電力会社と契約しなければいけないケースがあり、契約会社の変更で基本料金が上がり、電気代も高くなる可能性があります。

電力会社によって地域ごとの料金体系が異なるため、地方を超えて引っ越したときは電気代が大きく変動するケースも。

全国的に、西の地域は電気代が安く、東~北の地域は電気代が高い傾向です。

大阪から東北へ引っ越すと、電気の使用量や契約アンペア数が変わっていなくても、電気代が高くなります。

従量制プランに変更になったら基本料金は安くなりますが、使用量が多ければ従量料金が高くなり支払額も増えます。

特定の電力会社と契約しなければいけないルールの賃貸物件に住んでいるなら、節電で対策を行うしかありません。

以前住んでいた地域より引っ越し後の電力会社の料金が高いなら、新電力への乗り換えも検討しましょう。

電気料金のキャンペーン適用期間を過ぎた

今までの電気代がキャンペーン適用後のものなら、適用期間を過ぎると必然的に電気代が高くなります。

電力会社が提供するキャンペーンには、主に新規契約者向けの割引プランや特定の条件を満たして適用される割引があります。

例えば新規契約時に、1年間は基本料金が無料や50%割引になるキャンペーンが適用されると、1年後には通常の基本料金を支払わなくてはいけません。

特定の使用量までは割引が適用され、以降は従量料金が高くなるプランもあり、キャンペーン終了を知らぬ間に迎える人が多くいます。

1年間や2年間のキャンペーン期間が設けられていると、いつから通常料金に戻るか忘れやすいため、利用明細を確認してキャンペーン適用が含まれていないか確認しましょう。

今までより電気使用量が増えた

今までよりも電気の使用量が増えると、必然的に電気代は上がります。

電気の使用が増える原因は主に以下の通りです。

  • 季節による冷暖房の使用量が変動した
  • 家電を買ったり使用頻度が増えたりした
  • ライフスタイルが変化した

冬季や夏季にエアコンや暖房を使用する頻度が多いと電気代が増加します。

暖房や冷房は非常に電力を消費するため、急激に使用量が増える傾向です。

新しい家電製品を購入して使う電力が追加されると、全体の電気使用量の増加は避けられません。

冷暖房器具やエアコンの消費電力の大きい家電を追加すると、使用頻度が高いほど電気代を押し上げてしまいます。

家族構成の変化や生活スタイルの変化により、電気の使用量が増える可能性があります。

  • 家族が増えた
  • 産休や育休で家に居る
  • リモートワークが増えた

仕事や勉強のために自宅で過ごす時間が長くなると、必然的に電気を使用する時間も増加するので、電気代が高くなりやすいです。

電気使用量は明細で確認できるため、使用量が増えていないかチェックしましょう。

電力消費量が大きい家電を使っている

電力消費量が大きい家電を使用する頻度や使用する台数が多いと、電気代が高くなる傾向にあります。

電力消費量が大きい家電は主に以下の通りです。

家電 1時間あたりの消費電力
エアコン 1,000~3,000W
冷蔵庫 100~300W
洗濯機 300~800W
(乾燥機能利用時は1,000W以上)
電子レンジ 800~1,500W

