MM総研は10月4日、先日発売された米Appleのスマートフォン「iPhone 5」の購入状況を含めたスマートフォン購入実態についての調査結果を公開。9月14日以降のスマートフォン購入シェアのトップはソフトバンク版iPhone 5であることがわかった。
なお同調査は、iPhone 5の予約開始日の9月14日以降にスマートフォンを購入・予約した1500人、今後3カ月以内にスマートフォンを購入する意向を示した1023人が対象。Webアンケート形式で、9月27日から10月1日まで実施したものとなる。
iPhone 5のキャリア別人気はソフトバンクに軍配
MM総研が先日発表した「iPhone 5購入意向に関する実態調査」では、選択予定のキャリアはソフトバンク53.3%、auが46.7%となっていたが、今回の調査で実際に購入・予約したのは、ソフトバンクが63.9%、auが36.1%。よりソフトバンクがauに差を付けていることがわかった。
また、ソフトバンクの購入比率が高まっている要因として、9月19日に発表したテザリングなどのオプションプランの追加、購入者が使用していたスマートフォンを下取りしてiPhone 5を購入できる「スマホ下取りプログラム」の対象機種拡充および割引額の増加を挙げている。
au版iPhone 5は他キャリアからの乗り換えが多い
また購入・予約者(1500人)に購入形式について質問したところ、「(同じキャリアの)機種変更」が全体の82.7%となった。この中で「auのiPhone 5」は、「NTTドコモから乗り換え」が16.7%、「ソフトバンクから乗り換え」が17.1%という結果となり、他キャリアからの移動が多いことが判明した。一方、「ソフトバンク iPhone 5」は「機種変更」が91.2%となり、既存のソフトバンク版iPhone利用者のiPhone 5への買い替えが進んでいることがわかった。
なお、テザリングオプションの契約状況についての質問では、iPhone 5購入・予約者の53.4%(746人のうち398人)が「テザリングオプション契約(予定含む)」と回答。ソフトバンク iPhone 5の購入・予約者(477人)の33.1%が「スマホ下取りプログラムを利用(予定含む)」(158人)すると答えていることがわかった。
購入意向者の約6割がソフトバンクiPhone 5を支持
このほか同調査では、購入意向者(1023人)に今後購入したい各スマートフォンOSについても質問している。結果は「購入したい」「検討したい」を合わせた購入意向は、「iOS(iPhone)」が85.2%(872人)、「Android」が62.3%(637人)、「Windows」が46.9%(480人)、「BlackBerry」が25.2%(258人)の順となった。
また、iOSに購入意向を示した回答者(873人)にauとソフトバンクのiPhone 5について、最新の料金プランやキャンペーン情報(9月27日時点)を提示し、どちらを購入したいか聞いたところ、次の回答を得た。「ソフトバンクのiPhone 5を購入したい」が58.9%、「auのiPhone 5を購入したい」が41.1%で、実際の購入・予約者同様にソフトバンクが優勢。
この中で、ソフトバンクのiPhone 5を選ぶ理由として挙げられているのが次の項目だ。「現在利用している携帯電話会社だから」(46.3%)、「iPhoneのイメージが強いから」(36.8%)、「家族と同じ携帯電話会社だから」(23.6%)、「下取りプログラムによる買いやすさ」(22.0%)、「キャンペーンによる買いやすさ」(18.7%)。
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同調査では、ソフトバンクがiPhone 5の提供キャリアとして支持される傾向があることがわかった。その理由についてMM総研では、「iPhoneといえばソフトバンク」といったイメージに加え、下取りプログラムや新規獲得や既存顧客向けの各種キャンペーンが効果的に作用したため、としている。一方、au支持者の理由については「テザリングの開始時期を含めた電波の強み」が作用したと分析している。
なお、ソフトバンクは10月1日にイーアクセスの完全子会社化を発表した。iPhone5は、ソフトバンクやKDDIが持つ2.1GHz帯だけでなく、イーアクセスが持つ1.7GHz帯周波数のLTEに対応しているため、ソフトバンクユーザーはこれにより2つのLTE周波数帯を利用できるようになる。また、LTE対応基地局の数が3万局(2013年3月予定)になるなどソフトバンク版iPhone 5のLTEエリアの拡充が期待される。今後ますますソフトバンク版iPhone 5の人気に拍車がかかりそうだ。