NTTドコモは16日、2012年夏モデルの発表に加えて、ネットワークサービス「ドコモクラウド」を発表した。同サービスは、従来のクラウドサービスの「本格展開」との位置づけで、Xiネットワーク、スマートフォンと組み合わせることで、同社ならではのサービスとして提供する。

スマートフォンに加え、ドコモクラウドの本格展開で独自色を打ち出す

土管化を避けるクラウドサービス

常々山田社長は「土管屋にならない」ことを強調してきた。キャリアが通信部分だけを提供し、その上でサービスや端末を他社が提供するようになると、ドコモのキャリアとしてのビジネスモデルが成り立たないことという主張だ。

山田隆持社長(中央)。左はCMキャラクターの堀北真希さん、右は同じく渡辺謙さん

それを実現するため、同社では「中期ビジョン2015」として「パーソナルクラウド」「ビジネスクラウド」「ネットワーククラウド」を提供する戦略を示している。クラウドサービスによって「ドコモのネットワーク」で「ドコモのサービス」を「端末を問わず提供する」という戦略で、これを「ドコモクラウド」として強化していく。

ネットワークだけを提供する「土管」に対して、クラウドサービスを提供することで、端末をとサービスを利用できる

3つのクラウドサービスを提供していく

すでに「しゃべってコンシェル」などのクラウドサービスを提供。クラウド側で音声認識などの高度な処理を行うことで、「端末を問わず魅力的な機能を実現でき、ネットワークの土管化をぜひ避けたい」(同)考えだ。

しゃべってコンシェルは、声で機能を実行したり、声で検索を行ったりできるサービスだが、6月からは機能を追加し、声で質問されたことに対して、回答を推定し、「適切な検索結果を表示」するのではなく、検索結果から「適切な回答を直接表示する」ことを実現する。例えば「富士山の高さは? 」と質問された場合、回答が載っているWebサイトを表示するのではなく、「3,776m」を回答する、といった具合だ。

しゃべってコンシェルに機能を追加

しゃべってコンシェルの画面。ここから音声で質問をする

「世界の珍味といえば」という質問に対して「フォアグラ」と回答

ほかにもこんな質問例が紹介されていた。「世界で一番高い山は?」の質問には「エベレスト」との回答