冷房や暖房を長時間使用するときや高出力のエアコンを使用するときは、特に電気代がかさみやすいです。

冷蔵庫は常に動作している家電で、年間を通じて使用されるため、電力消費量が高くなる傾向があります。

特に古いモデルや容量の大きな冷蔵庫は、多くの電力を消費します。

乾燥機能付きの洗濯機や高機能の洗濯機は、乾燥をするために非常に多くの電力が必要です。

洗濯機の洗浄から乾燥の全工程で電力を使用するため、乾燥機能を多用する家庭では電力消費が大きくなります。

電子レンジは数十秒や数分と短時間しか使わなくても、800~1,500Wの消費電力で、何度も使えば電気代が高くなる原因に。

冷蔵庫や洗濯機は日常生活で欠かせない家電なので、冷蔵庫に物を入れすぎない、乾燥器と自然乾燥を併用するなど使い方を工夫して電気代を抑えましょう。

漏電で電気代は高くならない

漏電が起こっても、基本的に電気代は高くなりません。

漏電とは、以下の原因で電気が配線や機器の絶縁体を破って、意図しない場所に流れる現象です。

  • 古くなった配線
  • 水漏れによるショート
  • 接触不良

漏電が発生しても、基本的には電流が途中で流れないように回路が遮断されます。

漏電によって実際に消費する電力は限定的で、大きな電気代の増加にはつながりません。

漏電に気づかず使用を続けると、漏電ブレーカーが作動して回路が停止するため、漏電が原因で家全体の電気代が増加するのは稀です。

漏電していないか確認するポイントは以下の通り。

  • 漏電ブレーカーを確認する
  • 電気機器の異常をチェックする
  • 専門家に依頼する

漏電ブレーカーが作動しているときは、漏電が発生している可能性があります。

使用していない家電が異常に温かくなっている、または異音を発すると、漏電の兆候である可能性が高いです。

漏電の確認には専門的な知識が必要なので、漏電の有無や箇所を調べたいなら電気工事士に点検を依頼しましょう。

電気代の請求がおかしいと思ったとき対策できる節約方法5つ

電気代の請求がおかしいと思ったとき、対策できる節約方法は以下の5つです。

電気代を抑えるためには、いくつかの工夫が効果的です。

まずは、自分の生活スタイルに合った電気料金プランや契約アンペア数に見直すと、基本料金の無駄を省けます。

古くなった家電は電力効率が悪くなっているため、省エネ性能の高い新品に買い替えるのも有効です。

家電ごとに使い方を見直し無駄な運転を避けましょう。

待機電力も意外と大きな負担になるため、使っていない家電のプラグを抜き、こまめに節電を意識するのがポイントです。

太陽光発電で自家発電を行えば購入する電力量を減少でき、電気代のさらなる節約につながります。

高い電気代を少しでも抑えたい人は、節約方法を複数組み合わせて実践しましょう。

電気料金プランやアンペア数を見直す

電気代が高いときは、電気料金プランやアンペア数を見直してライフスタイルに合っているか確認しましょう。

例えば従量電灯プランから、時間帯別料金プランや料金が安くなるプランに変更すると、電気代を削減できます。

特に夜間や深夜に電力を多く使う家庭は、深夜電力プランに変更すると電気代を安く抑えられる可能性が高いです。

オール電化プランも、電気を多く使用する家庭にとっては有利な選択肢となります。

電力使用が大きい家庭では、昼夜を問わず電気を使い放題で安く提供されるため、節約につながりやすいです。

今契約しているプランが自分に合っているか分からないときは、公式サイトのプラン診断や契約先の電力会社への問い合わせを行いましょう。

家庭の電力使用量は、契約しているアンペア数に応じて決まります。

アンペア数が大きすぎると基本料金が高くなるため、自分の家庭での電力使用量に見合ったアンペア数に変更すると、基本料金の削減が可能です。

一般的には、家庭の使用電力が20アンペア以上の場合、アンペア数を下げると年間で数千円節約できます。

家庭の機器や家電の使用状況を確認し、実際に必要な電力量を把握して、過剰なアンペア数を削減しましょう。

古い家電を新品に買い替える

古い家電は消費電力が大きいので、新品に買い替えるだけで電気代を抑えられます。

古い家電と新品の家電の電力消費の違いは以下の通りです。

家電 10年以上前のモデル 最新モデル
エアコン 年間約1,200〜1,500kWh 年間約600~900kWh
冷蔵庫 年間約500~800kWh 年間約250~400kWh
テレビ 年間約200W~300W 年間約50W~100W

10年以上の年数が経つと、最新モデルと比較して電力消費量が倍程度になるケースもあります。

家電を買い替える際は、古い家電の使用年数や消費電力をチェックして、どれくらい電気代を削減できるか確認しましょう。

削減できる電気代も考慮すると、新しい家電が安くなっているから購入するより、将来的に節約に効果的な可能性も。

省エネ性能が高い家電製品には、エネルギー効率の良さを示すラベルが付いています。

A++やA+++のランクが高い家電は、古い家電に比べて同じ作業でも消費電力が大幅に削減されるので、省エネ重視の家電選びの目安にしましょう。

家電ごとに使い方を改めてチェックする

高い電気代を今すぐにできる節約方法で抑えたい人は、家電ごとの使い方を改めて確認しましょう。

各家電の使い方のポイントは以下の通りです。

家電 節約につながる使い方
エアコン ・冷房時は室内温度を26〜28度、暖房時は室内温度を20度前後に設定する
・不要時のつけっぱなしを避ける
・フィルターを定期的に掃除する
冷蔵庫 ・冷蔵室は3〜5度、冷凍室は-18度に設定する
・扉の開閉の回数を減らす
・食材を冷ましてから収納する
洗濯機 ・水温を低めに設定する
・適切な量で洗濯を行う
・洗濯機の脱水機能の回転速度を高すぎない設定にする
テレビ ・無駄にテレビをつけっぱなしにしない
・テレビの画面の明るさを高すぎない設定にする
照明器具 ・LED電球に交換する
・必要な場所だけを照らす

