いまイヤホンといえばワイヤレス、それも左右をつなぐケーブルすらない「完全ワイヤレス」が大人気。人気なだけに開発競争も凄まじく、2、3年前の製品と最新製品を比べると接続安定性やバッテリーのもちは格段に進化しています。それでいて価格は手頃になっているのですから、興味は尽きません。
その完全ワイヤレスイヤホン、iPhoneで使うことを前提にするとなると、選ぶときのポイントが変わります。メーカーや価格帯を問わず客観的に比較できる機能として、以下の3項目は押さえておきましょう。
1つは「同時伝送機能」がサポートされていること。従来は左右のイヤホンどちらかにLR信号をまとめて送信し、そこから片チャンネル分をもう一方へ伝送するリレー型式でステレオ再生を実現してきましたが、同時伝送機能対応機ではLR両チャンネルを左右のイヤホンそれぞれに同時伝送します。リレー送信を行わないため音途切れが発生しにくく、片方のイヤホンに電力消費が偏らずバッテリーが長もちするメリットがあります。搭載されたBluetooth SoCにより「TrueWireless Mirroring」や「MCSync」などと機能名は異なるものの、iPhoneでも効果大です。
もう1つは「低遅延」。用途が音楽を聴くだけならともかく、ゲームにも使うつもりであれば低遅延モードの有無を確認しましょう。iPhoneで使う場合、特別な低遅延オーディオコーデックを使わず、SBCまたはAACで低遅延を実現する製品を選ぶことがポイントです。60ミリ秒程度であれば、よほど判定がシビアなゲームでもないかぎり遅延は気にならないことでしょう。
3つめは「充電ケースのワイヤレスチャージ対応」。X以降のiPhoneはQi方式のワイヤレス充電に対応したことから、ふだんの充電をワイヤレスで済ませる人が増えています。そうなると、イヤホン(の充電ケース)だけ有線で充電というわけにもいきません。
もちろん、アクティブノイズキャンセリング(ANC)機能の有無、音質にこだわった設計などチェック項目はほかにもありますが、どちらかといえば高級機寄りです。上記の3項目を網羅している製品は、5千円前後の普及価格帯にも増えつつありますから、チェックする価値はありますよ。