iFixitが9月21日に発売開始されたばかりのiPhone 5を分解したレポートをまとめている。ポイントはいくつかあるが、バッテリがiPhone 4Sに比べてごくわずかながら大容量化されていること、iPhone 4/4Sで故障の原因となっていたホームボタンが強化されていることなどが挙げられる。

iPhone 5の気になる"中身"は?

およそ日本での発売開始直後のタイミングからiFixitが分解を開始し、リアルタイムでその様子がレポートとして更新されていた。現在ではすべての分解を済ませ、部品番号を含めた詳細レポートとしてまとまっている。ネジなど分解自体は従来の工具でも可能だったようで、部分的に実装密度の高いところや接着部分は力業で分解している。

まず目立つのはバッテリの部分で、iFixitによればiPhone 5のバッテリ容量は1434mAhで、これはiPhone 4Sの1432mAhよりごくわずかだが大きいという。SamsungのGalaxy S IIIが2100mAhなのと比べると、相変わらず容量は小さい。本体サイズが大きく拡大しているにも関わらずバッテリ容量が増えていないのは、まず本体が薄型化していること、他の部品の占有面積が増えていることなどが考えられる。

ロジックボードの部分で確認できるのは、LTEモデムがQualcomm MDM9615Mであること、今回分解した個体のNANDフラッシュメモリがHynix製128Gbモジュール(16GB)であることだ。MDM9615Mは28nm製造プロセスのチップで、LTE(FDD/TDD)、HSPA+、EV-DO Rev.B、TD-SCMAをサポートするという。またLTEネットワーク上での音声/データ同時伝送にも対応するようだ(携帯キャリアのネットワークに依存)。またロジックボードと独立した本体下部のエリアには、Lightningとヘッドフォン端子、マイク、スピーカーが一体化された状態で配置されている。この部分の実装密度はかなり高く、iFixitは今後Appleが30ピンコネクタを復活させる気はないと分析している。

そしてiPhone 4/4Sユーザーには朗報なのがホームボタンの部分で、金属補強が組み込まれているという。これはボタン強度を増すためのものと考えられ、従来ユーザーがアプリ切り替えのために頻繁にホームボタンを押すことでボタンが壊れ、認識されにくくなってくるという現象が多く見受けられた。今回の金属補強が有効に働けば、おそらくこうした問題に悩まされることは減りそうだ。残りの詳細についてはiFixitの分解レポートを実際に読んで確認してほしい。