消防防災に関する国内最大級の展示会「東京国際消防防災展2013」が東京ビックサイトで開催されている。山形カシオでは、水中で会話が行えるダイブトランシーバー「Logosease(ロゴシーズ)」のレスキュー仕様モデルを、販売代理店である日本アクアラングのブースにて展示していた。

東京ビックサイトで「東京国際消防防災展2013」が開催中。会期は2013年10月5日まで

ロゴシーズとは?

2013年1月に発売されたロゴシーズは、レジャーでスクーバダイビングを楽しむダイバーに向けて開発された、ダイブトランシーバー。一般的な水中マスクに装着し、レギュレータをくわえたまま、水中で音声会話できる。発売以来、海を楽しむ一般ユーザーから高い支持を得ているという。

話し手の声は骨伝導マイクで拾い、それを超音波で送信するという仕組み。聞き手も骨伝導スピーカーで相手の声を聞く。同時に複数人と会話を行えるのも大きな魅力。仕様上は水深55mの深さまで利用できる。製品の重さは約107gと軽量なので、「水中に入ってしまうとほとんど重さを感じない」(説明員)とのことだ。

水中で会話ができる小型の無線機ロゴシーズ。市販モデルとレスキュー仕様モデルのデザインは共通。水中マスクにクリップを挟んで使用する

本体下部にはセンサーを設置。水を検知すると電源が入り、水上に出ると1分で電源が切れる。ボタン類が一切ないので、陥没などに起因する防水機能の破損がなく、ケーブルがないので断線の心配もない。シンプルな形状は、メンテナンスも簡単だという。

上端にはストラップホルダーを配置、下端にはUSB・充電端子部を備える。背面の上部には骨伝導スピーカーを、下部には骨伝導マイクを内蔵する

ちなみに、説明員に「レギュレータをくわえたままで、本当に喋れるもの?」という素朴な疑問をぶつけてみたところ、レギュレータを前歯の辺りでくわえれば会話が可能だという。実際に水中での会話を録音したものを聞かせてもらったが、言葉が明瞭に聞き取れた。

レスキュー仕様モデルのロゴシーズが登場

山形カシオが2013年11月下旬より発売するのは、レスキュー仕様モデルのロゴシーズ「LGS-RG004-SAR」だ。消防庁 / 海上保安庁/ 警察庁などの官公庁向けに提供され、水難救助隊などで使われる。一般ダイバー向けの市販モデルをベースに、水中での音声通信出力を高めている。実質通話距離は水中で最大150mとなっており、これは市販モデルの1.5倍に相当するという。

SAR(Search and Rescue)のロゴが入った、レスキュー仕様モデルのロゴシーズ「LGS-RG004-SAR」。価格は79,800円(税込83,790円)。電源は内蔵バッテリで、約2時間の充電で約3時間使用できる

また、陸上機「LGS-SS001-SAR」も同時にリリースする。これは陸上や船上にいる隊員が、水中にいるダイバーに向けて、作業状況の確認や指示を伝えるときに使用する。

ダイバーと会話をするための陸上機「LGS-SS001-SAR」。黒いケーブルの先端にあるアンテナを水中に垂らして使用する。価格は260,000円(税込273,000円)

従来の水難救助隊用の装備は重く、費用もかかっていた。ロゴシーズ「LGS-RG004-SAR」であれば、通信系の費用を5分の1に抑えられ、重量も軽く、メンテナンスも楽。ひいては隊員のストレスも減らせる。上記の官公庁からは、ロゴシーズ「LGS-RG004-SAR」と陸上機「LGS-SS001-SAR」をセットで販売して欲しいという要望を多くもらっているとのことだった。

山形カシオでは、レジャーでのスクーバダイビングに加えて、全国の消防・警察の水難救助隊をはじめとする水中の特殊業務用にロゴシーズを展開し、水中で活動するすべてダイバーをサポートしていくとしている。