11月1日に発売されたiPad Airは、日本をはじめ世界各国で早くも人気端末となっている。ほぼ1年おきに新モデルが発表されているiPadだが、これほどまでにiPad Airが人気を集めている背景には、従来モデルと比べて軽く、薄く進化したことがありそうだ。前モデルにあたる第4世代のiPad Retinaディスプレイモデルと比べ、重さは183g軽くなって469gに、厚さは1.9mm薄くなって7.5mmになったほか、iPad mini同様にベゼルが細いデザインとなり、横幅もスリムになっている。もちろん、画面サイズは9.7インチのままで変わらず、高精細なRetinaディスプレイを搭載。このほか、CPUも64ビットのA7プロセッサ搭載と進化している。

セルラー版iPad Airを安く、おトクに利用する方法とは?

従来よりも軽く、薄くなり、より持ち歩きやすくなったiPad Airの購入を検討している人にとって、悩みの種となりそうなのが、iPad AirはWi-Fi版とWi-Fi+Cellular版(セルラー版)のどちらを購入するべきか、ということだ。外出先でiPad Airを使用する際、Wi-Fi版の場合はWi-Fiスポットを探すか、モバイルルーターなどを併用するなどの方法があるが、別の通信端末を持ち歩くことや、モバイルルーターの電源を入れるなどの一手間が必要であることから面倒に感じることも多い。一方、セルラー版は月々の利用料金が必要となるものの、スマートフォンと同様にモバイルネットワークを利用し、シームレスに接続できて便利だ。

マイナビニュースが実施したタブレットユーザーを対象とした意識調査でも、Wi-Fi版ユーザーの61%がネットワーク接続に不満を持っており、そのうちの55.7%がセルラー版に買い替えたいと考えていることが明らかになった。そこで本稿では、セルラー版iPad Airを安く、おトクに利用するにはどのような方法があるのかについて、各社キャンペーンとあわせて見ていきたい。

セルラー版iPad AirはソフトバンクとKDDIが販売

日本では、セルラー版iPad AirはソフトバンクとKDDIより販売されている。まず、端末の販売価格は両キャリアとも同額で、16GBが65,520円、32GBが75,600円、64GBが85,680円、128GBが95,760円。また、利用料金も同額となっており、定額制プランの場合、2年間のパケット定額料が5,460円/月で、そこにインターネット接続料の315円/月が加わった合計5,775円/月が標準的な料金プランとなっている。

端末代金を分割する場合、上記に分割支払金が加わり、24回での分割支払金は16GBが2,730円/月、32GBが3,150円/月、64GBが3,570円/月、128GBが3,990円/月となる。ただし、「月月割」や「毎月割」といった購入サポートの割引があるため、2年間利用した場合の端末代金の実質負担額は16GBが280円/月、32GBが680円/月、64GBが1,060円/月、128GBが1,445円/月となっている。

キャンペーンではどちらがおトクか!?

iPad Airの利用料金を安く抑えるために活用したいのが、両キャリアが提供するキャンペーンだ。ソフトバンクでは、4G/4G LTE対応スマートフォンを利用しているユーザーが、iPad Airをはじめとする4G LTE対応iPadを契約すると、iPadのパケット定額料が最大2年間1,050円/月になる「タブレットセット割」を提供している。さらに同サービスでは、今ならスマートフォン、iPad共に月間7GBのデータ容量を利用できる。なお、3年目以降のパケット定額料は2,992円/月となる。

KDDIでも、スマートフォンとのセットでiPadを安く利用できる「先取り!データシェアキャンペーン」を提供している。額も内容もソフトバンクと同等で、4G LTEスマートフォン(LTEフラット加入)を利用しているユーザーが、「スマホセット割」に加入すれば、iPadを含むタブレットのパケット定額料が最大2年間1,050円/月(3年目以降は2,992円/月)となる。だがこれは6月以降に始まる「データシェア」サービスに申し込むことが条件で、「データシェア」へ移行後は2,992円/月でスマートフォンのデータ容量7GBとタブレットの2GBの合計9GBをスマートフォンとタブレットでシェアできるようになる。

現在、旧モデルのiPadを所有している人であれば、下取りを利用してiPad Airの購入代金や利用料金の足しにするというのも一つの方法だろう。ソフトバンク、KDDIともに旧モデルのiPadの下取りキャンペーンを実施しており、セルラー版だけでなくWi-Fi版も対象となっているが、両社の下取り額には開きがあるので注意が必要だ。

たとえば、セルラー版iPad Retinaディスプレイモデル 128GBの場合、ソフトバンクの下取り額は27,000円となるのに対し、KDDIの下取り額は18,000円となり、ソフトバンクの下取り額のほうが9,000円高い。また、Wi-Fi版iPad Retinaディスプレイモデル 128GBの場合、ソフトバンクの下取り額は25,000円、KDDIの下取り額は14,700円となり、こちらはソフトバンクのほうが1万円以上も高くなっている。なお、ソフトバンクでは毎月の利用料金から直接下取り金額が割り引かれることになるが、KDDIでは相当額のauポイントの付与という形であり、購入する機種代金の値引きに利用することになる。

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ソフトバンクとKDDIのセルラー版iPad Airを比較した場合、端末価格や利用料金、スマートフォンとのセット割といったキャンペーンでは、両社ほぼ同様の内容となっている。しかし、旧モデルiPadの下取り額を見てみると、ソフトバンクのほうが高くなっている。

とはいえ、ソフトバンク、KDDIともにiPad Airのパケット定額料が1,050円/月で利用できるキャンペーンは非常に魅力的だと言える。現在、Wi-Fi版iPadを利用している人であっても、月々の負担が一気に増えることなく、セルラー版iPad Airでいつでもインターネットを楽しめるようになるだろう。Wi-Fi版の旧モデルiPadから買い替えたいと思っている人は、下取り額もチェックしながら、セルラー版iPad Air購入を検討してみてはいかがだろうか。