東京商工リサーチは4月10日、 2022年度(2022年4月~2023年3月)の「物価高倒産」の状況を発表した。同調査は、2022年度の企業倒産(負債1,000万円以上)のうち、「仕入コストや資源・原材料の上昇」「価格上昇分を価格転嫁できなかった」などの事情により、倒産(私的・法的)した企業を集計・分析したもの。

調査の結果、2022年度の「物価高」に起因した倒産は393件だったことがわかった。2023年3月は月間最多の59件発生し、2022年4月の2.8倍に増加するなど沈静化の兆しは見えないという。

産業別の最多は、運輸業の89件(構成比22.6%)だった。燃料価格の高止まりが大きな要因とみられるという。これに、製造業が87件(同22.1%)が続いており、同社は、円安による原材料や資材の価格上昇が影響を与えたと分析している。

  • 産業別の「物価高」倒産状況 資料:東京商工リサーチ

業種別の最多は、燃料価格の高止まりが続く道路貨物運送業の80件。食料品製造業36件、飲食料品小売業19件、飲食店17件、飲食料品卸売業16件で、食品関連が88件と全体の2割(構成比22.3%)を占めたという。

同社は、物価上昇が続く一方、個人消費に直結する業種で価格転嫁が難しいことを示していると指摘している。