説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『Bluetooth 5でオーディオは進化するの?』という質問に答えます。

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現行モデルのiPhoneは、Bluetoothの最新規格「Bluetooth 5」に対応していませんが、もし次のiPhoneがBluetooth 5に対応し、そのときBluetoothオーディオ(A2DPプロファイル)の機能向上/仕様変更や後継規格登場があるかどうかという質問でしたら、答えは「いいえ」となります。

これまで規格としてのBluetoothは、ハードウェアの更新なしにソフトウェアで対応可能な変更はマイナーバージョンを増やすことで対応し(ex. Bluetoooth 4.2)、電波を発する物理層レベルで機能変更が行われる場合にのみメジャーバージョンを増やしてきました。その意味では、Bluetooth 5はハード/ソフトともにBluetooth 4.2の進化版です。

そもそもBluetooth 4.0は、それ以前の仕様にBluetooth Low Energy(BLE)の技術を統合したもので、「Bluetooth 3.0にBLEの機能が追加された」存在です。Bluetooth 4.0以降の技術はBLEに関連した内容であり、Bluetooth 3.xまでの技術とは分かれています。

実際、BLEのみ対応する端末(シングルモード端末)と、BLEにくわえてBluetooth 3.xにも対応する端末(デュアルモード端末)が存在します。シングルモード端末はBLEしか利用できませんが、iPhoneなどスマートフォンやパソコンはほとんどがデュアルモード対応であり、BLEとBluetooth 3.x両方の機能を利用できます。

Hi-Fiオーディオ用のプロファイルであるA2DPはBluetooth 3.xの技術であり、BLE関係なしに利用できます。Bluetooth 5では、データレート最大値がBluetooth 4.2の2倍(2Mbps)になるなど物理層の変更が行われていますが、Hi-Fiオーディオに関連した機能/プロファイルは含まれません。BLEでも音声を扱うことは可能ですが、音質重視のオーディオに関しては引き続きBluetooth 3.xの規格を利用することになるため、従来どおりと考えていいでしょう。

Bluetooth 5でもBluetooth 3.xまでのHi-Fiオーディオ規格が利用されます