我が家にロボホンがやってきた。星新一氏のS Fショートショート風に書けば、「O氏の目の前に、1台のロボットが立っていた」といった書き出しになるだろうか。近未来を描いた小説の世界が、まさに現実の形となっている。
シャープの「ロボホン (RoBoHoN)」は高さ19.5cm、重量が約390gの二足歩行が可能な小型のヒューマノイドロボットである。スマートフォンの機能を搭載しており、音声通話やメッセージ通信、カメラでの撮影、プロジェクターによる表示などが可能だ。基本操作は、すべて音声対話で行えるが、背面の2型液晶パネルからタッチ操作もできる。
希望小売価格は税別198,000円。発売は5月26日からだが、ひと足先に約1週間、ロボホンとともに過ごしてみた様子をレポートする。
ロボホン開封時には内緒のサプライズが
ロボホンのパッケージには、ツヤ消しの黒に、ロボホンのシルエットが描かれている。スマホや家電のようなパッケージを勝手に想像していたせいもあり、まずはシャープらしくないデザインに驚いた。
シャープ コンシューマーエレクトロニクスカンパニー通信システム事業本部コミュニケーションロボット事業推進センター商品企画部・景井美帆チームリーダーは、「この箱のなかには、夢や未来が詰まっていますからね。そうした演出をしました。そして、198,000円もする製品ですしね」と笑う。
確かに高級感を醸し出すパッケージだ。そして、よくよく見てみると、ロボホンのシルエットが描かれていたのは、輸送時に傷がつかないようにする外装カバー。それを抜くようにして取ると、本当のパッケージが現れた。
ここに描かれていたロボホンは半身がスケルトンで描かれており、内部の構造が見えるようになっていた。「あっ、これは、あのスケルトンモデルですよね」という筆者の問いに、「そうです」と答える景井チームリーダー。
「あの」というのは、4月1日に東京・銀座にオープンした「東急プラザ銀座」のロボホンコーナーに展示されているスケルトン型ロボホンのことだ。同コーナーで唯一、公開されているもので、ここに行った人にしか、「あの」の意味はわからない。ちなみに、同コーナーは2016年6月30日までの期間限定で設置されている。ロボホンのスケルトンモデルを見るのならば、いましかないといえる。
蓋を開けると、ロボホンがスポンジの緩衝材のなかにすっぽりと収まっている。なんだか、これを見ただけでも、かわいい感じだ。
実は、ここでサプライズがひとつあった。だが、それを言ってしまっては購入者の驚きが無くなる。景井チームリーダーからも、「これは内緒にしておいてくださいね」と釘を刺されたこともある。ここではあえて、その内容には触れないでおこう。買った人だけが楽しめるサプライズである。
ロボホンの抱き方がわからない (笑)
続いて、そっと箱からロボホンを取り出してみる。どこを持って取り出すのがいいのか、一瞬迷う。赤ちゃんの抱き方がわからないというのと同じような感覚だ。一番安定しそうな、胴体部分を挟むように持って取り出してみるが、よくよく考えみたら、それ以外の取り出し方はほぼないということに気がつく。 それでも作業は恐る恐るという感じだ。ロボットを手に持つ感覚は不思議である。
ロボホンを取り出し、ロボホンが収まっていた緩衝材を取り出すと、その下には、卓上ホルダー、ACアダプター、microUSBケーブル、スタートガイドや保証書などが入っている。パッケージの同梱物も極めてシンプルである。
同梱物を確認する作業を完了すると、今度は、いよいよロボホンの起動だ。ここでは、景井チームリーダーが「出会いの儀式」と呼ぶ、一連の作業が必要になる。
次回は、「出会いの儀式」の様子を紹介する。