エアコンの運転時間を調整したいときは、タイマーを活用すると就寝中でもつけっぱなしを回避できます。

エアコンのフィルターが汚れていると、効率的に空気の循環ができず消費電力が増えてしまうため、循環を良くするため2週間に1回程度を目安に掃除しましょう。

冷蔵庫を頻繁に開け閉めすると温度が上がりやすくなるため、使いたい物を一度に取り出し、冷蔵庫の開閉回数を減らすのがポイントです。

熱い料理をそのまま冷蔵庫に入れると、冷蔵庫の内部温度が上昇し冷却に余分な電力を消費するので、食材は必ず冷ましてから冷蔵庫に入れましょう。

洗濯機の温水洗いは電力消費が大きいので、水温を低めに設定するのがポイントです。

洗濯物があまり汚れていないときは冷水で洗濯して電力消費を抑えましょう。

洗濯機に過剰に洗濯物を詰め込むと、十分に洗えないだけでなく電力を無駄に消費するので、適切な量で洗濯を行うのがコツです。

長時間の視聴は電力消費が大きいため、テレビは無駄につけっぱなしにせず、視聴時間を意識して調整しましょう。

部屋が暗いときは、テレビの明るさを低く設定すると省エネにつながります。

照明は従来の白熱灯や蛍光灯だと消費電力が高いため、LED電球に交換すると最大で80%程度の節電が可能です。

家電ごとの節約につながる使い方を見直して日常生活に取り入れましょう。

待機電力を減らして無駄な電気代を省く

家電や電子機器の電源を完全にオフにせずに、待機状態にすると待機電力が発生してしまうので、無駄な電力を少しでも省くのがポイントです。

例えばテレビをリモコンでオフにしていても、テレビ本体の内部では待機電力を消費しています。

電子レンジや炊飯器の時計が表示されている間も待機電力が発生しているので、機器の電源を完全にオフにしましょう。

待機電力を減らす方法は以下の通りです。

  • コンセントを抜く
  • タップ式の電源切替機を活用する
  • スマートプラグを導入する

電化製品のコンセントを抜くと待機電力の消費を完全にゼロにできます。

スイッチ付きのタップを使用して、複数の機器をまとめて一括でオフにするのがポイントです。

使っていない家電製品や機器を簡単に完全にオフにでき、待機電力を抑えて結果的に電気代を節約できます。

スマートプラグは、スマートフォンや音声アシスタントで機器を管理できるコンセントプラグです。

特定の時間帯に自動でオン・オフが設定できるため、使用していない時間帯に機器をオフにして待機電力を減らせます。

無駄な電力消費を減らす意識を高めて日常的に電気代の抑制を目指しましょう。

自家発電して購入する電気量を減らす

電気代を抑えるには、自家発電して電力会社から購入する電気量を減らすのも1つの方法です。

自家発電の主な方法は以下の通りです。

発電方法 内容
太陽光発電 太陽光パネルを屋根や庭などに設置して太陽光を電力に変換する
風力発電 家庭用の小型風力発電機を設置して風の力を使って電力を生成する
家庭用燃料電池 水素と酸素を化学反応させて電気を発生させる

