レベルファイブは7日、新作や新展開に関する発表会「LEVEL5 VISION 2015 -THE BEGINING-」を東京ドームシティホールで開催し、『妖怪ウォッチ』シリーズのセカンドシーズン構想と新展開について発表した。
プレゼンテーションを行ったレベルファイブ代表取締役社長/CEOの日野晃博氏自身も「社会現象とも言えるコンテンツになった」と語り、大ヒットを記録した『妖怪ウォッチ』だが、今回の発表会で変化への大きな舵を切る。その軸となるのはハズブロ社と提携した『YO-KAI WATCH』の世界進出と、アニメやゲームに女の子主人公の新キャラクター「未空イナホ」を加えた、現在の主人公・ケータとのダブル主人公体制への移行だ。
海外展開には『トランスフォーマー』や『マイリトルポニー』のハズブロ社が全面協力。任天堂ブランドでのゲームを含めたクロスメディア展開を展開し、2016年春を目処に北米で玩具展開をしていくという。ハズブロ・ブランズのジョン・フラスコッティ社長はビデオメッセージの中で、「『妖怪ウォッチ』の海外展開にあたり、自社ブランドの育成同様、周到な準備を行うつもりです。それは自社のブランドである『トランスフォーマー』『マイリトルポニー』『リトレストペットショップ』他数多くの自社ブランドを世界中で成功させたように『妖怪ウォッチ』も万全の体制で成功を目指して行きたいと思います」と語っていた。その他ハズブロ社側の関係者コメントが紹介されたが、日本独自のテイストが強い『妖怪ウォッチ』をハズブロ社サイドでも入念に研究し、レベルファイブ側との協力体制を取っていることが感じられた。
また、2015年夏にはユニバーサル・スタジオ・ジャパンでタイアップアトラクション「妖怪ウォッチ THE REAL」を実施。「妖怪ウォッチ THE REAL」は精巧な作りの「妖怪ウォッチ」と「妖怪パッド」と呼ばれるタブレット状のアイテムを使い、本物の妖怪に出会える体験ができるアトラクションになるという。
2015年7月からのTVアニメ、そしてゲーム『妖怪ウォッチ3』には女主人公イナホが登場
そしてもうひとつの大きな「変化」が、2015年7月からのアニメ『妖怪ウォッチ』セカンドシーズンや、ゲーム『妖怪ウォッチ3』に登場する女主人公・未空イナホの投入。日野氏は「妖怪ウォッチは元々アニメやゲーム、漫画といったクロスメディア展開向けに作られた設定で、玩具展開やメディア展開がしやすいギミックが最初から含まれていました」とプロジェクトの成り立ちを紹介。さらに現在、女児層にも広く受け入れられている『妖怪ウォッチ』のデータを紹介した上で、「これからの妖怪ウォッチは変化することを選択しました」と明言した。
セカンドシーズンに登場する未空イナホは宇宙人などにも興味津々なちょいオタ少女で、興奮すると超早口になったりとかなり個性的なキャラクター。未空イナホは悠木碧、パートナー的妖怪のUSAピョンはDream5のリーダーで声優初挑戦となる重本ことりが担当する。現在の主人公であるケータはそのままに、ケータとジバニャン、イナホとUSAピョンを中心にしたふたつの物語の軸ができるようだ。発表会中には「イナUSA不思議探偵社」というキーワードも聞こえた。
発表会にはキャストの悠木碧と重本ことりがジバニャン、USAピョンと共に登場。悠木は「私のオタク知識を活かしてくれと言われ、私の早口とかも採用されたり、すごくいろんなパターンでアドリブを入れたりしました。この子(イナホ)の普通じゃない個性はどこなんだろうと探しながら、キャラクター作りの段階から関わらせていただいたのは貴重な体験でした」と語り、「たくさんの子供たちが楽しみにしている作品なので、イナホちゃんとUSAピョンとがんばっていきたいです」と意気込みを語っていた。USAピョン役の重本は「声優の仕事は始めてなのですが、精いっぱいがんばりますのでよろしくお願いします」とあいさつしていた。
TVアニメ以外にも、2015年12月の劇場映画第2弾公開決定、新規楽曲の投入(TVアニメ5月ED・Dream5の「ようかい体操第二」、7月OP・キング・クリームソーダの「人生ドラマティック」、7月ED・コトリwithステッチバードの「宇宙ダンス!」)、新型ウォッチ『妖怪ウォッチU プロトタイプ』の商品化など、この夏をピークに数多くの施策が発表された。
発表を終えた日野氏は「『妖怪ウォッチ』は10年20年と続けられるように、エンターテイメントとして変化していきます。もちろん新しく『妖怪ウォッチ』を好きになってくれる子供もいますから、変わらない良さと、変わっていくことを両方大事にしたいです」と方針を語っていた。
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