• Anker Charging Dock for Oculus Quest 2。充電ストレスから解放しVRへの出入りをスムーズにしてくれるこの充電ドック、次期Oculus Questでは同梱すべきアイテムといえます

Oculus Quest 2」はFacebookのスタンドアローン型VRデバイスの第3世代モデル。SoCを「Qualcomm Snapdragon XR2」にアップグレードし、メモリ、ストレージを増量。さらにディスプレイを高解像度化&高速化。スペックを向上させつつ、64GBモデルが37,180円、256GBモデルが49,280円と低価格化されたこともトピックでした。

筆者はOculus Quest 2を購入し、日々VR空間にダイブしていますが、数少ない不満のひとつが充電の面倒さ。最新スマホとは違いワイヤレス充電はできず、またコントローラーの電池残量も別途気にしなければならないのが億劫です。それをサクッと解決してくれたのが専用充電ドック「Anker Charging Dock for Oculus Quest 2」(9,990円)。6月15日に発売された本製品をじっくり使ってみたので、ナイスなところ、ビミョーなところ、ワガママ言わせてもらいたいところをレビューしていきます。

なお、製品販売サイトやプレスリリースに「Oculus Quest 2 Eliteストラップを付けたままでは充電できません(もしくはお使いいただけません)。本製品をご利用の際は必ず外してからご収納ください。」と記載されていましたが、筆者がAnkerに問い合わせたところ使えないのは「Oculus Quest 2 Eliteストラップ バッテリー」で、「Oculus Quest 2 Eliteストラップ」は使えるとの回答を得られました。

本記事のダイジェスト
■Anker Charging Dockのナイスなところ
・セットアップは簡単。注意するのはコントローラーの接点だけ
・ほぼ置くだけ充電。充電を意識する必要なし
・充電インジケーターがわかりやすい
■Anker Charging Dockのビミョーなところ
・意外と置く場所に悩む
・Oculus Linkするときに磁気USB-Cプラグをはずす必要がある
・充電式電池を単体で買えない
■Anker Charging Dockにワガママ言わせてもらいたいところ
・壁掛けしたいなあ

「Oculus Ready」が取得されているので安心

本製品「Anker Charging Dock for Oculus Quest 2」は、Oculus Quest 2用の充電ドック。Oculus Quest 2および付属コントローラーには充電用パーツを取り付けることで、「ほぼ」置くだけ充電を可能にします(ほぼ……の前置きについてはのちほどご説明しますね)。ちなみにOculusからのお墨付きである「Oculus Ready認定」が取得されており、安心して利用可能です。

  • パッケージにも「Oculus Ready」のロゴが印刷されています

  • パッケージには、Anker Charging Dock for Oculus Quest 2、USB-C急速充電器、USB-C&USB-Cケーブル(1.2m)、交換用電池カバー、磁気USB-Cプラグ、充電式電池(単3形)×2、取扱説明書が同梱されています

Anker Charging Dockのナイスなところ

セットアップはイージー。ヘッドセットに「磁気USB-Cプラグ」、コントローラーに「充電式電池(単3形)」を入れて「交換用電池カバー」を装着するだけ。特にドライバーなどは必要ありません。充電式電池と交換用電池カバーの接点部が接触する必要がありますが、位置合わせはシビアではないので失敗することはないでしょう。

  • 「磁気USB-Cプラグ」は差し込むだけでOK

  • 「充電式電池(単3形)」は地肌の銀色部分が見えるように入れれば問題なし

「Oculus Ready」を取得しているだけに充電ドックの形状はピッタリ。スムーズにヘッドセット、コントローラーが収まります。

さて冒頭で、「ほぼ」置くだけ……と記載しましたが、筆者が試した限りではまっすぐ上からヘッドセットを置くと、「磁気USBプラグ」に「磁気出力コネクター」が吸着しなかったんです。ちょっとヘッドセットを傾けて、両者が近づくようにセットすればほぼ吸着するのですが、100%ではありません。まあ、指で磁気出力コネクターを軽く押せばカチッとはまるので、気にしないことにしました。

  • 置くだけで充電が開始されるのはお手軽

  • ただし筆者が試したかぎり、真上からヘッドセットを装着すると、「磁気USBプラグ」と「磁気出力コネクター」が吸着しません。「磁気出力コネクター」側のバネが個体差で強すぎるのかもしれませんね。軽く指で押せばはまるので実用上問題はないです

  • ヘッドセットをちょっと斜めにして入れれば、ほぼ吸着しますが、少し面倒です

  • コントローラーは単純な構造なので、まず確実に充電可能です

最大18Wで急速充電でき、約2.5時間でフルチャージされます。過充電防止機能、温度管理、過電圧防止などの多重保護システムが搭載されており、Anker製ならではの安心感があります。

  • 中央がヘッドセット、左右がコントローラーの充電インジケーター。個別に状態を確認可能です

  • 「USB-C急速充電器」の型番は「ASUC49w-P27W12」。仕様は入力100-240V~1A、出力5V 3A、9V 3A、12V 2.25A、容量27W

Anker Charging Dockのビミョーなところ

実際に本製品を使ってみて困ったのは置き場所です。Anker Charging Dock自体は38×8.5×7cm/約964gとそれほど大きいわけではないのですが、ヘッドセットを置けば当然奥行きが増えます。いまは一時的にサイドテーブルに置いていますが、最終的には少し部屋を片付けて金属ラックに移動したいと考えています。

  • ヘッドセット込みの奥行きを考えなかった筆者がうかつだったのですが、プリンターと同じぐらいの面積を用意する必要があります

もうひとつ不便なのは、PC用VRを動作させる「Oculus Link」機能を使うために、USBケーブルでPCと接続する際には「磁気USBプラグ」をはずさないといけないこと。ただ、最近はワイヤレスでPCと接続する「Oculus Air Link」機能を使っているので、個人的には無問題です。

  • 「磁気USBプラグ」は抜くのに結構力が必要です

最後に気になっているのが本製品付属の「充電式電池(単3形)」を単体で購入できるのかどうかということ。

500回の充電が可能とスペック表に記載されているので、心配するのは早すぎるかもしれませんが、「Oculus Quest 3(仮)」が発売されてもサブ機として2を使う予定のため、消耗品である充電池の入手性は気になるところです。Ankerに充電池を単体販売するかどうか確認したところ、「現在のところは予定がない」とのことでした。ガクシ。

  • 製品付属の「充電式電池(単3形)」。残念ながら単体購入は(現状では)不可

Anker Charging Dockにワガママ言わせてもらいたいところ

そうそう、ひとつ要望としてAnkerさんにお伝えしておきたいのが「壁掛けしたいなあ」ということ。

今回の合体機構そのままに壁掛けするのは難しいのは重々承知しています。しかし、ガジェットで溢れかえっている部屋で空いているスペースは壁ぐらいなんですね。「Oculus Quest 3(仮)」用の充電ドックではぜひ壁掛け対応をご検討いただければ幸いです。

  • これはレンズにホコリが積もるのでありえない置き方。縦置きを実現するためには、充電ドックの形状を変更する必要があるようです