日当たりや風通しから効率的に発電できる方法を見極めて選びましょう。

太陽光発電で余った電力は電力会社に売電できるため、電気代の節約だけではなく、収益を得られるメリットがあります。

自家発電が成功すれば、家庭内の電力をほぼ自給自足でき、電力会社に依存する必要がなくなり、電気供給の安定性の確保が可能です。

ただし自家発電設備の導入には高額の初期費用がかかります。

特に太陽光発電システムの設置には、数十万円〜数百万円程度のコストがかかるため、初期投資と長期的な節約効果を見極めなければいけません。

自家発電をさらに効率的に活用するために、蓄電池を併用するのがポイントです。

発電した電力を蓄電池に貯めておくと、発電量が少ない時間帯や夜間に蓄えた電力を利用できます。

太陽光発電の導入費用に余裕がある人や、長期的な節約を重視したい人は、適切な発電方法を選んで自家発電を始めましょう。

電気代が高い原因を調べる方法と賢く節約するためのヒント

電気代が高いときの原因を調べる方法は以下の通りです。

  • 家電ごとの電気使用量と電気代をチェックする
  • 電気代の内訳と仕組みを把握する

電気代を上手に管理するためには、家電ごとの電気使用量とかかる電気代を把握しましょう。

各家電の電気代を把握すると、節電の優先順位が明確になります。

電気代の内訳や計算の仕組みを理解するのも重要です。

基本料金を始め使用量に応じた従量料金まで、電気料金は複数の要素で構成されています。

電気代の構成について理解を深めると料金の変動にも納得感を持って対応でき、賢く節約するためのヒントになる可能性も。

電気代が高くできるだけ早く安くしたい人は、原因を追求するために調査しましょう。

家電ごとの電気使用量と電気代を把握する

電気代が高いときは、まず家電ごとの電気使用量と電気代を把握しましょう。

家電の消費電力は通常、ワット(W)で表示されています。

冷蔵庫やエアコン、洗濯機は消費電力が比較的高いものが多いです。

製品に記載された消費電力を基に、1日の使用時間を掛け合わせると1日に消費される電力を計算できます。

電気代は、消費電力(W)と使用時間(時間)を掛け合わせた結果を基に算出が可能です。

消費電力量(kWh)=消費電力(W)×使用時間(h)×1,000

例えばエアコンの消費電力が1,000Wで、1日8時間使用したときは以下のように計算します。

消費電力量(kWh)=1,000W×8時間×1,000=8

1kWhあたり25円の電力単価を掛けると、エアコンに1日200円程度の電気代がかかると分かります。

家庭全体での電気使用量や各家電の消費電力を把握するために、電力モニターやスマートメーターを使うと確認が可能です。

電力会社のWebサイトやアプリを通じて消費電力の履歴を確認できるなら、サービスを活用して電気代の原因を調べましょう。

電気代の内訳と仕組みを理解する

電気代の高騰の原因を調べるには、電気代の内訳と仕組みを理解すると原因が見つかる可能性もあります。

電気代の基本的な内訳は以下の通りです。

電気代の内訳 内容
基本料金 ・契約している電力会社や使用する電気の契約種別に基づいて決まる
・基本料金は毎月一定で、どれだけ電力を使用しても支払う金額が変動しない
・契約アンペア数が大きいほど基本料金も高くなる
電力量料金 ・実際に使った電力に応じて課金される部分で、通常はkWh単位で計算される
・電力を使用した分だけ支払うため、使用量が多いほど料金が高くなる
付加料金やオプションサービス料金 ・再生可能エネルギーを使用するための費用や特定の設備のメンテナンス費用が含まれている
・一部の電力会社ではオプションサービスや特典プランがある

