5月23日、米国の顧客満足度を調査しているAmerican Customer Satisfaction Index(ACSI)が発表した情報通信に関する調査レポートによると、2017年のスマートフォンの顧客満足度トップは、意外なことに、iPhone SEが輝いた。

iPhone SE

データを見ると、

  • iPhone SEが87ポイント
  • iPhone 7 Plus、GALAXY S6 edge+が86ポイント
  • GALAXY S6 edgeが85ポイント
  • GALAXY S7、GALAXY S7 edgeが84ポイント、
  • iPhone 7、iPhone 6s、iPhone 6s Plusが83ポイント

という結果となっていた。

このデータで興味深いのは、iPhone 7が振るわなかったのもさることながら、首位を奪ったのが他のデバイスよりも画面サイズが小さい4インチスマートフォン、iPhone SEであったところだ。

iPhone SEは、大きな画面や最新のプロセッサの搭載をせず、価格を399ドルに抑えたスマートフォンで、戦略として、新興市場の開拓、牽引の役割を担う存在とみられていた。実際、インドでの生産が始まっている。

しかし今回の顧客満足度調査は米国で行われたもので、米国のiPhone SEユーザーに対しても、高い訴求力を持っていることが分かる。

iPhone SEは、2016年3月に発売したスマートフォンだ。A9プロセッサ、1,200万画素のiSightカメラを搭載し、処理性能とカメラ画質は、当時のフラッグシップモデルだったiPhone 6sと同等とされている。2017年3月には、ストレージの保存容量が16GB・64GBから、32GB・128GBへと倍増されたモデルを投入。プロセッサやカメラはそのままであったが、価格は据え置かれてた。

最大の特徴は、iPhone 5sと同じ、4インチの画面サイズが採用された点だ。iPhone SEのディスプレイは、シンプルな4インチRetinaディスプレイであり、2017年のアップデート以降も、高色域やコントラスト向上をサポートしたり、3D Touchを採用することはない。 iPhone 6・iPhone 6 Plus以降の大型化されたiPhoneに慣れてくると、iPhone SEの4インチという画面サイズはいささか物足りなく感じる。特にモバイルでビデオ視聴をする機会が増えてきた昨今は、やはり大きなサイズで楽しみたい、というニーズに応えられないのも確かだ。

他方、改めてiPhone SEを手の平に載せてみると、そのサイズのコンパクトさから、扱いやすいと感じる。筆者個人としては手が小さいため、iPhone 6の4.7インチですら片手で持つのが不安であり、両手で持つことを前提に、あえて5.5インチのiPhone 6 Plusを選択したほどだ。

パフォーマンスもカメラも十分で手に馴染むコンパクトさを実現したiPhone SEであるが、これを進んで選ぶユーザーが、高い満足を得ているのを考えると、大画面偏重の現在のスマートフォン市場において、あえてトレンドを外れるのもありかなと考えさせられる。