カシオ計算機ブースのテーマは「テクノロジーとエコロジーの調和」。同社では、1993年から、環境適合商品を体系化し促進するために「製品アセスメント評価」を開始。基準を満たした商品を「カシオグリーン商品」として認定してきた。
さらに、2009年度からはカシオグリーン商品の中でも特に優れているものを「グリーンスター商品」として認定。現在、全製品のうち約15%をグリーンスター認定商品が占めるまでになっている。ただし、グリーンスター認定商品といっても、環境対策への手法はさまざまだ。カシオ計算機ブースでは、さまざまなグリーンスター認定商品で、どのような方法で環境対策を行っているのか、そしてその効果はといった点を中心とした展示を行っている。
小型化と電池の大容量化で、撮影枚数を伸ばす「EXILIM」
同社のデジタルカメラ「EXILIM」シリーズでは、「EX-H20G」「EX-S200」などがグリーンスター認定商品。デジタルカメラでの低消費電力化は、1つのバッテリーでの撮影枚数の増大につながるため、我々ユーザーにも興味があるところだ。EXILIMでは、回路設計の小型化によって、低消費電力化を推進。2008年に発売された「EX-Z200」を2009年に発売された「EX-H10」と比較すると、1枚あたりの消費電力は、12.03mWhから7.22mWhへと約40%削減。さらに、バッテリー容量の増大により、撮影可能枚数は400枚から1,000枚へと増大している。
待機電力1Wを切るページプリンター「GE5000」
ページプリンターは、ヒーターを温める必要から、待機電力をなかなか下げにくい製品だ。待機電力を下げると、トナーが溶ける温度になるまで印刷できず、ファーストプリントに時間がかかるということになる。GE5000では、使用しているトナーの溶ける温度を下げることと、ヒーターの熱効率を上げることで、低待機電力と、高速スタートとを両立している。さらに、印刷枚数が1~2枚の場合には、その枚数の印刷で必要な分だけしか熱を加えずに、プリントをスタート。また、多くの枚数を印刷する場合には、最初の1~2枚を印刷している間に、ヒーターを温め、高速印刷を実現する。これらの判断は、プリンターに送られてきた印刷データから自動的に行われる。
ほとんど消費電力のない製品「電波ソーラー」
腕時計は、サイズによる制限のため、もともと、非常に小さな電力で動作することが求められている機器だ。たいていの製品は、1つのボタン電池で、1年程度は動作する。その腕時計をさらに省電力化するために同社が採用したのが、ソーラーシステム。
電波ソーラーのコーナーには「EDIFICE」シリーズの「EQS-500DB-1A1JF」による発電量を、リアルタイムで表示するコーナーを設置。発電量は約5μA程度となっているが、同社によると、これだけで時計の動作には十分とのことだ。もちろん電波ソーラーにも電池は内蔵されており、定期的に交換が必要ではあるが、それは電池の容量がなくなるためではなく、充電/放電を繰り返すことによる劣化のため。
また、その隣には、「SKY COCKPIT」シリーズの「GW-3000B-1AJF」を分解展示。外見からは見えにくい文字盤の内側に配置されたソーラーセルの姿を確認することができる。