9月20日に発売されたiPhone 5s/5cは、いまだに携帯電話の売れ筋ランキングの上位を独占するなど、売れ行きは絶好調のようだ。とりわけ、今回からNTTドコモがiPhoneの取り扱いを開始したことが注目を集めたが、調査会社カンター・ジャパンの10月度調査によれば、ドコモのスマートフォン購入者のうち61%がiPhoneを購入したという。また、全キャリアでは、スマートフォン購入者に占めるiPhone購入者の割合が76%までに達する結果になっており、ドコモのiPhone参入のインパクトがいかに大きかったかがわかる。

ドコモ版iPhoneでドコモサービスを使ってみた

ドコモ版iPhone 5s/5cを購入した人の中には、同社のAndroidスマートフォンやフィーチャーフォンから機種変更したというユーザーも多いだろう。それら機種変更ユーザーや、これからドコモ版iPhoneへの機種変更を検討している人にとって気になるのは、「これまで利用していたドコモのサービスが、iPhoneでも使えるのか?」という点だ。そこで本稿では、iPhoneでドコモの各サービスが使えるかを検証。特に月額525円の見放題の動画配信サービス「dビデオ」の使い勝手を紹介していく。

「dマーケット」の各サービスはiPhoneでも利用可能

ドコモのスマートフォン向けサービスで中心となるのが、様々なコンテンツサービスを揃えた「dマーケット」だ。dマーケットは10月1日よりiPhoneに対応しており、各種サービスも順次利用できるようになっている。ドコモのAndroidスマートフォンでは、dマーケットアプリがプリインストールされているが、ドコモ版iPhoneでは、WebブラウザのSafariからdマーケットのWebサイトにアクセスして利用可能だ。

dマーケット内のファッション通販サイト「d fashion」は、Safariから利用可能

「dミュージック」では、アルバムやシングルなどの楽曲購入ができる

たとえば、10月30日から提供開始されたファッション通販サイト「d fashion」もiPhoneから利用できるほか、日用品をはじめとする様々なショッピングができる「dショッピング」、楽曲を購入できる「dミュージック」、電子書籍ストアの「dブック」もiPhoneに対応している。また、ドコモの各サービスのiPhoneアプリも提供されており、App Storeからダウンロード可能。先述のdミュージック、dブックのアプリでは、Safariから購入でコンテンツのほか、以前の機種で購入したコンテンツもダウンロードして、再生・閲覧することができる。

App Storeからドコモサービスのアプリをダウンロード可能

dマーケットのサービス以外にもiPhoneアプリが提供されており、中でもユニークなのが11月8日より提供開始された音声アシスタント機能アプリの「しゃべってコンシェル」だ。ドコモのAndroidスマートフォンではおなじみの機能で、ヒツジのキャラクターに話しかけることで、乗換検索や飲食店・施設の検索、天気やレシピなどの情報を調べることが可能。また、「@docomo.ne.jp」のメールアドレスが使える「spモードメール」は10月1日より利用可能となっているほか、12月中旬にはクラウド型の新メールサービス「ドコモメール」がiPhoneに対応予定となっている。

ヒツジのキャラクターに話しかけて乗換検索などができる

質問をすると、インターネット上の情報を調べて回答を教えてくれる

定額見放題の動画サービス「dビデオ」もiPhoneに対応

ここからは、ドコモ版iPhoneで「dビデオ」が使えるかを検証していく。前述の通り、dマーケットの中でも、特に人気となっているのが、定額制動画配信サービスの「dビデオ」だ。国内外の映画やドラマ、アニメ、音楽、BeeTVオリジナル番組などの約18,000タイトル以上が月額525円ですべて見放題で楽しめる。会員数は約450万人で、定額制の動画配信サービスとしては国内最大規模だ。

定額制動画配信サービス「dビデオ」のiPhoneアプリ

dビデオのiPhoneアプリは、10月10日より提供開始されており、App Storeからダウンロード可能。利用にはログインが必要となり、以前の機種でdビデオを利用していた場合には、アプリ画面の[新規会員登録/ログイン]ボタンからdocomo IDとパスワードを入力するだけで利用を開始できる。また、アプリから新規会員登録することもできる。

映画やドラマなど、各カテゴリのランキングなどから作品を探せる

フィーチャーフォンでもおなじみの「BeeTV」のオリジナル動画も視聴可能

視聴したい作品を探す際は、ジャンル選択のほかキーワード検索やランキング、特集などからタイトルを一覧することが可能。タイトルを選択し、[本編を視聴する]ボタンなどをタップすれば、動画の再生が開始される。なお、iPhone版のdビデオでは、ストリーミング再生のみに対応。画質は通信環境に応じて自動で選択されるようになっている。

[本編を視聴する]ボタンから再生できる。また、[あとで見る]ボタンからマイリストへの登録が可能

マイリストに登録した作品や、途中まで見たドラマなどをすばやく視聴できる

また、各作品の画面で[あとで見る]ボタンをタップすれば、作品を「マイリスト」に登録することが可能。その場では視聴している余裕がなく、あとからじっくり鑑賞したいときに最適だ。また、マイリストには、視聴したドラマや映画なども自動的に追加され、続きをすばやく視聴することができる。

なお、ドコモ版iPhoneでdビデオを利用している場合も、Androidスマートフォンと同様にマルチデバイスでの視聴が可能となっている。iPhoneのほかに、「dtab」「Nexus 7」などのWi-Fiタブレット、パソコンなどでもdビデオを視聴できる。また、スティック型端末「dstick」を別途購入すれば、テレビに接続して大画面でdビデオを視聴することが可能だ。

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iPhoneでのドコモサービスの対応状況を見てきた。各種コンテンツサービスを揃えた「dマーケット」をはじめとして、多くのサービスがすでにiPhoneに対応し、利用可能となっている。とりわけ、定額制の動画配信サービス「dビデオ」はiPhoneでも注目のサービスだ。約18,000タイトル以上の映画やドラマなどを月額525円で見放題で楽しめるほか、マルチデバイスにも対応し、パソコンやタブレット、テレビなどでも視聴することができる。これまでドコモのスマホでdビデオを使っていた人はiPhoneでも従来通りのサービスが利用可能だ。もちろん、MNP(携帯電話番号ポータビリティー)や新規契約でドコモ版iPhoneに乗り換えたユーザーにもオススメだ。

様々なドコモサービスがiPhoneでも利用できるようになった今、それらのサービスが使えるかどうか不安でドコモ版iPhone 5s/5cへの機種変更をためらっていた人にとっては、まさに今が買い換え時と言えるかもしれない。