米Googleは6月25日(現地時間)、同社の開発者カンファレンス「Google I/O 2014」(6月25日-26日、米サンフランシスコ)の基調講演で、次期Androidのプレビューを披露した。またAndroid Wear端末の受注開始、「Android Auto」、「Android TV」、フィットネス/へルスケア向けフレームワーク「Google Fit」、新興成長市場向けイニシアチブ「Android One」などを発表した。
今年後半にGoogleは、AndroidとChromeという2つのプラットフォームで、モバイル、デスクトップ(Web)、リビングルーム(TV)を結ぶ"連携"の強化に乗り出す。その基盤となるのが、新しいデザイン言語「Material Design」だ。Android、Chrome、Googleの各種サービスに、共通したインターフェイスと操作性をもたらす。Material Designのデザインは、カラフルかつシンプルなフラットスタイルで、パネルを活用してスペースを作り、デザインにゆとりをもたせることで重要なパーツやコンテンツを際立たせる。
頭文字"K"のAndroid 4.4 Kit Katに続く次期Androidを、現段階でGoogleは「Android "L"リリース」と呼んでいる。Android LはMaterial Designでインターフェイスを刷新、新たに5,000を超えるAPIを開発者に公開する。「Androidの歴史で最大のリリースになる」という。ART(Android Runtime)を標準ランタイムとし、64-bit ABIをサポートする「Android L Developer Preview」が6月26日に公開になる予定だ。
Androidのエコシステムを広げる製品で最初に登場するのは、Androidのウエアラブルプラットフォーム「Android Wear」に対応したスマートウォッチだ。新たにパートナーに加わったSamsungの「Gear Live」、LG Electronicsの「G Watch」の受注が25日にGoogle Playで始まる予定だ。また、Motorolaの「Moto 360」が今夏に発売される。
Google Autoは、Androidスマートフォンを車載機器と連携させて、Google Maps、Play Music、Google Nowからのリマンダー、音声検索などを車内で利用できるようにする。Android Lとともにリリースされ、年内に対応した車が登場する見通し。
Android TVは、TVやセットトップボックスに組み込む家電製品向けAndroidプラットフォームだ。音声検索でTVの番組スケジュールを検索、直接TVでYouTubeにアクセスし、Google Playからゲームをダウンロードして遊ぶなど、従来のTVの視聴体験とAndroidの世界を融合する。対応製品の登場は2015年になる見通し。
Google Fitは、フィットネス/へルスケア系のアクセサリ/アプリからのデータを一カ所で管理し、広く活用できるようにするフレームワークだ。Nike、Adidas、Withings、RunKeeper、Polar、Basisなどがパートナーになっている。
AndroidとChromeのエコシステムの拡大と並行して、Android市場を広げる取り組みも継続する。Android Oneは、これからスマートフォンが普及する成長市場向けのイニシアチブだ。価格、ネットワーク環境など様々な問題をパートナーとともに解決する。ハードウエアリファレンスをベースにMicromaxが開発している4.5インチの端末の場合、デュアルSIM、SDカードスロット、FMラジオなどを備えて、価格は100ドル以下になる。