説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『私鉄沿線住人ですが、Apple Payを定期券にできますか?』という質問に答えます。

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交通系ICカードは、FeliCa方式の自動改札が設置されていれば、発行元の違いにかかわらず全国で自由に利用できますが、定期券として使うためには、そのエリアで発行されているカードが必要です。Suicaを定期として使う場合、発着駅のどちらかがJR東日本の駅でなければなりません。

2017年3月現在、Apple Payで交通機関の支払いに(エクスプレスカードとして)利用できるのは「Suica」だけですから、定期券として使える範囲はJR東日本のエリアに限定されます。

つまり、私鉄沿線在住の方がApple Payを定期券として使用するためには、到着駅がJR東日本の路線に含まれていなければならないことになります。発着駅がどちらもJR東日本の駅ではない場合、ICカードタイプの定期券はPASMOでしか購入できないため、現在のところApple Payでは利用できません。

出発駅が含まれる路線(私鉄)からJR東日本の路線を経由し到着駅が私鉄というケース、たとえば小田急線から山手線を経由して東京メトロの駅で降りるという場合も、ICカードタイプの定期券はPASMOになるため、やはりApple Payでは利用できないことになります。

ところで、SuicaはモバイルSuicaという扱いですから、通学定期に関しては制限があります。小中高生の通学定期はモバイルSuicaで発行できないため、Apple Payに定期券の情報を書き込めるのは大学/大学院生、専門学校生に限られてしまいます。その場合、学校が発行する通学証明書を送付する必要がありますから、先にICカードのSuicaを通学定期にしておき、それをApple Payに取り込むほうがスムーズでしょう。

Apple Payは定期券として利用できるものの、Suicaの発行元がJR東日本であることによる制約があります