シャープは10月6日、屋内外のさまざまな場所に高速・大容量の無線通信環境を構築できるローカル5Gシステムを開発したこと発表した。システム設計から基地局・端末などの機器、設置、保守メンテナンスまでをワンストップで提供するもので、受注開始は12月以降。

  • システム構成イメージ

    システム構成イメージ

同システムの基地局は、広いエリアをカバーしやすい4.8〜4.9GHzの周波数帯かつ5Gの特長を実現するSA(Stand Alone)方式を採用。無線部と制御部がそれぞれ独立した「分離型基地局」のため、設置場所の状況に応じてシステムを柔軟に構築できるという。無線部は屋内用と屋外用を用意し、無線部1基につき最大128端末を接続できる。

端末は、据え置き型の「IDU(In Door Unit)」タイプと「ドングル」タイプの2機種を用意する。「IDU」を介してFA機器やカメラ、各種センサーなどを無線または有線でローカル5Gのネットワークに接続することで、大容量データの高速伝送が可能。

一方の「ドングル」タイプは、コンパクトな手のひらサイズで、PCなどの機器と簡単にUSBで接続できるうえ防水・防塵性能を備え、建設・工事現場など屋外でも利用が可能。

ローカル5G基地局(無線部、制御部、コア装置)の主な仕様は、ネットワーク方式がLocal 5G屋外用システム、Local 5G屋外用システムともに5G SA(Stand Alone)、周波数(帯域)は4.8〜4.9GHz(100MHz)、通信速度は6Gbps(1基地局あたりDL 1.7Gbps/UL 290Mbps)、MIMOはDL 4x4/UL 2x2、接続台数は128端末/セル。アンテナ出力はLocal 5G屋外用システムがEIRP 最大約25W(内蔵アンテナ)、Local 5G屋外用システムが1端子あたり最大約250mW (外付けアンテナ)。

  • ローカル5G 対応端末(左:Local 5G IDU、右:Local 5G USB dongle)

    ローカル5G 対応端末(左:Local 5G IDU、右:Local 5G USB dongle)

ローカル5G 対応端末の主な仕様は、Local 5G IDUの接続台数ネットワーク方式が5G SA、周波数(帯域)は100MHz、MIMO対応(n79)はDL 4x4/UL 2x2、接続台数がWi-Fi16台、有線LAN2台、本体サイズがW96×D96×H172mm、重さが620g。

Local 5G USB dongleのネットワーク方式は5G(SA/NSA)4G/3G、接続台数は1台、本体サイズはW42×D87×H34mm、重さ102g、防水・防塵はIP67、MIL規格はMIL-STD-810H準拠(14項目)。