新規インストール数に基づいた新料金の導入でゲーム開発者コミュニティに波紋を広げたUnity Technologiesが、米国時間の9月22日に修正案を公表した。Unity Personalプランおよび現在までのUnityエディタでビルドされたゲームを「Unity Runtime Fee」(以下ランタイム料金)の対象外にし、ランタイム料金の対象になるゲームについては収益シェアも選べるようにする。

Unityは9月12日に、新規インストール数に基づいたランタイム料金「Unity Runtime Fee」を2024年1月1日から導入すると発表した。無料で使い始められるUnity Personalプランでも、過去12カ月の収益が20万USドル以上でゲームのライフタイムインストール数が20万回に達すると、新規インストールあたり0.20ドルのランタイム料金が発生する。この突然の発表に、ゲーム開発者コミュニティから不満や戸惑いの声が噴出し、Unityから他のゲームエンジンへ移行する動きが広がり始めた。

そうした混乱や批判を受けて、Unityはコミュニティの意見を踏まえた対応を約束。22日に「An open letter to our community」を公開した。その中で、まずUnity Createをリードするマーク・ウイッテン(Marc Whitten)氏が事前の説明や意見収集を怠って新料金を発表したことを謝罪し、以下のようなコミュニティの懸念に対処する修正案を発表した。

  • Unity Personalはランタイム料金の対象から除外。また、Personalプランの使用条件である収益・ファンディング(過去12カ月)の上限を10万ドルから20万ドルに引き上げ、起動時の「Made with Unity」の表示義務を廃止する。
  • ランタイム料金の対象は2024年以降にリリースされるUnityの次のLTSバージョンから。それより前のバージョンでビルドされたゲームはランタイム料金の対象にはならない。利用規約は、ユーザーが使用しているUnityエディタのバージョンの条件が適用される。
  • ランタイム料金が発生する新たなしきい値:過去12カ月の収益が100万USドルかつイニシャルエンゲージメント100万件。
  • ランタイム料金が発生する場合、2.5%の収益シェアか、毎月のイニシャルエンゲージメントに基づいて算出される料金のいずれかを選べる。どちらの数字もユーザーが所有するデータに基づいた自己申告でよい(常に低い金額を選択可能)。