米Motorola Mobilityは8月1日(現地時間)、Googleと共に開発したAndroidスマートフォン「Moto X」を発表した。SoCに「Motorola X8 Mobile Computing System」を搭載。ユーザーに応じるように動作し、またカスタムオーダーサービスを通じてユーザーが自分好みにデザインできるなど、ユーザーのための端末になるのを特徴としている。OSはAndroid 4.2.2 (Jelly Bean)。

「Moto Xはユーザーに選択を提供する。ユーザーがデザインし、そしてユーザーに応答するように、MotorolaとGoogleがユーザーのために設計した」(Motorola)

Moto Xは米国 (テキサス州フォートワース)で製造される。ウーブンブラックやウーブンホワイトなどストアモデルに加えて、Moto Makerというカスタマイズサービスが用意されており、ユーザーがカラー、フロントパネル、バックカバー、音量ボタンやレンズリングなどのアクセント、ストレージ (16GB/32GB)、壁紙などを選択してオーダーできる。カスタマイズのコンビネーションは2,000以上。部品の在庫が揃っていれば、オーダーは4日以内に発送される。もしカスタマイズした製品を気に入らなかった場合、14日以内ならば再デザインまたは返品を受け入れるそうだ。

ストアモデルは落ち着いた色合いだが、カスタムオーダーで鮮やかな端末にすることも可能。バックカバーは18種類、カスタマイズのコンビネーションは2,000以上。ホンモノの木を使ったバックカバーなど、パーツを増やしていくという。

Touchless Controlという音声機能を使えば、話しかけるだけで情報 (天気の確認、道順案内など)を得たり、端末を操作できる。同機能にはユーザーの声を覚えさせることが可能で、登録したらMoto Xがユーザーの声のみに反応するようになる。

Motorolaによると、スマートフォンを日常的に使用している人は通知や時間の確認などで1日平均60回もオン/オフ・ボタンを押している。Moto XはSMSの着信やユーザーが気づかなかった電話など、ユーザーにとって重要な情報の通知をスリープ中でも画面にアイコンで表示する。ユーザーは端末をポケットやカバンから取り出す (または机などに置く)だけで、すばやく通知アイコンと時間を確認でき、頻繁にオン/オフ・ボタンを押す習慣から解放される (Active Display)。

端末を手に持って2度振るとクイックキャプチャ・カメラが起動し、すぐに撮影を始められる。内蔵カメラのセンサーは暗所や動く被写体の撮影に粘り強く対応できるという。カメラは背面のメインカメラが10メガピクセル、前面は2メガピクセルだ。

Motorolaのカスタムチップ「X8」を搭載

ハードウエア仕様は、例えばディスプレイが4.7インチのAMOLEDパネル (720p)であるなど、数字上では飛び抜けたものではない。Motorolaによると、ユーザーがアプリや各種コンテンツを楽しめるパフォーマンスと、ポケットやカバンに入れて邪魔にならず、快適に操作できるサイズのバランスを優先した結果だという。仕様の数字をアピールするのではなく、あくまでもユーザー体験を追求するという姿勢だ。本体サイズは高さが129.3ミリで、幅が65.3ミリ。片手で持った時の収まりが良いように背面がカーブしている (厚み:5.6-10.4ミリ)。重さは130グラムだ。

背面がカーブしていて、片手で持ちやすいデザイン

特徴は、SoCにSnapdragon S4 ProをベースにMotorolaがカスタマイズした「Motorola X8 Mobile Computing System」を搭載していることだ。Motorolaが7月23日に発表したDROIDシリーズの新製品3機種にも採用されたX8は、同社が長年培ってきたDSP技術を活かして、スマートフォンの使用体験を引き上げるパフォーマンスを効率的に引き出せるように設計した。デュアルコアCPUに自然言語プロセッサとコンテクスチュアルコンピューティング・プロセッサを組み合わせることで、ユーザーの声に応じ、各種センサが効率的に機能するMoto Xおよび新DROID3機種の独特のユーザー体験を可能にした。

RAMは2GB。ストレージは16GBまたは32GBで、Googleのオンラインストレージサービス「Google Drive」の50GBプランを2年間無料で使用できる。内蔵バッテリーの容量は2200mAh。駆動時間は通話が最大13時間、通常の使用 (mixed usage)で最大24時間となっている。

ワイアレス機能は、デュアルバンド対応Wi-Fi (802.11 a/g/b/n/ac)、Bluetooth 4.0LE+EDR。GSM/GPRS/EDGE、UMTS/HSPA+、CDMA/EVDO Rev.A、LTEなどに対応する。

Moto Xは米国、カナダ、南米で8月末から9月初旬にかけて発売開始になる。米国での価格は、ウーブンブラック/ウーブンホワイト・モデルが携帯サービス2年契約で199ドルとなっている。