第6世代を数えるiPhone、「iPhone 5」がついに発売された。スマートフォンにしてスマートフォンにあらず、人間の感覚に訴えかける操作性とAppleのDNAを感じさせるデザインは、競合製品の追随を許さない。そのiPhone 5を実際に購入し、あれこれテストした結果をお伝えしたい。

iPhone 5でココに注目

2008年6月に登場のiPhone 3G以来、2009年のiPhone 3GS、2010年のiPhone 4と、毎年6月/1年おきに新機種が投入されてきたiPhone。次のiPhone 4Sは2011年10月の発売とタイムラグが発生したが、今回のiPhone 5もほぼ1年ぶりの9月下旬に発売の運びとなった。その意味では、予想されていたモデルチェンジだ。

10月発売説が有力視されていただけあって、まことしやかな情報が飛び交っていたことも確か。いわく、タッチスクリーンが従来より縦長になる。いわく、Dockコネクタが小型化される。またいわく、NFCチップが搭載される。残念ながら最後に挙げたNFCは実現されなかったが、前の2つはズバリ的中した格好だ。

21日の発売日当日、auショップで購入した「iPhone 5」(ブラック&スレート/16GB)

本体高さが8.6mm増えたため、手のひらにジャストフィットしていた従来モデルに比べると若干はみ出し気味

今度のiPhoneにおける最大の変化は、やはり3.5インチから4インチへと拡大されたRetinaディスプレイだ。縦長となったぶん、1画面あたり配置可能なアイコンの数が従来の4×5(20個)から4×6(24個)となり、1行増えた。1画面の画素数は、iPhone 4Sの960×640(約61.4万)ピクセルから1,136×640(約72.7万)ピクセルへと約18%増加、176ピクセル縦長となっている。

実際、iPhone 5における画素数の増加は、予想以上のインパクトがある。画面のアスペクト比は16:9(従来は3:2)となり、一般的な薄型テレビと同じになった。これで、水平方向に持てば、レターボックス(動画の一部を切り出すか黒塗り領域を足すリサイズ方法)にすることなく、撮影したムービーを再生できる。……続きを読む

iPhone 5のホーム画面。1画面に表示可能なアイコン(Dock含む)が4×5行=20個から4×6行=24個に増えている

iPhone 5(左)とiPhone 4S(右)で撮影したSafariのスクリーンショット。縦方向に176ピクセル増えたぶん、テキストの分量が増している

iPhone 4Sのスクリーンは一回り小さい