NTTドコモは10日、同社が6月1日より提供する新料金プランを発表した。国内の音声通話を定額にする「カケホーダイ」、パケット通信のデータ通信量を家族間や同一法人間で分け合える「パケあえる」を導入した画期的なプランとなっており、現行の料金プランから大きく変化している。そこで本稿では、具体的にどのような使い方をしている人にとって新料金プランがお得になるのか、シミュレーションしながら現行プランとの比較を行いたい。

ドコモの新料金プランはここに注目!

まず、6月より提供されるドコモの新料金プランのポイントを簡単におさらいしておこう。

新料金プランの最大の特長は、何といってもスマートフォンやフィーチャーフォンの国内通話が定額となる「カケホーダイ」だ。スマートフォンの場合、現行プランでは、2年契約の「タイプXiにねん」は月額743円(以下、金額はすべて税抜)だが、無料通話分がなく、通話するごとに20円/30秒の通話料がかかる。これが新料金プランでは、2年契約により月額2,700円で国内通話が話し放題になり、これ以上、国内通話料は一切かからない。通話時間や回数に関係なく、月額2,700円の定額で音声通話を利用できるのがポイントだ。

また、データプランに関しては、月間のデータ通信量を1人または家族間でシェアできるパケットパックが導入される。1人向けには月間2GBまで使える「データSパック」、5GBまで使える「データMパック」が用意され、スマートフォンやタブレットなど複数端末で利用可能。また、家族向けには、それぞれ月間10・15・20・30GBまで使える各「シェアパック」が提供され、最大10回線で利用することができる。

そのほか、長期利用者向けの「ずっとドコモ割」、25歳以下のユーザーを対象とした「U25応援割」という割引サービスも提供される。

1人でスマホとタブレットを2台持ちする人のシミュレーション

それでは、具体的な使い方でシミュレーションし、現行プランと新料金プランを比較してみよう。まず取り上げるのは、1人でスマートフォンとタブレットを2台持ちしている人の利用料金だ。

1人でスマホとタブレットを2台持ちする人の新旧プラン比較

各プランは2年契約を基本として、MNPなどのキャンペーンの割引は考慮していない。また、通話する機会が多い人を想定し、現行プランでは、ドコモ間の通話が24時間無料になる割引サービス「Xiカケ・ホーダイ」を加えている。

現行プランと新料金プランで大きく異なるのが、パケット定額料だ。現行プランでは、スマートフォンとタブレットでそれぞれ「Xiパケ・ホーダイ フラット」(7GB)と「Xiデータプラン フラット にねん」(7GB)がどちらも月額5,700円かかるが、新料金プランでは、スマートフォンのみ「データMパック」(5GB)の月額5,000円がかかり、タブレットはシェアオプション料の月額500円だけとなっている。

データ通信量は現行プランよりも少なくなるが、スマートフォンとタブレットの2台持ちでどちらも月間7GBをフルで使うといったことはあまり考えられず、普通の使い方であれば2台で月間5GBをシェアするので十分と言えそうだ。なお、データ追加料金に関しては、現行プランが2,500円/2GBとなっているのに対し、新料金プランでは1,000円/1GBと値下げされている。

利用料金の合計は、現行プランが月額10,548円、新料金プランが月額10,500円であり、通話料を含めると新料金プランのシミュレーションのほうがお得になる。また、現行プランでは「プラスXi割」の2,861円割引が適用されているが、同割引は8月末で終了となるため、9月以降の利用料金では、さらに新料金プランのほうがお得になる計算だ。

さらに、新料金プランでは話し放題のため、基本料金以外に国内通話料は一切かからないが、現行プランでは他社携帯や固定電話に電話をかけた場合、20円/30秒の通話料がかかり、月々の利用料金はこれ以上になることが考えられる。そのため、スマートフォンとタブレットの2台持ちでは、新料金プランのほうがかなりお得になっていると言える。

両親と子どもの家族3人で利用するときのシミュレーション

次に、両親と子どもの家族3人でスマートフォンを利用するときの利用料金をシミュレーションしてみよう。なお、最初のシミュレーションと同様に、各プランは2年契約を基本として、MNPなどのキャンペーンの割引は考慮していない。また、通話する機会が多い人を想定し、現行プランでは、ドコモ間の通話が24時間無料になる割引サービス「Xiカケ・ホーダイ」を加えた。

家族3人でスマホを利用するときの新旧プラン比較

家族3人で利用するときも、現行プランと新料金プランで大きな違いになるのが、パケット定額料だ。現行プランでは、3人それぞれが「Xiパケ・ホーダイ フラット」(7GB)の月額5,700円が必要になるが、新料金プランでは、パケット定額料がかかるのは主回線である父親の回線のみで、母親と子どもはシェアオプション料の月額500円だけで済む。また、子どもが25歳以下であれば「U25応援割」の対象となり、「カケホーダイ」の基本料金が500円割引され、月額2,200円で利用できる。

新料金プランのパケットパックは、月額9,500円の「シェアパック10」(10GB)で計算しているが、データ通信量は月間10GBに加え、U25応援割で1GB追加されて合計で月間11GBをシェアすることが可能。1人あたり平均3GB以上のデータ通信量を利用できるため、これでも十分という人は多いだろう。なお、先述の通り、データ追加料金は、現行プランが2,500円/2GBであるのに対し、新料金プランでは1,000円/1GBと値下げされているため、データ通信を使い過ぎてしまった月も安心だ。

利用料金の合計は、現行プランが月額22,230円、新料金プランが月額19,000円と、新料金プランのシミュレーションのほうが毎月3,000円以上安くなる。さらに、新料金プランでは基本料金以外に国内通話料は一切かからないが、現行プランでは他社携帯や固定電話に電話をかけた場合、20円/30秒の通話料がかかる。

通話する機会が多い場合、利用料金の差はさらに大きくなることが予想され、家族3人でスマートフォンを利用する場合も、新料金プランのほうがかなりお得になると言えそうだ。

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ドコモの新料金プランについて、具体的な使い方をシミュレーションし、現行プランと比較してきた。国内通話が定額で話し放題となる新料金プランは、通話する機会が多い人であれば、まずお得になることが予想される。また、1人で複数端末を利用したり、家族みんなで利用するときにデータ通信量をシェアすることで、無駄なくパケット定額料を節約することができると言える。さらに、U25応援割やずっとドコモ割の対象であれば、より利用料金を抑えることが可能だ。

なお、NTTドコモのホームページでは「カケホーダイ&パケあえるかんたんシミュレーション」を提供しており、本稿で紹介したケース以外の様々な使い方で、新料金プランをシミュレーションすることができる。ドコモの契約者や、ドコモへの乗り換えを検討している人は、ぜひチェックしてみてはいかがだろうか。