説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「Appスイッチャーの表示と実際のアプリの画面が違うのはどうして?」という質問に答えます。

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ホームボタンをダブルクリックすると現れる「Appスイッチャー」。前面に表示するアプリを切り替えるためのiOSの機構で、パソコン用OSでいうところの「タスク切り替え」(マルチタスク)に相当します。感覚的には、複数のアプリを起動しておき必要なときに切り替えるための機能、という理解でじゅうぶんでしょう。

しかし、iOSでは起動したアプリすべてが起動したままとはなりません。音楽再生や音声通話など一部ジャンルのアプリを除けば、他のアプリの背後に回った(Appスイッチャーでバックグラウンドに切り替えられた)直後、自動的に停止状態となり情報は更新されなくなります。

試しに、「コンパス」を表示しているときにAppスイッチャーを起動してみましょう。iPhoneの動きにあわせ、小さくなった「コンパス」の画面もリアルタイムに動くはずです。これは、「コンパス」が動作している(停止状態ではない)ことの証拠です。

しかし、他のアプリに切り替えたあと、もういちどAppスイッチャーに切り替えるとどうでしょう。今度は、「コンパス」の画面は動かないはずです。Appスイッチャーに表示されている画像は、「コンパス」が停止される直前のもので、以後更新されていないからです。

なお、音楽再生や音声通話、目覚まし時計など一部ジャンルのアプリは、バックグラウンドに回っても変わらず動作し続けることができます。それ以外のアプリも最長10分まではバックグラウンドで動作するよう設計できますが、10分経過すればiOSにより強制的に停止させられます。

バックグラウンドに回る前は、「コンパス」もAppスイッチャー上でリアルタイムに動きます