角川ゲームスは26日、東京国際フォーラムにて「KADOKAWA GAME STUDIO MEDIA BRIEFING 2013 AUTUMN」を開催し、話題のブラウザゲーム『艦隊これくしょん-艦これ-』を2014年にPS Vita用ソフトとして発売、さらにアニメ化プロジェクトを発表した。
発表会は、角川ゲームス代表取締役社長・安田善巳氏と開発本部副本部長・田中謙介氏の2人がホストとなり、『Project Discovery』『艦隊これくしょん』『NAtURAL DOCtRINE』の3タイトル、そして角川ゲームスの自社タイトルの開発スタジオ「KADOKAWA GAME STUDIO」の創設が明らかになった。
今回の発表の中で最も注目を集めていた『艦隊これくしょん-艦これ-』は、戦艦や空母、巡洋艦、駆逐艦といった軍艦、艦艇を擬人化した艦娘(かんむす)たちを育成し、自分だけの連合艦隊を作り上げていく艦隊育成シミュレーション。90万人以上のプレイヤーが登録するブラウザゲームで、今回の発表会は、前日に角川グループホールディングスの株価が急上昇するなど、ゲームファンのみならず投資家からも注目が集まっていた。
まずは、本作のコンシューマー版『艦これ改』(仮)が、2014年にPS Vita用タイトルとして発売決定。『艦これ改』(仮)は、『艦隊これくしょん-艦これ-』の企画段階から並行して開発が進められていたという。ゲームの詳細について田中氏は、まだ「お伝えできる内容が少ない」としながらも、「ハイスピードシューティングや本格艦隊シミュレーションにはならず、『艦隊これくしょん』らしい、"最上"が"最上改"になるくらいは『艦これ』です(笑)」と本作を表現している。
PS Vita用タイトルの発表に続き、角川書店の常務取締役・安田猛氏が登壇し、『艦隊これくしょん』のアニメ化プロジェクトが発表された。安田氏によれば『艦隊これくしょん-艦これ-』の企画時に、田中氏からアニメ化が持ちかけられたようで「その時は『売れたら作ってあげるよ』と言いましたが、わずか1年でここまでのコンテンツに育った以上、アニメを作りたいと思います」と、アニメ化の経緯を説明。続けて安田氏は「アニメの出演声優は『艦隊これくしょん』に出演している声優を継承。ストーリーや艦娘の動きなどについては、現在アニメ事業部のスタッフと角川ゲームスのスタッフで話し合いを行っています」と、アニメ化プロジェクトの進捗を報告した。
さらにDMM.comの『艦隊これくしょん-艦これ-』プロデューサーであり、本作の楽曲も手がける岡宮道生氏や、伊勢型戦艦などで出演する声優の大坪由佳も登壇。大坪は、収録にあたり自身が演じる艦の予習をしてきたというエピソードも披露し、軽巡洋艦北上として「すーぱー北上様だよー。『艦これ』Vita版、アニメ化いいねー、しびれるねー、ありがとね」と、喜びをあらわにしていた。
『艦隊これくしょん-艦これ-』に続いては、『NAtURAL DOCtRINE』と「Project Discovery」に関する新情報が発表された。
『NAtURAL DOCtRINE』は、『PS4』の国内発売日2月22日に同時発売を予定しており、『PS4』のほか『PS3』『PS Vita』でも展開。ジャンルはシミュレーションRPGで、本作について田中氏は「新たなものを挑戦できないかなと思って開発しているタイトルです。先輩方が作っていたシミュレーションRPG作品の素晴らしいものに感銘を受けておりますが、その先というか次の段階にアプローチしたいという思いを込めたタイトル」とコンセプトを説明。キャラクターデザインや映像制作は、人気アニメ『Fate/ZERO』などを制作する「ufotable」、音楽はアニメ、ゲームなどを数多く手がける朝倉紀行氏が担当する。
ufotableの代表取締役社長・近藤光氏(左)と『NAtURAL DOCtRINE』キャラクターデザイン碇谷敦氏 |
『NAtURAL DOCtRINE』の音楽を担当する朝倉紀行氏 |
『NAtURAL DOCtRINE』ディレクター飯淳氏 |
そして、昨年よりスタートした『PS Vita』用スマートノベルゲームを開発する、ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジア(SCEJ)と角川ゲームスの共同プロジェクト「Project Discover」は、第2シーズンに突入することが決定。「Project Discovery」は、プロアマを問わず、シナリオ、キャラクターデザイン、音楽、キャラクターボイスなどのゲームアセットを募集する才能発掘プロジェクトで、主な条件は「商業発表されていない日本語コンテンツ」。年齢、国籍、性別などに制限はなく、広く募集をかけている。
今年の募集部門は、昨年同様「シナリオライター部門」「グラフィックデザイナー部門」「サウンドデザイナー部門」「ボイスアクター部門」の4部門で、募集締め切りは2014年1月。発表は2014年3月を予定している。第1シーズンの受賞作品を利用したプロトタイプ版を開発中で、2014年春にリリースを予定しているという。