契約アンペア数が大きいほど基本料金も高くなるため、過剰な契約アンペア数を選んでいると基本料金が高くなります。

電力会社の料金プランによっては、使用量が増えると単価が上がる段階制料金や、一定の時間帯で料金が異なる時間帯別料金が採用されているケースも。

電気代の詳細な内訳は、電力会社から送られてくる請求書やWeb明細で確認できます。

電気代の内訳と仕組みを理解した上で、自分に合った料金プランを選ぶのが重要です。

電力会社や契約プランを見直し、より安価なプランに切り替えると、次回以降の電気代を削減できる可能性があります。

特に使用量の多い家電があるときは、時間帯別プランを選んだり、電力消費の偏りをなくす工夫を行ったりしましょう。

世帯別の平均電気代と照らし合わせて高いかチェックしよう

自分の家庭の電気代が高いか分からないときは、世帯別の平均電気代と比較して照らし合わせましょう。

1〜2人暮らしと3〜4人暮らしの月々の平均電気代は以下の通りです。

世帯 月々の平均電気代
1〜2人暮らし 6,700円〜11,000円程度
3〜4人暮らし 13,000円~20,000円程度

1人暮らしから2人暮らしになると、月々の電気代が2倍近く増えます。

3人暮らしからは電気代の増加は穏やかになりますが、人数が増えるにつれ電気代は高くなる傾向です。

ペットや子育てのためにエアコンをつけっぱなしにしている家庭は、こまめにオフにできる家庭より電気代が高くなります。

年によって平均電気代が異なるため、近年の電気代の高騰の傾向も把握しましょう。

1~2人暮らしの電気代は月々平均6,700円〜11,000円ほど

1〜2人暮らしの2020年〜2024年の平均電気代は以下の通りです。

1人暮らしの月々の平均電気代 2人暮らしの月々の平均電気代
2020年 5,791円 9,515円
2021年 5,482円 9,183円
2022年 6,808円 11,307円
2023年 6,726円 10,940円
2024年 6,756円 10,878円

参考:e-Stat「家計調査 家計収支編 単身世帯」
参考:e-Stat「家計調査 家計収支編 二人以上の世帯」

1人暮らしの電気代は月々平均6,756円、2人暮らしの電気代は月々平均10,878円が最新の情報です。

2021年の平均電気代と比較すると、1人暮らしは月1,274円、2人暮らしは月1,695円高くなっています。

年間に換算すると、2021年よりも2024年は1人暮らしだと15,288円、2人暮らしだと20,340円も電気代が高くなっていると分かりました。

2020年〜2024年の電気代を比較すると、2022年は1人暮らしが6,808円、2人暮らしは11,307円と最も高いです。

電気代が高くなる要因は様々であるため、今後2022年の平均電気代と同様に電気代が高くなる可能性もあります。

2022年の近年で最も高い電気代や2024年の最新情報を基準に、自分の家庭の電気代と照らし合わせて高いか確認しましょう。

3〜4人以上世帯の電気代は月々平均13,000円ほど

複数世帯の2020年〜2024年の平均電気代は以下の通りです。

2人暮らしの
月々の平均電気代
3人暮らしの
月々の平均電気代
4人暮らしの
月々の平均電気代
5人暮らしの
月々の平均電気代
6人暮らし以上の
月々の平均電気代
2020年 10,671円 10,932円 11,788円 12,471円 16,003円
2021年 10,317円 10,655円 11,376円 12,423円 14,852円
2022年 12,678円 13,157円 13,948円 15,474円 17,869円
2023年 12,265円 12,811円 13,532円 14,373円 18,941円
2024年 12,008円 12,651円 12,805円 14,413円 16,995円

参考:総務省統計局「家計調査報告 〔 家計収支編 〕 2024年(令和6年)平均結果の概要」
参考:e-Stat「家計調査 家計収支編 二人以上の世帯」

2024年の平均電気代は3人暮らしだと月々12,651円、4人暮らしだと月々12,805円と13,000円程度が目安となります。

2020年〜2024年の中で最も電気代が安い2021年と比較すると、3人暮らしは月1,996円、4人暮らしは月1,429円高いです。

年間に換算すると3人暮らしは23,952円、4人暮らしは17,148円高くなっています。

2020年〜2024年の電気代を比較すると上昇傾向にあるため、今後も電気代が高騰する可能性があります。

家族の人数が増えるにつれ電気代も高くなりますが、1人から2人世帯に増えるときよりも増加傾向は穏やかです。

今後家族が増える予定がある人は、3人世帯以上の平均電気代を把握した上で生計の見込みを立てましょう。

電気代が高いときによくある質問

電気代が高いときによくある質問は以下の3つです。

1ヶ月に3万円を超える電気代が請求されたとき、普段より高いと感じるものの、世間と比較すると本当に高いか気になります。

オール電化の家庭ではガス代がかからない分、電気代が高くなる傾向にありますが、節約ポイントを押さえれば安くなる可能性が高いです。

暖房器具は電気代を高騰させる原因の1つなので、上手な使い方を実施すれば電気代を抑えられます。

電気代が高いときの疑問点を解消して、無理なく電気代を節約しましょう。

1ヶ月の電気代が3万円を超えるのは高いですか?

