説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『「AirDrop」はなぜBluetoothとWi-Fiの両方が必要なの?』という質問に答えます。

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BlutoothとWi-Fiは、免許申請や使用登録が不要な2.4GHz帯を利用するワイヤレス通信規格であるという点で一致しています(Wi-Fiには5GHz帯を使う規格もあります)。しかし、Wi-FiのほうがBluetoothより通信半径が広く、通信速度も上回ります。サイズが大きいファイルの送受信や、音楽/動画のストリーミング配信といった用途には、だんぜんWi-Fiのほうが有利です。

一方、Bluetoothは安定してつながることを重視し規格が制定されました。2.4GHz帯は電子レンジなどの家電にも使用されるため、周囲に電化製品が多い場所でWi-Fiは影響を受けやすいことが難点ですが、Bluetoothにはその影響を最小限に抑えるしくみが用意されています。待機時を含めたときの消費電力が少ないこともメリットです。

AirDropを利用できるiPhoneは、従来規格に比べ大幅に省電力化された「Bluetooth 4.0」と、最大24MB/秒の高速通信が可能な「Bluetooth 3.0+HS」の両方のBluetooth規格をサポートしています。Bluetoothだけでもそれなりの速度でファイルをやり取りできますが、Bluetoothでセッションを開始したあと通信経路をWi-Fiに切り替えることにより、より高速なファイル転送を可能にしています。

だから、BluetoothとWi-Fiのどちらが欠けてもAirDropは動作しません。AirDropの機能を使おうとしたとき、それらの通信機能がオフの場合は、「タップしてWi-FiやBluetoothをオンにしてください」とメッセージが表示されます。

BluetoothとWi-Fiのどちらか一方がオフの場合、AirDropは動作しません