編集部にて、NTTドコモ版のiPhone 5sの一部個体で、LTEのデータ通信を利用できないという現象を確認した。画面最上部のキャリア名が表示される部分に「docomo 3G」と表示され、音声通信は利用できるがデータ通信は行えないという現象だ。この不具合が発生した場合に、修正できるかもしれない方法があるので紹介しよう。

iPhone 5s

まずは本稿で紹介する不具合に該当するかどうかを確認する。ホーム画面から「設定」→「一般」→「情報」の順にタップし、端末の詳細情報を表示。ページ内の「キャリア」の項目が「Carrier 15.0」と表示されている場合は、本稿で紹介する方法で不具合を解決できる可能性が高い。

「キャリア」の項目が「Carrier 15.0」と表示されている

記事掲載時点で、正常であれば「ドコモ 15.1.0」と表示される

ちなみに、この項目で表示されているのはベースバンドチップを制御するファームウェアのバージョンである。記事掲載時点で、正常であれば「ドコモ 15.1.0」と表示されるはずのものだ。この項目が「Carrier 15.0」と表示されている場合は、ファームウェアのバージョンが古く、これが原因でデータ通信が上手くいっていない可能性が高い。

では、これを修正する方法を紹介しよう。具体的にはベースバンドのファームウェアを正常な最新版へと更新する方法だ。手順は以下の通り。

  • Wi-Fi接続などで、LTEのデータ通信以外の方法で通信ができるように設定する。なお、Wi-Fiの設定の場合は、ホーム画面から「設定」→「Wi-Fi」の画面でWi-Fiのオン・オフを設定できる。

  • 通信ができるようになったら、ホーム画面から「設定」→「一般」→「情報」を開き、「キャリア」と書いてある部分をタップすると、アップデートの確認がでるので、画面の指示に従ってアップデートする。

  • およそ数秒待ったあと、「Carrier 15.0」が「ドコモ 15.1.0」に変わっていれば成功。Wi-Fi接続をしていた場合は、そのWi-Fiをオフにしたのち、ブラウザソフトなどを立ち上げて正常にデータ通信ができているか確認しよう。

なお、本件については編集部で確認したLTE通信の不具合の情報をもとに、編集部で実際に当該の不具合を持つiPhone 5sを入手し、修正を試みたものである。もし、本稿で紹介した不具合の症状に当てはまるようであれば、上記手順を試してみる価値はあるだろう。あくまで公式の対応ではないため、より安全に修正するのであれば、アップルやドコモのサポートに頼る方が安心である。どうしても、お困りの場合は自己責任にて参考にしていただきたい。