エムスクエア・ラボ、GClue、東京大学大学院 工学系研究科、ON BOARD、NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)は10月16日、5G SA(スタンドアロン)を利用したクラウド型モビリティデバイスプラットフォームの開発とその実証実験を9月26日に新潟大学で実施したことを明らかにした。

なお、今回の開発および実証はエムスクエア・ラボが受託したNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」の委託事業として行ったものだという。

クラウド型モビリティデバイスプラットフォームとは、モビリティデバイスの機能の大部分をクラウドに移行することで、1つのモビリティデバイスを複数用途に活用できるようにする仕組み。物理的なモビリティデバイスと、その頭脳となるデバイスマネジメントシステムで構成される。

モビリティデバイスは移動機能を担い共通的に利用する「移動ロボット」部分と、各ユースケースに特化した「用途ごとロボット」部分を、組み合わせて着脱できる構成を採用している。これにより、さまざまな用途にデバイスを使えるようになるという。

  • クラウド型モビリティデバイスプラットフォームの構成図

    クラウド型モビリティデバイスプラットフォームの構成図

実証では、クラウド型モビリティデバイスプラットフォームの有効性を確認した。具体的には、モビリティデバイスで前方の映像を撮影しながら走行させ、クラウド上での映像解析により障害物を検知した際に、車両を自動的に停止させる制御機能を検証している。

また、遠隔制御の低遅延化に必要な通信性能や、映像伝送や車両停止に関する遅延時間を測定した。加えて、障害物を検出してからモビリティデバイスが実際に停止するまでの距離・時間も確認したという。

なお、今回の実証により、モビリティデバイスからクラウドへの映像伝送、クラウドでのデータ処理と解析、モビリティデバイスへのフィードバックに関する一連の流れを低遅延で実現出来ることが確認できたとしている。クラウド型モビリティデバイスは実用化段階まで到達したそうだ。

  • 実証実験の様子

    実証実験の様子