NECは11日、7インチの新型Androidタブレット「MEDIAS TAB UL N-08D」のメディア向け新商品体感イベントを都内で開催した。同イベントでは開発の背景について説明が行われ、開発に当たってこめた3つの思いについて明かし、同時にタッチ&トライイベントも実施された。当日の模様をお伝えしよう。

「MEDIAS TAB UL N-08D」を手に

「MEDIAS TAB UL N-08D」はNECが開発した7インチディスプレイを搭載したAndroidタブレット。薄型軽量が特徴で、6インチ以上の液晶タブレットにおいて、世界最軽量と謳われている端末だ。その重量は約249g、厚さは7.9mmである。NECではこの春に同じく7インチサイズの「MEDIAS TAB N-06D」をリリースしているが、それよりも100g軽量化したタブレットになっている。

開発を進める中で起点となったのは、「なぜタブレットは購入されないのか」という点。同社ではそこについて探り、「MEDIAS TAB UL N-08D」に3つの思いを込めて作り上げたという。

開発に当たって込めた3つの思い

NECの山品正勝パーソナルソリューション事業開発本部長

その思いとは何か。同社の山品正勝パーソナルソリューション事業開発本部長は、「タブレットの使い方を変える」「エンターテインメントを変える」「Face to Faceのコミュニケーションを変える」を挙げた。

同氏の挙げた思いを実現する技術や機能について解説しよう。まずは「タブレットの使い方を変える」について。タブレットの使い方を変えるには、重量やディスプレイサイズが極めて重要になる。同社でもどこでも持ち歩けるダントツの軽さが必要と判断し、コミック本の重さが約250gであることを参考に、本体重量を250g以内に抑えることになった。この重量を達成するために、筐体には東レのカーボンファイバーを採用したのだという。「(筐体に採用するには)非常に難しい素材だったが、軽量化を達成するとともに強度も向上した」(山品氏)。

一方、液晶サイズについては、初めから7インチであると決まっていたわけではなかった。モバイル環境で最も臨場感が得られるサイズは何インチなのかを視野角などを計算しながら探っていったところ、落ち着いたのが7インチだったという。

MEDIAS TAB UL N-08D

背面

厚さは7.9mm

片手で持つことも可能

次に「エンターテインメントを変える」について。これは、Immersion社のHDハプティクス(振動)技術を採用し、視覚、聴覚で楽しむ端末から「触覚」という要素を加えることで、臨場感を高めてエンターテインメントを変えようという試みだ。たとえば、HDハプティクスを用いることで、ゲームプレイ中や動画再生中に、最適な場面でカーボンファイバー筐体に振動を加えて臨場感を高めることができる。これによって、ゲームであればBGMや効果音に連動して、振動をユーザーに与えることで臨場感を出すことが可能になるというわけだ。

なお、このHDハプティクス対応アプリはウェブサイトの「タブレットアプリファン」で「ハプティクスアプリ特集」として紹介されている。

ハプティクス技術により端末を下に向けるとサイコロが画面下部に落ち画面下部が振動

ハプティクスアプリ特集

最後が「Face to Faceコミュニケーションを変える」について。これは体験や感情を共有し、視覚・触覚による感性コミュニケーションの実現を目指すというもの。具体例として、撮影感覚約0.3秒の瞬撮カメラ技術などを用いながらも、写真を撮影した写真をその場にいる人にダイレクトに共有するメディアシェア機能も備えているということである。

このほかのサービス面においても、同端末や「dマーケット」や「しゃべってコンシェル」などドコモ提供のサービスにも対応し、9月下旬からスタートする写真・動画のストレージサービス「フォトコレクション」も使うことができる。

軽さを追求し、家で使う端末から、持ち運び可能なモバイル端末として完成した「MEDIAS TAB UL N-08D」。NECが狙ったとおりの端末になっているのか。次のページではタッチ&トライで感じた率直な感想を述べていこう。