iOS 6で刷新された「マップ」アプリの不正確かつ乏しい情報表示に対する批判が広がっている問題で、米Appleが米国時間の9月28日にCEOのTim Cook氏のステートメントを公開した。同氏は「可能な限り最高の利用体験をユーザーに提供するというわれわれの目標に届かないものでした。ユーザーの方々にご迷惑をおかけしていることに対し、心よりお詫び申し上げます」とユーザーに謝罪した。

iOSの標準マップ・アプリは、iPhone OS時代からiOS 5までGoogleのマップデータを用いていた。iOS 6のマップ・アプリはGoogleではなく、独自の技術を土台に複数のパートナーから地理情報データや地域情報データの提供を受けたものになっている。結果的にマップ・アプリの使用体験が損なわれたことから「尚早なGoogle離れ」という声が相次いでいる。この点についてCook氏は、「(従来のマップは5年が経過し) ターンバイターン方式のナビゲーション、音声の統合、Flyover、ベクター・ベースのマップ表示といった機能を含む、より良いマップをユーザーに提供したいと考えるようになりました。そのためには、一から新バージョンのマップを作る必要がありました」としている。28日時点でiOS 6で動作するiOSデバイスは1億台を超えており、iOS 6の標準マップ・アプリを使ってすでに5億件近い検索をユーザーが実行している。「ユーザーが使用するほどに、データが蓄積され、マップは改善されます。これまでに受け取ったたくさんのフィードバックに深く感謝しております」とCook氏。

標準マップ・アプリの改善を約束する一方で、声明の中でCook氏は「App StoreからBingやMapQuest、Wazeなどの地図アプリをダウンロードしたり、GoogleやNokiaのマップのWebサイトに行き、それらのWebアプリへのアイコンをホームスクリーンに置いてを使用するなど、複数の代替手段を試せます」と、他社の製品やサービスの使用も勧めている。

日本国内での代替アプリ/サービスについては、本誌でも「iOS 6の地図が頼りないと感じたら使ってみたい地図アプリ5選」で特集している。