東京電力は3月22日、東京電力サービスエリア内の電力需給が極めて厳しい状態となっており、このままの電気使用状況が続くと、同日20時以降に200万~300万軒規模の停電が発生のおそれがあると告知。さらなる節電への協力を呼びかけている。

【更新・追記】経済産業省は、東京電力および東北電力の管内で出していた需給ひっ迫警報を解除した。詳細は別記事を参照のこと。(3月23日 11:40)

  • 東京電力パワーグリッド「でんき予報」より

8時以降、節電の目標とする需要に対して想定需要が大幅に上回る状況が続いており、14時台の節電効果は66%(284万kW)だが、目標未達が34%(147kW)となっている。既報の通り、東電では稼働状態の発電所に加え、揚水発電所を動かして電力供給を補っている。

揚水式水力発電は、夜間に汲み上げておいた上部調整池の水を下部調整池に流して発電する仕組みで、流せる水量は火力発電所における燃料(ガス、石油)に相当する。この水量がなくなると揚水発電の運転が停まる。15時時点の発電可能量は残り53%で、節電目標の数値(60%)を下回っている。なお、1%は一般家庭10万世帯1日分の電力消費量に相当するとのこと。

東電は20時以降、揚水式水力発電の運転が停止し、約500万kW(200万~300万軒規模)の停電が発生するおそれがあると説明。毎時200万kW程度の節電が必要であり、もう一段のさらなる節電への協力を呼びかけている。

【3月22日20時50分追記】

22日17時以降、揚水発電を含む供給力の計画値に対して、電力需要実績が下回るようになった。19時台の実績は90%(供給力4,568万kW、実績値4,152万kW)。20時時点の揚水発電の発電可能量は残り32%で、節電目標の26%まで若干の余力を残している。

ただし、電力需給ひっ迫の状態は継続しており、東京電力では上部調整池の水の使用量節約のため、引き続き節電への協力を呼びかけている。