1ヶ月の電気代が3万円を超えるのは平均より高いので、電気の消費量や電力会社を見直しましょう。

2024年の1〜2人暮らしの平均電気代は以下の通りです。

人数 月々の平均電気代
1人 6,756円
2人 10,878円
3人 12,651円
4人 12,805円
5人 14,413円
6人 16,995円

6人以上世帯でも月々16,995円なので、月3万円の電気代はとても高いです。

ただし以下の要因で電気代は変動します。

  • 住居環境
  • 季節
  • 電化製品の使い方

冬の寒い期間が長い地域では、暖房器具を使う期間も長いため、電気代が高くなりやすいです。

寒い時期の電気代が3万円を超えても、他の時期の電気代が平均を大きく下回れば、通年にかかる電気代は特別高いわけではないといえます。

二世帯住宅でキッチンやトイレの数が多い家庭では、使う電気量も増えます。

万が一、3万円の電気代に心当たりがない人は、請求明細をしっかり確認した上で電力会社に問い合わせましょう。

オール電化で電気代を節約するポイントは?

オール電化の電気代を節約する方法は以下の通りです。

  • エコキュートの設定を見直す
  • IHクッキングヒーターの使い方を見直す
  • 電気暖房・冷房の使い方を工夫する
  • 家電の待機電力を省く
  • 家電を省エネタイプに買い替える
  • 太陽光発電と蓄電池を導入する
  • 電力会社の料金プランを見直す

エコキュートは深夜の安い電気でお湯を沸かすシステムで、設定次第で大きく節約できます。

例えば湯量設定を少なめにしたり、無駄な追い焚きを減らしたりすると、無駄な電力の削減が可能です。

IHはガスに比べて効率が良いですが使い方で差が出ます。

余熱を活かして加熱を早めに止めたり、強火より中火〜弱火でじっくり加熱したりする方が経済的です。

オール電化だと暖房も電気で消費電力も大きいため、電気代が上がる原因となります。

エアコンは自動運転で適温を保ち、サーキュレーターで空気を循環させると、電気代を抑えながら快適空間に。

家電の待機電力も積もると大きな無駄につながります。

使っていない家電は主電源を切るかコンセントから抜くのを徹底し、面倒であれば節電タップを活用すると一括で電源オフが可能です。

年数が10年以上の家電は買い替えを検討しましょう。

年間消費電力量をチェックし、家電の使いすぎを減らすより高効率家電に替える方が効果的。

長期的な対策としては、設置費用はかかりますが、太陽光発電や蓄電池の導入がおすすめです。

蓄電池があれば昼間の消費を太陽光でまかないながら売電により収益が得られます。

オール電化向けの料金プランは、夜間の電気代が安く、昼間が高い時間帯別料金制が多いです。

安い夜間に洗濯とお風呂の湯沸かしを集約させ、深夜電力を活用して生活サイクルを調整すると節約につながります。

現在の料金プランと他の電力会社のプランを比較し、さらに安くなるなら電力会社を乗り換えましょう。

暖房器具の電気代を抑える使い方は?

暖房器具の電気代を抑制する使い方は以下の通りです。

暖房器具 節約ポイント
エアコン ・自動運転で安定後に温度を下げる
・フィルターを月1回は掃除する
・吹き出し口の前に物を置かない
電気ストーブ・カーボンヒーター ・範囲が狭いので1人用の空間や脱衣所だけで使う
・長時間連続使用は避ける
オイルヒーター・パネルヒーター ・タイマーや温度設定を活用する
・サーキュレーターを併用して室内の空気を回す
こたつ・電気毛布 ・こたつ布団の上にも薄い掛け布団を重ねて保温性を上げる
・就寝時は電気毛布から湯たんぽに切り替える

エアコンのフィルターは汚れが溜まると、風通しが悪くなり高性能のエアコンでも効率が下がってしまいます。

電気ストーブとカーボンヒーターは、ピンポイントで温めたいときに活用できるため、狭い空間での使用がおすすめです。

オイルヒーターとパネルヒーターは、つけっぱなしにすると電気代が高くなりやすいので、タイマーを設定して不要なときはきちんと消しましょう。

こたつと電気毛布は暖房器具の中でも温度が低く電気代も安い傾向にありますが、就寝時に湯たんぽを活用するだけで電気代の削減が期待できます。

  • リビングはエアコンとこたつ
  • 1人部屋や狭い空間は電気ストーブやオイルヒーター
  • 就寝前までは電気毛布、就寝時は湯たんぽ

上記のように部屋やシーンに合わせて暖房器具を使い分けると、電気代を抑えながら快適空間が作れます。

複数の暖房器具を上手に使いながらも、不要なときは電源を消して電気代を節約しましょう。

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