横浜市では今、「イノベーション都市・横浜」を宣言し、産学公民の連携基盤となる「横浜未来機構」を中心にスタートアップ企業の支援に注力している。では実際、起業家たちはそのサポートをどのように活かし、自らの発想を新たなビジネスへと昇華させているのだろうか。

今回は、スマートフォンの画面を見ず目的地に到着できる音声ナビゲーション&ガイドサービス「LOOVIC(ルービック)」を提供するLOOVIC社 代表取締役の山中享氏にお話を伺った。

  • LOOVIC社 代表取締役の山中享氏

空間認知が苦手な人に寄り添う“コンシェルジュ”

LOOVICはスマートフォンのGPSと連動した、音声によるナビゲーション&ガイドサービスだ。誰かのために自らがナビガイドをつくり、届けたい人に声を届ける。届いた人は、耳空きのイヤホンから聴こえる音声に従って景色を見ながら案内されるため、画面を見ないで移動することも可能だ。例えば、駅から自宅までの道案内を吹き込んで作成しておき、来客のためのナビガイドにする、といった使い方が考えられる。山中氏はこのサービスを「コンシェルジュのようなもの。全てを頼り切るのではなく、そっと優しく支援してくれる存在」だと説明する。

では、このサービスのアイデアはどこから生まれたのか。

「発端は、“安全”の意識から始まっています。元々、私の子どもは空間認知が苦手だったため、自立のためのトレーニングを要しました。空間認知が苦手な場合、スマホなどの画面を見ながら移動すると、周りへの注意力が下がり周囲の危険に気付かず、事故に遭いやすくなったりします。そこで『景色を覚えてもらうための音声支援のサービス』というアイデアが生まれました」(山中氏)

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