2019年6月7日にSIMフリースマートフォンの新機種「moto g7」シリーズ3機種を発売したモトローラ・モビリティ・ジャパン。地道な取り組みで継続的な成長を続ける同社ですが、moto g7シリーズの投入に込めた狙いと、今後の日本市場に向けてどのような戦略を取ろうとしているのか、代表取締役社長のダニー・アダモポウロス氏に話をうかがいました。

  • モトローラ・モビリティ・ジャパン代表取締役社長のダニー・アダモポウロス氏

「moto g7」シリーズ3機種を投入する理由

――moto g7シリーズの発売後の反響はいかがですか?

ダニー氏:1カ月の想定販売量が1週間で売れ、とてもよかったと思います。なかでも、性能が最も高い「moto g7 plus」が好評でしたが、「moto g7 power」も低価格ながら5000mAhもの大容量バッテリーを積んでいることがほかのプロダクトにはない点として評価され、予定よりも早いペースで売れています。また、今回は初めてカラーバリエーションを用意しましたが、こちらも好評で、とりわけmoto g7 plusのカラーが評判でした。

  • モトローラ・モビリティ・ジャパンは、2019年5月30日に「moto g7」シリーズ3機種の投入を発表。6月より販売を開始した

――2018年の同時期に投入したのは、「moto g6」シリーズ2機種と、より低価格の「moto e5」1機種という構成でした。今回、moto g7シリーズ3機種という構成にしたのはなぜでしょうか?

ダニー氏:実は、エントリーモデルの「moto g6 play」を2018年9月からアマゾン限定で販売しており、昨年もmoto gシリーズは3機種を投入しているんです。3機種投入にこだわるのは、日本市場で「グッド」「ベター」「ベスト」という3つの選択肢を用意することで、SIMフリーマーケットでの客層を厚くしていく戦略があるからです。

moto gシリーズは3万円台の価格帯で展開していますが、この価格帯が日本のSIMフリー市場で最も魅力を感じてもらいやすいと考えています。モトローラは、この価格帯でのバリエーションを増やすことで顧客に価値を提供する、という取り組みに力を入れており、日本のSIMフリー市場が以前ほど大きく伸びなくなっている中でも伸びを継続しています。この戦略を取り続けて間違いはなかったと思っています。

――moto g7シリーズはコストパフォーマンスが高く、バランスが取れていると思います。一方で、ディスプレイサイズがすべて同じで、デザインも共通していることから、店頭で違いを見分けにくいように見えます。

ダニー氏:スマートフォンはどの機種もブラックボックスになってきていて、これはモトローラだけでなく、スマートフォン産業の問題と捉えています。moto g7シリーズに関しては、カメラの数やノッチ、色などで区別できますが、カメラの形状や指紋センサーの「M」マークなど、デザインルールを踏襲しており、モトローラらしさを出せてはいると思います。

  • 左から「moto g7」「moto g7 plus」「moto g7 power」。moto g7シリーズはディスプレイサイズを6.2インチに統一しているため、ノッチやカメラなどの機能・性能に違いはあるものの、サイズやデザインは近しい

――「moto e」シリーズやハイエンドモデルの「moto z」シリーズなど、ほかにもラインアップがあるかと思いますが、それらシリーズの販売はどう考えていますか?

ダニー氏:moto e5はエントリーユーザーに好評なので、今後も販売を継続していきますし、さらにお得に販売できる施策を展開しています。次のシリーズも検討中です。

zシリーズなどについても投入の検討は進めていますが、現状決まっていることはありません。モトローラは多数のポートフォリオを持っており、過去のマーケット動向などから日本市場に何がフィットするのかを練っているところです。