当初iPhone/iPadは32bitアーキテクチャを採用していたが、2013年に登場したiPhone 5sで64bitアーキテクチャの「Apple A7」を採用。続くA8やA9も64bit SoCであり、64bit時代はこれからも続く。iOSの64bit対応は完了していると考えられ、残るはサードパーティーアプリの互換性だ。
いまのところ、アプリは32bitでも64bitでも動作する。ただし、Appleは明確に64bit環境へのシフトを進めており、2015年2月以降は新規公開のアプリ、およびアップデートされるアプリには64bit対応を義務付けた。64bit環境でも32bitアプリは動作するが、64bit対応アプリのほうがパフォーマンスに優れるうえ、システムとの互換性も64bit前提のため安定性/信頼性という点でも64bit対応が望ましい。
iOS 10では、その方針がより明確に打ち出されるようになった。32bitアプリを起動すると、「○○○によりiPhoneの動作が遅くなる場合があります」という警告ダイアログを表示するようになったのだ。そして先日リリースされたiOS 10.3では、「このAppは将来のiOSのバージョンでは動かない可能性があります」などと文章のトーンがより強くなった。32bitアプリはいずれ消える、と考えてよさそうだ。
さらにiOS 10.3では、32bitアプリを選別する機能が追加された。『設定』の情報画面にあるApp項目をタップすると、「これらのAppによりiPhoneの動作が遅くなる場合がある」という説明文に続き、64bit対応にアップデートされていないアプリ、すなわち32bitアプリがリストアップされる。その多くはApp Storeから削除されているアプリだが、まだ使い続けている場合には、次のiOSアップデートでは動かなくなるものと覚悟しておくべきだろう。