イードが運営するIT総合ニュースサイト「RBB TODAY」が、携帯電話サービスを提供する通信キャリア3社(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイル)のネットワーク速度の調査結果をまとめたレポートを8月28日より公開している。
同調査は、スマートフォン向けのスピード測定アプリ「RBB TODAY SPEED TEST」のユーザーが計測したデータを基にしたもの。同アプリはRBB TODAYがPC向けに提供している通信速度計測サービス「speed.rbbtoday.com」のノウハウをもとに開発。ダウンロード数は約50万とのこと。
今回公開されたレポートは、2013年4月1日か6月30日までに「RBB TODAY SPEED TEST」で収集した実測データを集計。キャリア別に見た東名阪の平均スピードの比較、LTE対応のiOSとAndroid端末によるLTE接続率、平均スピード分布を比較分析したもの。イードのWebサイトで、レポート全文を確認できる(PDFファイル)。
同レポートによると、3キャリアのLTE接続率(計測時にLTEで計れる確率を%で示した値)・平均スピード分布では、47都道府県中41カ所でKDDIが優勢だったという。詳細は次の通りだ。
47都道府県でLTE接続率・スピード分布を比較、KDDIがトップに
計測値(データ)が多い関東、中部、関西地域において平均スピードを比較したところ、LTEでは、KDDIが最も高速であることが分かった。LTEの速度についてもKDDIが最速で関東が13.6Mbps、中部が16.4Mbps、関西が14.4Mbpsだった。また、同社が2013年3月に実施した同様の分析と比較すると、「NTTドコモとKDDIの数値が急伸している」ことが判るという。
また、日本全国のLTE接続率をOS別に比較したところ、最もLTEに接続できたのはKDDIのAndroid。99.1%とほぼすべてのエリアでLTE通信が利用できた。一方、ドコモのAndroidとソフトバンクモバイルのiOSはともに84%台と拮抗した。
このほか、8Mbps以上の高速な環境で接続される割合も調査。結果はKDDIのAndroidが82.3%、ソフトバンクモバイルのAndroidが70.8%、docomoのAndroidが51.8%で、こちらもKDDIのAndroidがトップだった。16Mbpsで接続する確率についてもKDDIがトップで53.8%。ソフトバンクモバイルのAndroidは44.2%、ドコモのAndroidが25.5%だった。
なお、KDDIのAndroidのLTE接続率は、各都道府県別で見た場合も総じて90%以上をキープ。全国とほぼ同様の結果となった。さらに8Mbps以上の通信の割合についても、日本全国での比較と同様で、KDDIのAndroidが最も高かった。
今回の調査では、47都道府県のほとんでKDDIがトップを獲得した。同レポートでは、総評で「障害物を回り込み、高い電波浸透度が特徴の800MHz帯のプラチナバンドで構成されたLTEの整備の差が本分析レポートの結果にも表れている」とまとめている。
また、KDDIが現在Android向けに提供している「800MHz帯のプラチナバンドで構成されたLTEネットワークの高速化が進んでいる」と分析。一方で、KDDIと同様に800MHz帯でLTEを提供するNTTドコモについては、「KDDIと比べると接続率のアベレージが低く、エリアによってもムラがありそうだ」としている。