住宅の新築、リフォーム／リノベーションを検討しているなら、国が行っている「住宅省エネ2025キャンペーン」は見逃せません。断熱窓・給湯など省エネ設備の導入や、子育て対応のための改修などで補助金を受け取れます。
この記事ではキャンペーンで開催されている4つの事業を解説しますので、利用できる制度がないかチェックしてみましょう。実際に利用する場合は、工事を依頼する工務店などの事業者ともよく相談してください。
住宅省エネ2025キャンペーンとは
家庭での省エネ化を推進する制度で、国交省、経産省、環境省が推進しています。一部の注文住宅を除き、子育て世帯を含むすべての世帯が対象です。
キャンペーンは以下4つの補助事業で構成されています。
- 子育てグリーン住宅支援事業（新築、リフォーム／リノベーション）
- 先進的窓リノベ2025事業（リフォーム／リノベーション）
- 給湯省エネ2025事業（新築、リフォーム／リノベーション）
- 賃貸集合給湯省エネ2025事業（リフォーム／リノベーション）
窓リノベ事業なら断熱窓、給湯事業ならエコキュートやエネファームなどの設備の導入で、補助金を受け取れます。より自宅で過ごす時間を快適にし、省エネを実践するため、省エネ設備の導入の際にぜひ活用したい制度です。
ここからは、4つの事業について解説していきます。
子育てグリーン住宅支援事業
エネルギー価格や物価高騰の影響を受けやすい子育て世帯を対象に、省エネ住宅の導入、省エネ改修への支援を行う事業です。新築は1戸あたり上限40万～160万円、リフォームは上限40万円または60万円の補助を受けられます。
現時点では新築・リフォームとも受付中です。ただし国が用意した予算上限に達すると締め切られるため、利用するなら早めに申請をするのがおすすめです。
新築はGX志向型住宅と、長期優良住宅・ZEH水準住宅でそれぞれ予算が分けられています。GX志向型住宅とは、ZEH基準を大きく上回る省エネ性能がある、脱炭素志向の住宅です。
戸建て住宅・共同住宅ともに、省エネ性能に関する規定があります。たとえば断熱などの性能等級は6級以上、再生可能エネルギーを除く一次エネルギー消費量削減率は35％以上です。
利用を検討する場合は、導入する設備が基準をクリアしているかを必ずチェックしましょう。
先進的窓リノベ2025事業
エネルギー費用負担の軽減と、住まいの快適性の向上のため、先進的な断熱窓の導入を促進する事業です。対象となるのは住宅用の建物であり、店舗や施設など住宅以外は対象になりません。
1戸あたり上限200万円の補助を受けられます。対象となる工事はガラス交換、内窓設置、外窓設置、ドア交換の4つです。
予算上限に達すると受付を終了しますが、本稿執筆時点での達成率は10％であり、まだしばらく余裕はあります。
断熱窓を導入すると、結露防止や騒音対策などのメリットがあります。結露防止にはカビやダニの減少といった効果もあるため、健康面でもプラスです。
快適な環境で家族と健康的な生活を送るため、窓リノベの補助金を利用するのもよいでしょう。
給湯省エネ2025事業
エネルギーの効率性に優れた給湯機の導入を支援する事業です。大きく分けて、購入・工事とリユースの2つがあり、新規住宅・既存住宅のどちらも対象となっています。
補助金の対象となる給湯機は、ヒートポンプ給湯機（エコキュート）、ハイブリッド給湯機、家庭用燃料電池（エネファーム）です。中古品やメーカー保証対象外の機器、店舗などで利用する機器などは対象外です。
補助額は1台あたり6万円～16万円で、戸建て住宅は2台まで、共同住宅は1台までとなっています。また、機器が性能に関する要件を満たすと、性能に応じた額が加算されます。さらに、給湯機の設置に加えて撤去工事を行う場合も補助を受けることが可能です。
予算の達成率は、本稿執筆時点では28％（撤去加算は34％）となっています。
賃貸集合給湯省エネ2025事業
こちらは賃貸住宅を対象とした、給湯機の導入を支援する事業です。補助を受けられるのは賃貸住宅のオーナーで、補助の対象は機器は小型の省エネ型給湯器（エコジョーズ／エコフィール）となっています。
補助額は、追い炊き機能がある場合は1台あたり7万円、ない場合は5万円です。1住戸あたりいずれか1台まで補助を受けられます。
