説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「最近、バッテリーのもちが悪くなってきたような気がします……」という質問に答えます。

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iPhoneのバッテリーには、リチウムイオンバッテリーが採用されています。このタイプのバッテリーは充電を繰り返すうちに性能が低下するため、使いはじめから1年、2年と経過するうちに"保ち"は悪くなっていきます。Appleも、フル充電サイクルを500回繰り返したとき本来の容量の最大80パーセントを維持できるように設計している、と説明しています。

その「フル充電サイクル」とは、充電を行った回数ではなく、バッテリー容量100%に相当する電力を使い切る(放電する)回数のことをいいます。毎日バッテリー容量の80%を消費すると仮定すると、残りの20%に継ぎ足し充電を行うことになりますから、5日で4回のフル充電サイクルが行われる計算になります。実際には、休日などiPhoneをあまり使わない日もありますから、そこまでハイペースにはならないはずです。フル充電サイクル500回に到達するのは、おそらく使用開始から2年以上先になることでしょう。

しかし、使い方に問題があるとバッテリーの性能低下は早まります。リチウムイオンバッテリーはフル充電に近い状態かつ高温下では劣化が進むため、炎天下のクルマのダッシュボードに長時間放置したりすると、容量レベルが低下します。深放電(過放電)が長く続いても劣化するので、バッテリー残量がゼロの状態で放置すべきではありません。

iOSの機能では、バッテリー容量やフル充電サイクル回数を調べることはできませんが、「iBackupBot」などのパソコン用ソフトを使えば調べることができます。バッテリーの性能低下を感じた場合には、利用するといいでしょう。

いずれにしても、性能が劣化したリチウムイオンバッテリーは交換するしかありません。2015年4月現在、iPhoneの保証対象外バッテリー修理サービス料金は全モデル共通の9,400円で、Apple Store直営店やApple正規サービスプロバイダから申し込むことができます。

iPhoneのバッテリー容量やフル充電サイクルは、「iBackupBot」などのパソコン用ソフトで調べることができます(画面はMac版)